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彼女の言葉がきっかけとなって、これまでのプロジェクトの
集大成をまとめることとなった。
私達が目指そうとしたもの。
それは、機能美を個性としよう、とする主張だった。
実用一点張りのデザインでもなく。
単に、可愛いという主張を繰り返すのでもなく。
ユニセックスなカラーでありながら、どこかお洒落。
そして十分に機能的。
そうした私達のコンセプトを . . . 本文を読む
私達の会社は、中堅どころの文具メーカーだ。
M&Aによって膨らむ上位メーカーと、ニッチな市場を目指す
個性派メーカーの間に在って、近年売り上げが急下降していた。
その状況を打破すべく、社長の肝いりで、今回のプロジェクト
計画が立てられたのだが、市況の急速な悪化によって、実験的な
プロジェクトを複数抱える余力が無くなって来ているらしい。
ここまでは、ここ暫く社内を飛び交う噂話として、私も聞いてい . . . 本文を読む
「なんかもう、疲れた、なぁ」
誰に聞かせる訳でもないのに、口に出す。
耳には、まださっきの彼からの電話の声が残響している。
明日、そっちへはいけなくなった。
また連絡する。
ほんとに短い、伝言メモのような会話。
それだけで、叩き切られた明日。
いや、叩き切られたのは、私、か。
ケータイのフリップを閉じた時。
明日の、彼の来訪に備えて買い込んだ食材を入れたスーパーの
ビニール袋が手に食い込 . . . 本文を読む
「おい。」と、兄ちゃんから呼びかけられたような気がした。
ふと気がつくと、兄ちゃんはもう歩き出している。
僕はあわてて、兄ちゃんの後を追いかけた。
「に、兄ちゃん、待ってよ。急に動かないでよ。」
「ああ、悪い悪い。腹ぁへったもんでな。」
一応口ではそう言っているが、全然そういう風には見えない。
前のめりに、急ぎ足でせかせかと、でもどこか悠然と進んでいく
兄ちゃんは、僕ら兄弟の憧れで . . . 本文を読む
シャドー81さんに、「ムカデ競争」というお題を出されて
しまったので。
拙い頭を捻って、この稿を起こしてみました。
社会派小説なんてジャンル付けは適当です。
この後、SF小説編は書いていますが、不条理小説編、
恋愛小説編、児童文学編は、現在プロット作成中です。
いつか、出来上がったらUPします。
それでは。
前口上は、この辺りで…。
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