吟 行
菜畑に花見顔なる雀かな 芭 蕉
菜畑の雀の様子に、人間に通じたものを感じとって、「花見顔」といったのである。実に温もりのこもった作で、雀に対して、静かに愛情の傾いていった感じがある。素直に興じつつ、愛情ふかいまなざしが出ていると思う。小動物を生かした可憐な小品の味は、心をひかれるものがある。
「吟行(ぎんこう)」は、句を作るために山野を歩きまわったり、名所旧跡に出かけてゆくこと。
菜の花の句で春。「花見」も季語であるが、それは桜の場合で、これは菜の「花見」である。
「咲きそろった菜畑の間を、楽しげに飛びまわっている雀の様子は、いかにも、花見でも
しているといった顔つきである。何とも愛くるしいことだ」
お台場の空の菜の花明りかな 季 己
菜畑に花見顔なる雀かな 芭 蕉
菜畑の雀の様子に、人間に通じたものを感じとって、「花見顔」といったのである。実に温もりのこもった作で、雀に対して、静かに愛情の傾いていった感じがある。素直に興じつつ、愛情ふかいまなざしが出ていると思う。小動物を生かした可憐な小品の味は、心をひかれるものがある。
「吟行(ぎんこう)」は、句を作るために山野を歩きまわったり、名所旧跡に出かけてゆくこと。
菜の花の句で春。「花見」も季語であるが、それは桜の場合で、これは菜の「花見」である。
「咲きそろった菜畑の間を、楽しげに飛びまわっている雀の様子は、いかにも、花見でも
しているといった顔つきである。何とも愛くるしいことだ」
お台場の空の菜の花明りかな 季 己