著者:佐伯順子(角川選書・1575円)評者:張競
2009年1月25日(日) 今週の本棚より
サブタイトル:「恋愛」と「色事」の上下関係を転覆
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「愛」と「性」。
重たい、テーマである。
先日「ロシア文学の食卓」の書評の書評でも書いたとおり、性・食・眠は
生き物としての三大欲求である。
その一角を為す「性」。
更にそれと緊密な(表裏といっ . . . 本文を読む
著者:沼野恭子(NHKブックス・1218円)
評者:井波律子 2009年2月22日(日) 今週の本棚より
サブタイトル:死に連なる過剰な食欲の危うさ
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古代ローマの国父と言われたキケロの名言として、
「食べるために生きるな。生きるために食べろ。」
というものがある。
一般に、食べること=食欲は、性欲、睡眠欲と並んで、本能の
三大欲求と称される . . . 本文を読む
最後の冒険家石川 直樹集英社このアイテムの詳細を見る
評者:田中優子 2008年11月30日(日) 今週の本棚より
サブタイトル:スリリングな体験の先にある問い
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ノンフィクション。
この言葉から、どのような内容を連想するだろうか?
例えば、旅行記をはじめとした紀行文。
例えば、事件を丹念に検証したドキュメンタリー。
どのようなものであれ、そこ . . . 本文を読む
死なないでいる理由 (角川文庫)鷲田 清一角川学芸出版このアイテムの詳細を見る
著者:鷲田清一(角川ソフィア文庫・700円) 評者:山崎正和
サブタイトル:とつおいつ、ラディカルに
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人はみな、選択権を行使して生まれてくるのではない(※)。
自らの意思で生まれたのではない命。
とはいえ、生まれ落ちたそのときから、否、受精したその瞬間から、
細胞レベ . . . 本文を読む
2009年2月19日(水) 毎日新聞 朝刊社会面 記者:小倉孝保
サブタイトル:遺族、死刑囚、文集作り遺族に償い
購読料生かし奨学金
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この連載記事に関するコラムは、恐らくこれで最後となる。
理由は何度と無く言及しているとおり、これまでどおり情景描写が
続くだけであれば、そこから発展できる議論は出来ないからである。
今回 . . . 本文を読む
2009年2月18日(水) 毎日新聞 朝刊社会面 記者:小倉孝保
サブタイトル:遺族、許し、慰問する被害者の母
憎しみの人生に疑問
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今回、舞台をアメリカに移して登場するのは二人の遺族。
一人目は、娘を殺された母親。
恩讐の彼方に被告を許すまでに至った12年間の心の軌跡の概略が
まず紹介される。
もう一人は真逆で、州法の改正に . . . 本文を読む
2009年2月17日(火) 毎日新聞 朝刊社会面 記者:武本光政
サブタイトル:遺族、少年の更生に参加
極刑求めて…揺らぐ
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今回の白眉は、ラストの一行に尽きるだろう。
息子を殺された遺族として、少年院にて遺族としての心情等を語り、
自分達の犯した罪を認識してもらおうと努力を続ける父。
その父は、事件後は命の尊さを訴えかけるサー . . . 本文を読む
009年2月16日(月) 毎日新聞 朝刊1面 記者:武本光政
サブタイトル:遺族と被告、拘置所で面会
別れ際に握手…なぜ
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この記者は、何を語りたいのだろう?
この連載第二回を読んだときの、正直な感想である。
今回は、やはり少年犯罪(殺人)の加害者と、その被害者が描かれる。
ただ、前回と異なるのは、今回においては両者の間に交流が存 . . . 本文を読む
2009年2月15日(日) 毎日新聞 朝刊1面 記者:武本光政
サブタイトル:もう人が死ぬのは嫌
義母は殺された。弟は殺人被告に
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その日の朝刊1面の中で、もっとも大きなポイントを指定された
サブタイトルの文字。
「もう人が死ぬのは嫌」
毎日新聞という新聞のいわば表札よりも大きなポイントで書かれた
その文字が、何よりも雄弁にその . . . 本文を読む
著者:ノーマン・ロック(河出書房新社・1470円) 評者:池澤夏樹
訳者:柴田元幸
サブタイトル:「スコット隊の最期」の美しい幻覚
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この小説。
いわば、不条理日記((C)吾妻ひでお(笑))である。
だが、小説というものが作家の産物である以上、どのような不条理も
不合理も、すべては作家の思うがまま。
その作品世界においては、作家はまさに神なのだか . . . 本文を読む