しょーきゅーし

怪しい妖しい尚休の、一寸気抜けの(含む危ない、過激)プレゼンツ&箴言?を

火焔太鼓

2006年02月15日 17時34分24秒 | あっち
 落語の話ではないが、世に二つという、雅楽で使っているようなあれである。 

 お祭で使う太鼓で、普通は胴長の革張りだが、これは、直径が胴長より大きく、胴の上に火焔の飾り(焔胞?)が付いている。大概は一対で、彩色が施されて脚の上に載っている。

 T県のU市役所に、この火焔太鼓が飾られている。(と思う、昔は在った。)
 元々は、市内のS町のもので、昔はどこの町内にも在る物だった。という事は、その祭は、現在は・・・残念ながら伝わっていない様だ。

 S町に代々続くMという名家がある。或る時そこの当主が熱を出し寝込んでしまった。
 十日ほどたった頃、本家の地元の物見御祓いの偉い先生(氏神社の老巫女?)が、何も言わないのに向うからやってきた。
 「拝んでいると、Mさんの処に何かが在って、表に出たがっている。何も無ければいいが、変わった事は無いか?」
 言われた家人は、吃驚して、医者に掛かっても良くならないことを話す。
 兎に角、障っている物を探そうという事になり、蔵を一つづつあたっていくと、桐箱の中にさらしで包まれた祭太鼓が入っていた。
 あちこち蟲に喰われ、飾り紐もぼろぼろに。
 先生と一緒に、さらしを換え、綺麗に掃除をしてやると、翌日には当主の熱も引き元に戻った。
 個人で修理、保管は大変だと悩んでいたのを、市役所に寄付するという事で、一件落着。現在の市役所での展示と相成った。
 後日、その話を聴いた他の町内も、寄付の申し込みに行ったが、予算が・・・と断られ「S町はうまい事やった」と言って居たそうな。

     今日の箴言
<触らぬ神に祟りなし。障らぬ神も祟りなし。障るほど、祟れるほどに力あれ。されば崇めん、奉らん。我に御力遣わしたまえ。>