SUPER FLAT 2

非ファルス的にもっこりするものを肯定せよ!(神の性的不器用あるいはその性的悪戯に由来するもの達について)

セックス&ヴァイオレンス

2010年09月16日 | Weblog
>ラスコー洞窟は芸術の発端であるという言説がよくなされますが、ラスコー洞窟はヴァイオレンスとセックスだと言ったのは、バタイユが唯一だと思います。それが芸術と宗教の始原の場である洞窟のなかで行われ、幻想のスクリーンに映し出されていたと思う。(中沢新一談『ヴァナキュラー・イメージの人類学』172ページ)

 セックス&ヴァイオレンス、エロス&タナトス。どのみちバタイユをスルーしてしまうことなどできない相談だが、日本では悪評高い村上隆のこの「エロス・フィギア」は、それを生み出した日本文化の歴史的な「イタさ」と結びついている。村上隆はアート界のセレブとなった今でも「僕はオタクだ」と主張し続けているが、それは自分のアートがその日本特有の「イタさ」とけっして切り離すことができないことを知っているからだろう。当のオタクたちが感じることのないであろうその「イタさ」を、村上隆は「本物のオタクではない」がゆえに痛感することができるのではないだろうか。この恥ずかしい「エロス・フィギア」は、何か途方もないヴァイオレンスをそのイメージの始原として、幻想のスクリーン上に映し出されている。

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