29日深夜のNHK、日米首脳会談後の共同会見の中継に聴き入りました。安倍首相はケネディ大統領の演説を引用し「法の支配を世界に広げる」などと自信にあふれ、「平和と繁栄に満ち溢れた・・・、日米同盟にはるかな1ページを開いた・・・、アジア太平洋のみならず世界の平和と安定に・・・、日米抑止力の強化・・・」と耳障りのよい言葉並べに、首相のスピーチライターは誰なのかと思ってしまう演説でした。
オバマ大統領も「新日米同盟に地域制限がなくなった」と・・・、渦中のTPP交渉について安倍首相は「大きな発展があった、経済を前に進めるため、日米のためだけでなく」と、一国の代表として食糧自給率の低下をさらに進めようとしていることが伝わり、危機感と怒り心頭で目がさえてしまいました。寝不足の朝になって日米首脳共同会見の要旨をネットで読み、改めて大きな岐路に立たされていることを痛感です。
そんなことで気分転換にと花屋さんへ行き、インパチェンスとキュウリの苗などを求めて土いじりに勤しみましたが、深夜の首相演説が頭をよぎります。そして今年もソメイヨシノが散って葉桜が眩しいほどで、庭で冬越しの日本桜草に癒されるひと時です。
30日深夜もまたNHK、安倍首相の米議会での英語による演説を注視です。冒頭では祖父の岸信介氏を引き合いで、「戦後の日本は、先の大戦に対する痛切な反省を胸に歩みを刻みました。自らの行いが、アジア諸国民に苦しみを与えた事実から目をそむけてはならない」」と、歴代総理と全く変わるものではないと強調です。共同会見よりもさらに最悪で演説の全文を読み、多くの人の名前を挙げながらどうでもよいことを一国の代表として米議会で述べていることに恥ずかしくなりました。
またTPPについて「繁栄こそは、平和の苗床です。その営為こそが、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)にほかなりません。」と・・・。さらに「太平洋からインド洋にかけての広い海を、自由で、法の支配が貫徹する平和の海にしなければなりません。そのためにこそ、日米同盟を強くしなくてはなりません。」と同盟ミッションを述べました。
演説の全文 http://mainichi.jp/shimen/news/20150430ddm010010132000c.html
今、自民党は「憲法9条には自衛隊の存在すら規定がないから改憲」と主張ですが、これは平和憲法の本質を理解していないことでもあります。確かに世界的に軍事組織規定がない憲法は稀ですが、それは日本国憲法が世界唯一の平和主義の理念を前文に掲げ、第9条はそれらが具現化した規定とされているからではないでしょうか。
そんなことで国会審議はおろか、法案提出すらなされていないこの段階で、重要法案の成立時期を米議会で約束する安倍首相、国民と国会を無視することに他なりません。日没直前の6時過ぎに日本海に沈む夕日を眺めながら、国民のほとんどか関心の薄い安倍首相の訪米演説から、戦後70年目にして平和国家としての誇りを捨てた日を憂う4月の終わりです。
※ブログを早めに書き込んだものの、サーバーとの接続ができずにやっと5月1日昼に回復しました。