活字の海で、アップップ

目の前を通り過ぎる膨大な量の活字の中から、心に引っかかった言葉をチョイス。
その他、音楽編、自然編も有り。

あの事件・事故に隠された恐怖の偶然の一致 TBSテレビ 編著 二見書房

2007-10-27 20:13:37 | 活字の海(読了編)
妹から回ってきた大量のホラー系(笑)コミック本に紛れて我が家に来た本。

全部で54編の、様々な事件や事故と、それに纏わる人々との関係を、
偶然という観点からフォーカスを当てたもの。

例えば、アメリカ ネブラスカ州ベアとリスにあるウエストサイド・バプテスト
教会にてあった1950年3月1日午後7時25分に起こった事件。
ガス爆発により教会が吹き飛ぶという大惨事が発生。
本来は、同日7時30分から聖歌隊の練習があり、15人の聖歌隊員や
ピアニスト等が集まっている時間であったが、
メンバーそれぞれに全く別の事情があり、偶然にも全員が遅刻。
その結果、一人の犠牲者を出すことも無かったという。

15人とも、普段は遅刻癖などなく、いつも練習の15分前には皆揃って
いるのに、この日に限って全員が遅刻したのだそうな。

どういう計算か不明だが、全員が揃って遅刻する確率は、10億分の1以下
だとか。

この事件は、当時、あのロバート・キャパ氏で有名な「ライフ」誌にも
大々的に報じられ、この15人は有名人となったが、このとき以降二度と
15人全員に共通する奇跡は起きなかったという。


確かに、偶然と考えるには、あまりに出来すぎた話だよなあ。
事実は小説よりも奇なりという言葉がぴったりする。

どこまでが事実なのか不明だったため、軽くググって見たが、
さしたる釣果も無く、確認は出来ず終い。

ライフ誌の目次でも見つかればと思ったけれど、
流石に1950年のものなんて、英語圏でも当たればあるかも知れないが、
日本語圏内では無理だった・・・ orz

と、まあこうしたエピソードが計54件収録されている本。

一編辺り数ページと短いし、連続性も無いので、ちょっとした気分転換に
読むにはぴったりだった。

僕が興味を惹かれたエピソードは…

 エピソード05:死神に狙われたバイクの兄弟
  ⇒バミューダの路上で、バイクに二人乗りしていた兄弟がお客を乗せた
   タクシーと追突事故。幸い死者は無し。 
   一年後、同じ場所で、またもや兄弟のバイクと同じ客を乗せた同じ
   乗務員のタクシーが追突。二度目で兄弟は還らぬ人に。

   #ただこれは、冒頭紹介した教会のエピソードと異なり、
    人名も年月も詳細を表わす情報が一切無く、真偽は不明。
    自分もバイクに乗るので、心に残った可能性が大。

 エピソード17:5000キロ離れた故郷に辿り着いた棺
  ⇒19世紀後半の舞台俳優だったチャールズ・F・コクランは、
    カナダのプリンス・エドワード島出身だった。
    或る日、ジプシーに、自分がアメリカ南部で死ぬこと、
    ただ、魂が故郷のエドワード島に戻るまでは安息は訪れないし、
    その日までには長く苦難の道をたどるだろうとの予言を受ける。
    やがて彼は、アメリカ南部のテキサス州の港町ガルベストンでの
    公演中に心臓麻痺で死亡(1899年)。
    その遺体は、町の共同墓地に埋葬された。
    翌年に町を襲ったハリケーンにより発生した土砂崩れで、
    墓地も被害に遭い、コクランの棺も行方不明となってしまった。
    それから8年後、プリンス・エドワード島の浜辺にコクランの
    棺が打ち上げられ、漁師により発見。
    やっとコクランは生まれ故郷の土に還ることができた。

 エピソード33:はかりしれない人名を奪ったシャルンホルスト号
  ⇒第一次大戦後にドイツが建造した巡洋戦艦シャルンホルスト号が、
   竣工過程に始まり沈没してもなお、関与した人に災いをもたらせ
   続けた、という話。
   シャルンホルスト号そのものは実在が確認できているし、
   数奇な運命だったことも間違いなさそうだけど、
   この本に刑されたエピソードの裏を取れた訳では無し。
   ただ、初期~中期のスティーブン・キングのファンの僕としては、
   「クリスティーン」を髣髴とさせるこうした話に弱いのだ。
   もっとも、竣工前の建造現場で既に殺人を犯すなど、
   どちらかというと映画版「クリスティーン」みたいだけどね。
 
といったところかな。

 冒頭でも述べたけど、一つひとつの真贋にしゃかりきになるよりも、
読み物として楽しめれば、と思っています。

 勿論、事実かも、と思って読む方が、より楽しめるけどね。
 
 476円+税という価格から、1エピソード10円以下だし
買って損はしないと思います(笑)。

 

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