SUPER FLAT 2

非ファルス的にもっこりするものを肯定せよ!(神の性的不器用あるいはその性的悪戯に由来するもの達について)

大地の魔術師たち

2010年09月14日 | Weblog
 モンド映画といえばイタリアだが、この1975年に制作された『Journey Into The Beyond』(英語タイトル)は珍しくドイツの映画である。日本でもオカルトブームたけなわの1976年に『超常現象の世界』というタイトルで劇場公開されており、それなりの評判をとったらしい。見所は、アフリカの祈祷師による空中浮揚のシーンである。カメラが浮いた祈祷師の後ろに回りこみ、トリックが無いことを証明する。しかし背中を写さないのはワイヤーで吊っているのを見せないためだろうが(爆)、そんな種明かしはともかく、このシーンで注目すべきは、二台のカメラが祈祷師の姿を立体的(三次元的)に浮かび上がらせようとしている点と、もうひとつ、大地からの浮揚が精神医学の言うところの「解離」を示しているらしき点である。トレーラーからも分かるように、この映画はひたすら「痛い」映画であり、この身体的な「痛さ」と精神との「解離」的な関係については何を今さら、斉藤環にでも尋ねてみればよい。......というわけで何が言いたいのかというと、日本ではオタクたちに評判の悪い村上隆の「ヒロポンちゃん」等の立体エロ作品が、実はこの大地から浮揚する祈祷師の立体イメージに近いのだということ。まずそのことを言っておきたいのである。(続く)

【訂正】「乖離」を「解離」に直した

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