活字の海で、アップップ

目の前を通り過ぎる膨大な量の活字の中から、心に引っかかった言葉をチョイス。
その他、音楽編、自然編も有り。

ムカデ競争(恋愛小説編) (後編)

2009-05-24 01:36:53 | 創作の海
------o --- o-------- 彼女の言葉がきっかけとなって、これまでのプロジェクトの 集大成をまとめることとなった。 私達が目指そうとしたもの。 それは、機能美を個性としよう、とする主張だった。 実用一点張りのデザインでもなく。 単に、可愛いという主張を繰り返すのでもなく。 ユニセックスなカラーでありながら、どこかお洒落。 そして十分に機能的。 そうした私達のコンセプトを . . . 本文を読む
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ムカデ競争(恋愛小説編) (中編)

2009-05-23 00:36:23 | 創作の海
私達の会社は、中堅どころの文具メーカーだ。 M&Aによって膨らむ上位メーカーと、ニッチな市場を目指す 個性派メーカーの間に在って、近年売り上げが急下降していた。 その状況を打破すべく、社長の肝いりで、今回のプロジェクト 計画が立てられたのだが、市況の急速な悪化によって、実験的な プロジェクトを複数抱える余力が無くなって来ているらしい。 ここまでは、ここ暫く社内を飛び交う噂話として、私も聞いてい . . . 本文を読む
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ムカデ競争(恋愛小説編) (前編)

2009-05-15 01:54:15 | 創作の海
「なんかもう、疲れた、なぁ」 誰に聞かせる訳でもないのに、口に出す。 耳には、まださっきの彼からの電話の声が残響している。 明日、そっちへはいけなくなった。 また連絡する。 ほんとに短い、伝言メモのような会話。 それだけで、叩き切られた明日。 いや、叩き切られたのは、私、か。 ケータイのフリップを閉じた時。 明日の、彼の来訪に備えて買い込んだ食材を入れたスーパーの ビニール袋が手に食い込 . . . 本文を読む
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ムカデ競争(児童文学編)

2009-05-13 00:22:41 | 創作の海
「おい。」と、兄ちゃんから呼びかけられたような気がした。 ふと気がつくと、兄ちゃんはもう歩き出している。 僕はあわてて、兄ちゃんの後を追いかけた。 「に、兄ちゃん、待ってよ。急に動かないでよ。」 「ああ、悪い悪い。腹ぁへったもんでな。」 一応口ではそう言っているが、全然そういう風には見えない。 前のめりに、急ぎ足でせかせかと、でもどこか悠然と進んでいく 兄ちゃんは、僕ら兄弟の憧れで . . . 本文を読む
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ムカデ競争 (社会派小説編)

2009-05-03 03:03:43 | 創作の海
シャドー81さんに、「ムカデ競争」というお題を出されて しまったので。 拙い頭を捻って、この稿を起こしてみました。 社会派小説なんてジャンル付けは適当です。 この後、SF小説編は書いていますが、不条理小説編、 恋愛小説編、児童文学編は、現在プロット作成中です。 いつか、出来上がったらUPします。 それでは。 前口上は、この辺りで…。 ------------------------- . . . 本文を読む
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