こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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ヘルパーさんのスキルアップを。

2010-12-08 23:28:29 | 訪問看護、緩和ケア
今までも何度か記事にしましたが、このところの在宅事情を考えると、一番要になるのはやはりヘルパーさんです。
訪問看護師は、人数も限られていますし、利用料も高い。
看護師は、ポイント的に入って調整役になることは可能ですが、現実問題として実際に利用者さんのケアをするのはヘルパーさんになります。

ただ、これもまだまだ「やれること、やれないこと」のハードルが高くて、意味不明で難解な注釈つきだったり、絶対不可欠なものをダメダメ攻撃していたりで、現場ではとても困っています。

ターミナルの患者さんや、重症患者さんが在宅に戻られることが多くなっているかたわら、社会はとっくの昔に各家族で、最近は老々介護だったりお子さんと二人暮らしだったりします。(独居も多いですね。)
ご家族がいても、多くは日中就労されていて、その間を時間でヘルパーさんにお願いしている方は、たくさんいらっしゃいます。

この間の食事や排せつ、清潔、服薬までお願いすることになりますが、ここも線引きがあって、現場のケアマネさんは本当に苦労されています。

まず胃瘻

最近多い胃瘻の方に関しては、残念ながらヘルパーさんには、いまだ注入の接続さえも許されていませんよね。
かといって、毎日最初と最後に看護師が入るわけにもいかず・・・
(そんなことからか、こういう患者さんを集めて一部屋に押し込んで、24時間ポンプで流しっぱなしで管理するような施設も出てきているらしい・・)

うちでは、ほとんどの患者さんに半固形化をお勧めしていて(使用している栄養剤や経済的な配慮も含めて、個々で方法は変えています)朝、夕、寝る前などにしたりして、ご家族ができるように工夫をしています。

食事介助は

嚥下に問題がない方は良いのですが、嚥下機能の悪い方に食事介助をお願いしているご家族はかなり多くて、見ているほうがひやひやすることがよくあります。
食事形態や量や、姿勢などなどの注意点はお伝えするものの、実際どこで危険と感じるか、どこかおかしいので相談してみようと感じるかは個々のヘルパーさんの力量だったり経験だよりだったりします。

べろに食べ物を置いて、それがどのように呑み込まれているのか、ちゃんと呑み込めているのか、口の中でばらけているのか、いつまでも舌の上から動かないのか。

むせるのか、むせないけれどそのあとゼロゼロしていないのか。
わずかに喉の奥で、プツプツした音が聞こえないか。
顔色が悪くなったり、息ずかいが荒くなったりしないか・・。

書き出すと細かいことになるけれど、別に大した観察ではなくて、食事介助をしながら何気に気が付かどうかは、これも人によりけりですね。

何年も前に、家族不在の食事介助時に呼吸停止して、パニックになったヘルパーさんがいました。
だいぶ前から、その事業所のサ責とケアマネには「食事介助中の窒息・誤嚥の可能性が高いので、十分ご家族と話し合って、緊急時の取り決めをしたほうがよいですよ。現場のヘルパーさんのトラウマにならないようにしてくださいね。」とお伝えしていましたが、その時の事業所対応は「はー、そうですか。」で終わっていたため、実際の時には大変な騒ぎになっていました。
ご家族全員の不在と、さらに携帯電源がオフだったことで、呼吸が止まっていく過程で、ご家族の留守録にはヘルパーさんの恐怖の絶叫が何件も残っていたそうです。
しかも、この方は「何があっても救急車を呼ばないで、ご自宅での看取り。」と言う取り決めがヘルパー事業所としてあったため、当事者だったヘルパーさんは、私たちが駆け付けた時には放心状態で、ご家族がお弁当ぶら下げて何も知らずに帰ってきたときには、泣き崩れてました。
このケースではご家族が、亡くなられたお母様とヘルパーさんに泣いてお詫びをしていましたので、主治医も怒りながらも死亡確認を書いてくださり穏便にすみましたが・・。

そして、今後ターミナルの患者さんをみていくなかで、疼痛コントロールにどうかかわってもらえるのかと言う事。

レスキューの内服や座薬などをどうするのか。

絆創膏一つでも「ぜったいやらない!」事業所もある中で、医師やご家族との強い希望で書面のとりかわしのうえ、もし出来るようになったとしたら・・・。

痛いと言ったから入れた。
気持ち悪いから入れた。

だけでは済まないのがプロなわけで、現実問題子供の座薬を昔入れたことがあるから・・では、現場のヘルパーさんはどんなに怖いだろうかと思ってしまいます。
でも、怖いと思うならまだましで、言われた通りするだけだったら、もっと怖いですよね。

どんなふうに何に気をつけて使うのか、使ったらとりあえずは何を観察すればよいのか・・。
異常のサインはなんだろうか?

こういうことに疑問を持ってくれれば、それはうれしいことですし、いくらでもご協力しちゃいます。

先日、更衣もできないヘルパーさんの話を聴いたことがあって、やっぱりみんなで一度勉強会をしようよーと思いました。

今日、区役所でも係長さんにそのお話をしました。
もっと地域全体で、ヘルパーさんのスキルアップをしませんか?
在宅高齢者サポートネットワークで、とりあげてみあせんか?とお話をしてきました。

チームとして、一緒に地域を支えるために、あと少しスキルアップとプロとしての意識ずけと、在宅療養で知っていてほしい知識。
来年度は、できれば地域としてヘルパーさんへの研修の企画をプッシュしていきたいと思っています。