活字の海で、アップップ

目の前を通り過ぎる膨大な量の活字の中から、心に引っかかった言葉をチョイス。
その他、音楽編、自然編も有り。

王妃 マリー・アントワネット(下) 遠藤 周作 (その2) アニエス編

2008-03-31 21:42:40 | 活字の海(読了編)
新潮文庫 1985年刊 480円 さて、アニエスである。 先に取り上げたマルグリットは、あくまでマリーのミラーとして作者に彫琢された 存在だったが、アニエスは革命と言うものをどのように捉えるべきか、という 作者の思いを盛り込むために彫琢された存在である(と僕は思っている)。 アニエスも本書の初期から登場し、始めは修道女として、次に女工として、 最後に殺人者としてこの物語の縦糸を織り成していく。 . . . 本文を読む
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王妃 マリー・アントワネット(下) 遠藤 周作 (その1) マルグリット編

2008-03-30 17:25:55 | 活字の海(読了編)
新潮文庫 1985年刊 480円 下巻を、先日漸く読了。 途中、大分と違う本に手を出してしまっていたため、すっかりと遅くなって しまった。 上巻のレビュー時にも書いたが、本書では、作者の織り成す虚実の糸をその 語り口に織り込むことで、作者の主張をより明確に浮き彫りにする、という オーソドックスな方法を採用している。 #もっとも、事実だけであれば、それはルポルタージュになってしまうが。 その代 . . . 本文を読む
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破約の世界史  この1000年、彼らはいかに騙し、裏切ったか

2008-03-24 01:21:16 | 活字の海(読了編)
清水馨八郎著 祥伝社 平成12年7月21日初版刊行 1600円(税別) この本は、もうかなり前に復活書房で入手(300円)したものの、そのまま 積読になっていたもの。 今回、チベット問題をきっかけに、過去に読んだ本のレビューコラムを書く ついでに、本書を手にとってみた。 あまり本腰を入れて読めていない(=斜め読み)だが、おおむね著者の主張は 理解した、と思う。 考え方としては、特に目新しい . . . 本文を読む
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大地の咆哮  元上海総領事が見た中国

2008-03-23 10:58:07 | 活字の海(読了編)
杉本信行著 PHP研究所 2006年 1700円(税別) チベット騒乱をきっかけにして、中国とチベット、あるいは中国自身の拡張政策を 見据えた書物を、書庫から引っ張り出して何冊か紹介してきた。 今日は、少し視点を変えて、現代中国国家がどのように形成されていき、なぜ このようなベクトルを有するようになったのか、という疑問について、一つの 解を提示してくれる書物を紹介したい。 本書の著者は、昭 . . . 本文を読む
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付記:中国は日本を併合する

2008-03-21 00:19:34 | 活字の海(読了編)
平松茂雄著 講談社インターナショナル 2006年 1600円(税別) 昨日のコラムを書いている中で、春暁ガス田について気になったことがあり、 別立てで論じたい。 春暁ガス田は東シナ海にあり、日中両国による大陸棚の権益を巡る争いの 正に真っ只中に存在する。 少し南下すると、尖閣諸島があり、こちらは日本・中国・台湾の三国が 領有権を主張している(今のところは日本が実効支配しているが、中国の 活動 . . . 本文を読む
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中国は日本を併合する

2008-03-20 03:34:48 | 活字の海(読了編)
平松茂雄著 講談社インターナショナル 2006年 1600円(税別) チベット情勢は、一見膠着状態に陥ったかに見える。 しかし、この状態が、カオスの上に薄皮を一枚張っただけであることは 自明であろう。 いまだ、ラサその他の地区で何が起こっているのかを正確に知る術は、 少なくとも諸外国には無い。 情報発信源が、中国国営放送である新華社と、チベットのインド亡命政府 からのほぼ二元のみに集約されて . . . 本文を読む
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世界の日本人ジョーク集

2008-03-19 01:20:25 | 活字の海(仕込み編)
早坂隆著 中公新書ラクレ 2006年 760円(税別) 以前、本書が発売されたときに、羽田空港にある書店の店頭に平積みされて いたのを覚えている。 手に取り、ぱらぱらと眺めて面白いな、とは思ったが、ネットでも同種の奴は あるのでは、と思い、そのときは購入しなかった。 なお、帰宅後に検索すると、案の定ネットでのジョーク集も存在しており、 これがなかなかに面白かった。 で、本書は敢えて買うまで . . . 本文を読む
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中国共産党に消された人々

2008-03-18 00:50:47 | 活字の海(読了編)
相馬勝著 小学館 2002年 1400円(税別) チベットを巡る動きが、更に混迷を深めている。 既に諸国が事態に対する憂慮の念を(控えめながらも)プレスしている中、 中国当局による<寛大かつ法に基づいた>公平な措置を取るからデモ参加者は 出頭しろ、との18日午前0時(日本時間同午前1時)の期限が迫るにつれ、 張り詰めた糸が今にも切れんばかりの様相を呈している。 今晩から明日にかけて、どのよう . . . 本文を読む
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囚われのチベットの少女

2008-03-17 03:10:17 | 活字の海(読了編)
フィリップ・ブルサール/ダニエル・ラン共著 今枝由郎訳 トランスビュー 2002年 2000円(税別) カバーには、表題の「囚われのチベットの少女」が、白舟極太隷書体(?)による 大き目のポイントで、三段組で書かれている。 その間にひっそりと、一人の少女の立ち写真がデザインされている。 いつ、どこで撮影されたものなのかを示す情報は、全く無い。 が、少女が11歳で投獄され、25歳まで囚われの . . . 本文を読む
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中国はいかにチベットを侵略したか

2008-03-16 01:09:04 | 活字の海(読了編)
マイケル・ダナム著 山際素男訳 講談社インターナショナル 2006年 1800円(税別) 正に今、リアルタイムでチベットで起こっている騒乱。 日本のメディアでこれだけ大きく取り上げられる位なので、相当に大規模な ものになっているのだろう。 ネットでも、新華社の死者10人という発表に対し、そんなもので済んでいる 筈が無いという趣旨の発言が多く出ていたが、果たして今日の毎日新聞 夕刊では 死者80 . . . 本文を読む
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