SUPER FLAT 2

非ファルス的にもっこりするものを肯定せよ!(神の性的不器用あるいはその性的悪戯に由来するもの達について)

My Generation

2006年07月23日 | Weblog
 YouTubeにアップロードされているThe WHOのビデオ「My Generation」を久しぶりに観る。普通、ロックバンドのプロモーション映像というのはヴォーカリストを中心に構成されるものだが、この映像での主役はドラムのキース・ムーンとギターのピート・タウンゼントである。だがこの二人のうち、どっちが本当の主役かを決めるのは難しい。「主役は俺だぜバカヤロウ」と言わんばかりのドタバタを見せつけているキースに比べると、ピートのアクションは(途中まで)何だか大人しい。だがよく見ればピートの背後のスピーカーが穴だらけであり、もうすでに撮影前にひと暴れしたことがわかる。しかも煙を噴いており、いきおいピートが「誰が主役か教えてやるぜバカヤロウ」とギターを振り上げた瞬間、アンプが爆発している。もうどっちが主役でも構わない。この勝負は引き分けだ。

エレキの神様

2006年07月07日 | Weblog
「エレキが不良を作る」という風評に反発し続けて30年。ついに未踏の1300回に達した「スクールコンサート」のステージ上で、エレキの神様(寺内タケシ)は1300回目の記念すべき「テケテケ」を披露した(らしい)。実際には一回のステージで最低5回はエレキを「テケテケ」させているだろうから、5×1300で6500回目の披露となるのだろうか。いや、もっとやっているだろう。少なくとも一万回は超えているはずだが、どうだろう?......しかしそんなことはどうだっていい。なんにしろ今の中高生に「テケテケ」の醍醐味なんて解るわけがない。そんなものを聴いて喝采しているのは「団塊の世代」のオヤジ達だけだ。実際、このオヤジ達にエレキを渡せばもう9割以上の確率でベンチャーズの「テケテケ」をやらかす。嘘だと思ったら試してみてほしい。「俺にエレキ貸してみろ」とか言って、いきなり「テッ、テケテケテケテケテケテケ♪」と得意になってやり始める。何のテクニックもセンスもいらない。ただ高音部から低音部にかけて手を動かすだけで「テケテケ」という音が出る。ただそれだけでオヤジ達はご満悦なのだ。もう嬉しくて仕方がないのだ。こっちが「もう止めてくれ」と言うまで人のエレキを「テケテケ」させ続ける。「いまどきテケテケなんてやってんじゃねぇよ!」と怒るまで止めようとしない。なるほど、エレキの神様は「1300回か、よくやってきたなあ。いつの世も、大人は間違いをするものだ」と語るが、まさにおっしゃるとおりだ。

ディア・アメリカ 戦場からの手紙

2006年07月05日 | Weblog
 バーナード・エデルマンの原作を映画化したベトナム戦争のドキュメンタリー『ディア・アメリカ 戦場からの手紙』(1988年) は未だ日本ではDVD化されておらず(リージョン1のみ)、VHSはすでに廃盤となっている。もしこのドキュメンタリー映画のサウンドトラック盤が存在したならば、それは音楽で「アメリカの没落」を回顧する最高のコンピレーション・アルバムとなっていただろう。クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァルの「フォーチュネイト・サン」、ジミ・ヘンドリックスの「アー・ユー・ エクスペリエンスト」、ローリング・ストーンズの「ギミー・シェルター」、ボブ・ディランの「激しい雨が降る」、ドアーズの「ファイヴ・トゥ・ワン」、ブルース・スプリングティーンの「ボーン・イン・ザ・USA」......。これらの曲(全24曲)は、ベトナムに散った兵士達のためならと、全てが無償で提供された。この幻のサウンドトラック盤は、これまで聞いたすべてのレコードのなかで、私のベスト・ワンである。ティム・バックリィの「ワンス・アイ・ワズ」が心を揺さぶる。5万8千人におよぶ戦死アメリカ兵の平均年齢は19歳であった。