すとう信彦 & his band

社会起業家(チェンジメーカー)首藤信彦の日常活動とその仲間たち

広報型リーダーへのシフト

2009-03-09 22:13:18 | Weblog
小沢代表への逆風が強まっている。民主党支持や自民党不支持などはそれほど大きな変動がないのに、小沢代表の説明不足や代表辞任要求などには厳しい意見が寄せられている。わたしなどは大久保秘書逮捕を受けての記者会見はこれまで見たことがないほど多くの言葉で、論理的に自己主張した、うんこれで大丈夫と思ったが、これまでそれほど小沢さんの発言を関心を持って見たことがない方からすれば、「こりゃなんじゃ」と思ってしまうのだろう。同じ話をテレビによく出ている弁護士などが話せば、それなりにもっと説得力があったのだろう。
広く国民が代表説明になっとくしない背景には次の要素が関係していると思う。
第一はやはり旧自民党的な経歴とグレーな実績の政治家だとの深層認識だ。最近でも国民の注目と憤慨を集めた守屋防衛元次官の信じがたいスキャンダルで表面化した山田洋行からの献金でも小沢代表の名前があがっていた。
第二にはご自身のコミュニケーション能力だろう。さまざまな専門用語、論理的な説明の組み立て、なるほどと思わせるキーワード、記憶にとどまるキャッチなどがないと、視聴者に自分の説明を納得させることはできない。良くも悪くも小泉さんが持っていた天賦の才能だ。
第三はメディアトレーニングだ。80年代多国籍企業を襲ったさまざまな危機事例からの教訓は、どんなに有能な経営者でも、専門のトレーニング無しには、テレビカメラの前で自社の立場を説明し、納得してもらうことはできないという厳粛な現実だ。政治の世界でも、当時のソ連のゴルバチョフがメディアトレーニングを積極的に取り入れて、世界に情報発信した。当時彼に会った日本の政治家が、ゴルバチョフがお化粧して出てきた..と言って驚いていたが、そうした表面だけでなく、中身も彼はレベルアップ、パワーアップしていたのだ。イギリスのブレア前首相じゃないが、世界のリーダーは圧倒的に広報型リーダーにシフトしてきている。
そう考えると、小沢さんも、そして何よりも麻生首相も、危機に満ち満ちた現代政治のリーダーとしては弱点を持っていることがわかる。小沢さんを見ると、無口で自信にあふれた昔の実力派工場長を思い出す。麻生さんは社内からバカにされる窓際の部長代理という感じか?
ホテルのバーや自分の事務所ではなく、国民注視のもとで危機を乗り越え、そしてそれを国民に納得させる能力がこの1週間に問われることになろう。