すとう信彦 & his band

社会起業家(チェンジメーカー)首藤信彦の日常活動とその仲間たち

メディア・パッケージ:法廷外判決を誘導する仕組み

2009-03-06 22:27:48 | Weblog
小沢秘書逮捕騒動はだいたい予想したとおりの展開となりつつある。小沢代表も危機感を持っているのだろう、それは小沢さんの最初の説明を否定するような情報が新聞記事の一面を覆っているからで、なんと連日の記者説明をするようになった。
しかし、小沢側が西松建設に献金をもちかけていたとか、資金管理団体への献金は政治団体ではなく、西松が裏にいることは認識していたとか、そうした情報をよく見ると、一体誰がそれをしゃべっているかというと、実は主語がない。拘留している西松建設社長とか、小沢秘書が自白しているようではないようだ。
じつはここにメディアパッケージという、現代メディア戦略の基本手段がここで活躍している。このような問題はそもそも当事者が実態を公開しないかぎり、なかなか白黒がつけられないグレーゾーンの問題だ。そこで、検察・警察・官邸などが逮捕と同時に、これまで集めてきた周辺情報(退職した責任者、立場の弱い女子社員、解雇され不満を持っているものなどから簡単にあつまる)をパッケージでメディアに情報キットとして手渡すのだ。そうすると何とか情報を手に入れて記事にしなければならない記者は当然、これに飛びついて記事にすることになる。その結果、逮捕者は完全黙秘を続けていても、世間ではもう「真っ黒」の有罪判決を下してしまうのである。そうなれば起訴もしやすいし、また裁判官にも世論とことなった判決を下さなければならないというプレッシャーを与えることができる。これは鈴木宗男事件あyホリエモン騒動を思い出せば理解できるだろう。世界の重大事件のほとんどはこの分野の収益性に引かれた宣伝会社のアドバイスの元で、関係団体が必死のメディア戦略を展開しているのが世界の現実だ。実はこうした構図に、1980年代から日本企業が赤子の腕をへし折るように、国際企業訴訟で叩きのめされてきた。実は小生は危機管理の専門家として、そうした問題への警鐘をならしてきたのだが、日本企業側はその甲斐もなく、相変わらず訴訟社会の外国で餌食となっている。まあ、こうした手段を政府がとったと想像されることに、いやむろんその実態や真実がわかるのはずっと先だが.....日本政治の腐敗と政権交代という事実上の無血革命の重さがこの問題からも垣間見えるのである。