こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
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ガス抜き

2012-04-10 22:19:06 | 訪問看護、緩和ケア
どうしたものか、このお腹・・」で困っていた私たち。

すごく昔ですが、学生の時や新人の頃、ガス抜き用の太いネラトンカテーテルを、肛門から挿入して、水を張った洗面器でガスが抜けるのを確認した覚えがあります。
その後、病棟でそういう処置を見ることも、することもなかったのですが、いまも病院では、行ってっているのでしょうか?

でも、今回のケースでは、あの太いネラトンが欲しいと、みんなで真剣に思いました。

で、昨日あちこち探したら、期限キレの20フレンチのバルンカテーテルを見つけました。
直腸で使用するのであれば、滅菌の必要性はなく、ダメでもともとタダで使えるので、さっそく使ってみることにしました。

主治医の先生も、バルンでやってみようか・・・と言っていたので、ちょうどいいと言う事になりました。

まず、カテーテルチップ(先の太い、洗浄用のピストン)をつけ、グリセリンを塗って、10㎝ほど挿入します。
この手順は、昔ながらのガス抜きと同じです。
硬く締まった肛門は、直腸診では強い抵抗がありますが、ネラトンだと抵抗なくスッと入ります。

で、そっとカテーテルチップを外すと、すーっとガスが抜ける音がしたそうです。
「やった!!」
それからカテーテルチップをつけ、何度がピストンを引くたびにガスがぬけ、ご本人から「なんだかすごく楽になった!」という言葉が・・。

直腸内も、いつもはガスで膨らんでパンパンなのに、それがきれいに抜けていたそうです。

うーん。あなどるなかれ昔からある看護技術。恐るべし!

これを夫に指導し、安全に、かつ簡単にガス抜きがいつでもできれば、夫の負担も減るし、限度額オーバー必須の緊急訪問も減るのではないでしょうか。

特に、ご自分で体位交換もできない方なので、安全な固定方法を検討して、直腸に固定すれば異常なガスの貯留が無くなるのでないかという期待も持てます。
これに関しては、まだリスクがあるので、主治医とも相談して検討していくつもりです。
担当ナースも満面の笑顔で報告してくれましたし、主治医も報告を受けて、自分もやってみます!と言ってくれました。

昔からある技術で、すっかり忘れられているもののなかにも、十分応用できるものはたくさんありますよね。

ちなみに、便がたまっているときには、バルンカテでは細すぎて詰まってしまうので、ガスのみに有効です。
一時しのぎとはいえ、不要な緊急訪問を減らすことは、とても大事なことですから。

それにしても、それぞれの患者さんに、それぞれの問題がありすね。
人は皆、それぞれの苦しみを抱えて生きているのですよね。

私は、今いろんなことで、、結構いっぱいいっぱいだったりします。
とにかく、後には引けない状況の中で、手かせ足かせもありつつ、重い荷物を引きずるように、少しづつ前に進もうとしています。

でも、やっぱり時どきくじけそうになります。

人の心は見えませんし、自分の心だって、いい方に持って行ける時ばかりじゃないですよね。
アップダウンの私の道。

随分と下って、少し上がるとまた下って。

それでも、先はまだまだ続きます。

大学のスクーリングもなかなか受けられないし、部屋の大移動もまだ途中です。
子どものこと、親のこと、仕事のこと、子犬の事、請け負った仕事のこと、ブログの亢進や審査会のこと。

夕方になると、ますますいろんなことが嫌になってしまって、全部全部投げ出したくなります。
これって、ちょっとやばいかも、と自分で思ったりして。
だめだめ、頑張らないとね。明日はきっと楽しいはず。

そんな私の癒しの救世主です。