SUPER FLAT 2

非ファルス的にもっこりするものを肯定せよ!(神の性的不器用あるいはその性的悪戯に由来するもの達について)

革命前夜

2005年11月30日 | Weblog
 重要なお知らせがあります。私たちは来年2006年度中に、東京とニューヨークにおいてアートショー「オタクデリック展」を強行開催します。私たちはこのアートショーにおいて、「村上隆以後」の新しい日本のアートを強力にプロパガンダします。もう私たちはリトルボーイ(村上隆)などではありません。革命前夜を迎えたリトルソルジャーです。オタクという小さな兵士達によるストロングでパワフルでそしてビューティフルな聖戦。もはやこれは展覧会ではありません。戦争です。このアートショーをアメリカへの宣戦布告行為と認めることが本日の役員会で決議され、承認されました。審判は後の美術史家がやればよろしい。私たちは革命家であって歴史家ではありません。さあ、私たちと一緒に救済計画を行いましょう。そして悔いのない死を迎えようではありませんか。とりあえずジハード志願の方はコメントください。愛犬のチャーリィ(柴犬オス5才)が興奮して暴れまくっています。

放送大学特別講義

2005年11月29日 | Weblog
ロラン・バルトと現代~テクストの快楽が意味するもの~】渡邊守章/小林康夫/石田英敬(テレビ12月31日(土曜)21時30分)
記憶の場をめぐって~歴史家ピエール・ノラとの対話~】ピエール・ノラ/渡邊守章/石田英敬(テレビ1月14日(土曜)20時 )
ピエール・ブルデューの思想~芸術受容の社会学~】石井洋二郎(ラジオ2月6日(月曜)11時15分)
【日本SFの思想~受容期発展期拡散期】巽孝之(ラジオ1月1日(日曜)12時45分~)
文明の衝突とは何か】服部英二(ラジオ12月31日(土曜)17時30分)
自然界のパターンを数理で見る】三村昌泰(テレビ1月1日(日曜)6時45分)
現代史研究と資料保存~アーカイブズの役割~】天川晃(ラジオ12月25日(日曜)23時)

その他【放送大学年間番組表

ネイチャーアクアリウム

2005年11月27日 | Weblog
 ネイチャーアクアリウムの創始者である天野尚氏(アクアデザインアマノ)をゲストに迎えた26日の『エフエム芸術道場』では、この「水草を極めた男(天野尚)」と「アートを極めた男(村上隆)」による、どこまで嘘か真か分からなくなるほど大胆で熱い話が展開されていた。実はこの二人の対談は、2年前に雑誌『ルカ』の特集「村上隆アート十番勝負」でもおこなわれている。そこに掲載されていた天野氏自身の撮影による「天野流水草レイアウト水槽写真」の、その静謐な美しさには誰もが息を飲んだことだろう。日本画を修めた村上隆が「ヤバい、ヤバい」とおろおろするのも無理はない。天野氏はたんなる趣味の水草鑑賞をいきおい芸術鑑賞のレベルにまで高めた功労者であり、アーティストなのである。そしてアーティストであるがゆえ、その人生は自ずと奇矯なものとならざるを得ない。この天野氏の前職は意外にも競輪選手である。水草と写真と自転車がどう関係しているのか。『ルカ』の対談では、すでに水中植物に魅せられていた中学生の頃に、なんと自転車で地元の新潟から東京の水族館まで観に行っていたのだという(今、車で関越道を使っても東京―新潟間往復を遠いと感じるのは私だけではないだろう)。もちろんクラスの誰もが信じないので、証拠写真を撮るためにカメラを手にしたというのだ。なるほど、筋が通っている。だが今回の放送を聴いた限りでは、その話もかなり脚色されている気がするのだ。「湿度90%の熱帯ジャングルでアルコール度数99度の酒をピグミー達と一緒に飲んだんだよ」という実話ナックルな話には、さすがのDOB(村上隆)もなかば呆れている。もちろん嘘を言いたいわけではないのだろう。ただサービス精神が旺盛すぎて、いつの間にか自分でも本当はどうだったのか分からなくなっているだけなのだ。だがそんな話の真偽などどうでもよくなるほど、天野氏の作品がまさに嘘のように美しいことだけは確かである。

もうとっくに祭りは終わっていた

2005年11月26日 | Weblog
 東野芳明氏の訃報に驚く。もう長く故人であると思っていたからだ。いつだったか誰かに「東野芳明という美術評論家はもう亡くなっているよ」と聞かされていたのである。だがそれが、この10年ものあいだ意識を消失していた美術評論家の名誉を保つための配慮であったとは、いまごろ気付いても遅すぎる。
 このマルセル・デュシャンの研究で知られた美術評論家の長すぎる10年のあいだに、日本の現代美術は没落していった。現代美術とは何よりまずマルセル・デュシャンのことである。そしてその「デュシャンを忘れた現代美術」のことを実は「現代アート」と呼ぶのだ。
 東野芳明氏に「先生、現代美術って何ですか?」と誰ひとり問うことのできなかったこの10年で、私たちは現代美術が何であったのか忘れてしまった。デュシャンが誰なのかもう憶えていないのだ。「先生」はどこか遠いところへ行ってしまった。デュシャンのことを尋ねても、もう遠すぎて間に合わない。もうとっくに祭りは終わっていたのである。
 では、いま私たちが見ているこの祭りはいったい何なのか? 「これが最後のシナプス発火? 死を理解しようとする最後の試み、最後のメタファーだということもありうる。それともなにか全然別のものだということも......」(コニー・ウィリス『航路』より)

手紙のエクリチュール

2005年11月24日 | Weblog
 あたしかがライブドアでこっそり球根を栽培している。つねに隠喩を実体化してものを考えている彼のことだから、どうせその「球根栽培法」というブログタイトルもまたドゥルーズ=ガタリの例のアレを意味しているのに違いない。そんな「哲学肌」のあたしかの手にかかれば、アニメの『ハラウの動く城』だって立派な「戦争機械」となってしまうのだ。だから11月23日付の投稿で、「手紙」という隠喩をまんま実体化したとしても何ら不思議ではない。ここであたしかは「エクリチュール」という概念を、当然のようにまんま「文字デザインそのもの」とイメージしている。なんと彼にとって「手紙のエクリチュール」とは、まさにそのまんま普通に「手紙に書かれた文字」のことなのである。
そんな理解の仕方は絶対に何か間違っている。
 ラカンの『盗まれた手紙』にしろ、デリダの『真実の配達人』にしろ、そんな杜撰なことは書いてないはずだ。もちろん「彼らの議論などここでは関係ない」と言われればそれまでだが、それでもやはり彼は何か絶対的に間違っている。残念なのは私にもその二人の議論がなんだったのか思い出せないことなのだが......。

NYが田舎なら丸亀はどうなる

2005年11月23日 | Weblog
「丸亀プロヴォーク派」を代表する「世界の松田征明」氏は、11月22日付の声明文「NYがアートの中心? 笑っちゃうぜ!」において、これまで以上に奇妙奇天烈摩訶不思議な意見陳述を試みている。ここで松田氏は「NYはアートの中心地である」という私たちの歴史的認識に基づく客観的事実に抗し、いきなり「ど田舎」であるという斬新な視点を導入して常識人を驚かしている。だがいかんせん、その理由がたんに「飯が不味いから」あるいは「毛唐礼賛は嫌だ」という極めて「わがまま」な感情による主観的理由によるものであるからして、もう文の冒頭から一貫して意識混沌を極めている。いきおい松田氏は、それこそ「世界の中心で愛を叫ぶ」ようにして「世界の中心は人の数だけあっていいんじゃないか」と意見するが、そこではすでに「世界」と「セカイ」との区別は付いていないのである。だいたい本当に「ニューヨークなんて世界の文化の中ではど田舎」なのだとしたら、香川の丸亀はどうなるのか? もはや「魔大陸」では済まされまい。

逆アルジャーノン

2005年11月22日 | Weblog
「村上隆の作品っていったい何なんですかアレ?」という問い合わせをよくいただきます。ここで簡単に説明しておきましょう。村上隆のアートとは、一言で言えば「逆アルジャーノン」です。どこかで聞いたことのある言葉ですよね。そう、誰もがよく知るあのダニエル・キイスの小説『アルジャーノンに花束を』のアルジャーノンです。ダニエル・キイスのこの小説ではご存知のように「利口になった馬鹿者の悲劇」が物語られていますが、村上隆の作品では逆に、「馬鹿になった利口者の幸福」が描かれている、といってよろしいかと思います。カイカイキキのサイトにはこう記されている。「私たちの作品は元気でかわいく、人々の気持ちを明るくするようなものばかり。作品をご購入頂いた皆さんに明るく&楽しい気持ちを提供できるように、これからも作品を制作し続けていきます」 手術によってIQ185の天才になる前の主人公チャーリー(IQ68)は、まさにそんな村上隆の作品のような存在でした。もうお分かりでしょう。なぜDOBというキャラクターがまずネズミ(のアルジャーノン)でなければならなかったその理由が。

マンハッタン無酸素スピード登頂

2005年11月19日 | Weblog
 書斎で仕事をしていると、愛犬のチャーリィ(柴犬オス5才)が部屋に転がり込んできた。よほど悔しいことがあったのか、目に涙を浮かべている。訊けばどうやら香川の「丸亀グループ」に何か言われたらしい。さっそく松田征明氏の「億万長者ブログ」にアクセスしてみる。

>村上隆をみるにつけ、NYで成功するのは簡単そうだ。日本の雀は彼を神格化しているようだが、雀はしょせん雀。アートフェアを自分で戦ってみな。まあ、今のところ、NYには興味がないんでそっちは彼に任せておこう。(2005年11月18日)

 チャーリィが低く唸っている。なるほど松田氏に雀呼ばわりされたってわけか。プライドの高い芸術犬のチャーリィが怒るのも無理はない。だがこの投稿には、今の松田氏の抱えた混乱と焦燥とがはっきりと表れている。というのも、ここで松田氏は「今のところ、NYには興味がないんで~」と記しているが、しかしつい3日前には「来年1月以降、ニューヨーク、ロンドンでの活動をスタートさせます」と述べているのである。あきらかに混乱しているのだ。おそらく今の「丸亀グループ」のレベルでは、せいぜいこの「上海アートフェア」が限度であると自ら悟ったのだろう。このままではいつまでたっても頂上(ニューヨーク)は見えてこない......焦りと不安。そして怒り。

 確かに今の「丸亀グループ」の現状ではマンハッタン登頂は難しいだろう。なにしろ問題なのは、松田氏の戦略が、登山用語でいう「ポーラーシステム」を採用しているということだ。中国、スペイン、パリなどにベースキャンプを張りながら、ゆっくりと確実にニューヨーク登頂を目指す。いかにも「丸亀」らしいのんびりとした方法だ。しかし「世界は加速度的に進化している(松田氏)」のだから、この「ポーラーシステム」では時間がかかり過ぎて、せっかくのビッグチャンスを取り逃してしまうことになりかねない。
 私たちの戦略は、対して「アルパインスタイル」を採用します。私たちは来年、マンハッタン無酸素スピード登頂に挑みます。たったの一ヶ月でアートの中心地ニューヨークを制覇してみせます。ベースキャンプなど必要ない。必要なのはスピードだけです。判断する猶予をアメリカ人に与えません。気が付いたら頂上に私たちの旗が立っている。村上隆は「いくつもの壁を乗り越えて成功を掴んだ」と自身述べていますが、私たちのスピードは、その壁が立てられる前にラインを突破します。誰も私たちを捕まえることはできません。『アートフォーラム』誌の編集部はパニックに陥り、 MoMAのスタッフがヒステリーを起こすでしょう。あるいは暴動が起きるかもしれません。なにしろ一ヶ月でニューヨーク現代アートの歴史が変わるのですから。

セザンヌと村上隆を同時に観る?

2005年11月18日 | Weblog
 古谷利裕の冗談にはついていけない。彼には「セザンヌと村上隆とを同時に観ること」のできる「形式的」な能力はあっても、そのように観ることのできない「常識的」な能力は無いようだ。だがそれこそ「常識的」に考えて、彼の言祝ぐ「形式的」な能力とは、しかしたんに「趣味的」な問題にすぎない。村上隆の作品を「近代絵画」的に相当高度な作品だと臆面も無く公言するには、思考以前に「近代擁護派」という「恥ずかしい趣味のサークル」による後ろ盾が何より必要なのである。正直、モダニズムがどうなろうと日本猿には関係ない。「形式的」でなければならない必然的理由など何もないし、そのように西洋文化側から求められてもいない。たんに趣味的にそう思い込んでいるだけなのだ。ひょっとしたら彼はこれまでに海外経験が一度も無い「引き籠りオヤジ」なのかもしれない。彼の「偽日記」を読む限りそうとしか思えないのだが。

タマゴが好きなのは分かったが......

2005年11月13日 | Weblog
 ジャンジャジャ~ン♪ エアーチェックしておいた12日の『エフエム芸術道場』をカーステで街を流しながら聴く。ポンギのスカしたレストランで催された番組開始3周年記念日パーティの模様が生録されている。仕事は半ドンで終えたのだろう。「イェ~イ♪ズビズバー♪」カイカイキキのおしゃまな子猫ちゃん達に囲まれた大統領(DOB)はやけにゴキゲンだ。何しろそのロケーション以上に料理がまたデリシャスなのだ。いただきマンモス!「ガハハハ!旨い、旨い。ガハハハ!ガハハハ!旨い、旨い」ごちそうサマンサ! このおちゃらけた放送を私たちが耳をダンボにして聴いていた理由はひとつしかない。どうしてカイカイキキからデビューするアーティスは女性ばかりなのか? ということだ。ひょっとしたらその謎を解くヒントが得られるかもしれないと思っていたのだ。だが気が付けばやっこさん、ハッスルし過ぎてバタンキュー寸前である。番組がドロンパする前に私たちが聴いたのは、DOBが毎日好きなタマゴを5個も食べてるという話だけだった。オヨヨ~。

芸大アートプラザ

2005年11月12日 | Weblog
 東京芸大(東京都台東区)は9日、平山郁夫学長(75)のリトグラフや陶板画など、教授らの作品約130点を展示販売する「芸大アートプラザ」を構内にオープンした。図書館の一部だった鉄筋2階建ての建物を改修した。芸大教授がデザインを担当し、約210平方メートルの内装は白を基調にしたギャラリーのような雰囲気。販売は業者に委託する。月曜休館。平山氏のリトグラフ「アフガニスタンの少女」(90万円)やモスクを描いた陶板画(84万円)、教授や助教授のレリーフやデッサンを販売。絵画をプリントしたTシャツ、カップ、アクセサリーなどもそろえた。今後、非常勤の若手講師や学生の作品も加えるという。売り上げの一部を学校の運営費として教授らが寄付する。(共同通信11月9日)

楠見清(笑)

2005年11月12日 | Weblog
 現代アートのチアリーダーこと山口裕美氏のブログ「チアリーダー東奔西走」にて、あのDr.GDこと楠見清(元『美術手帖』誌編集長)がすでに美術出版社を退社していたことを知る。書籍部の窓際が嫌で辞めたのだろうか、それとも取り返しのつかないヘマをしでかしてクビになったのか。退社後の肩書き「アート・ストラテジスト」としての清の初仕事は、銀座にできたギャラリー「ANPONTAN」のオープン記念展『七人の小侍+1』の企画だという。今の清はもはや、いくあてもなくアート界隈を彷徨っている無職の「アートレス」という感じである。このままだと家族も何も全て失った「ホームレス」になる日も近いだろう。暇な人はどうぞ。

【ANPONTANオープン記念展昭和40年会 presents「七人の小侍 +1 」】2005年10月21日(金)-11月20日(日)「ANPONTAN」東京都中央区銀座1-21-17(銀座一丁目駅から昭和通りを渡り一本目の通り。徒歩5分)開廊時間 14:00-22:00 月曜休廊 TEL. 03-3564-1051 出展作家: 池田晶紀 [松蔭浩之・選] 臼井良平 [会田誠・選] mnemon [有馬純寿・選] 番平浩美 [パルコキノシタ・選] ピョコタン [土佐正道・選] ふつう研究所[会田誠・選] 真部剛一+藤本仰一 [小沢剛・選]海外招待作家: サスキア・ホルムクイスト [長谷川仁美・選]企画=楠見清(アートオン・リサーチ&ストラテジー)

「生きた墓標」の問題

2005年11月11日 | Weblog
 ところで数日前、右のWIRED NEWSのトピックスに「故人のDNAを含む木を『生きた墓標』に」という記事の見出しが流れたことに気付かれただろうか。この記事は、今年の4月29日から7月3日まで日本のICCで開催された『オープン・ネイチャー/情報としての自然が開くもの』展でも紹介されていた福原志保とゲオルク・トレメルによる「バイオプレゼンス 2055」というアートプロジェクトについての顛末を報告するものだ。この故人の遺伝情報パターンの一部が編み込めれたハイテク記念樹について、スティーブン・ベッケンドーフ教授は、「これは(愛する故人の)象徴的表現のようなものだが、それで十分だ」と語る。なるほど、確かにそれで十分だろう。だがよく考えると奇妙な話である。どうして木に象徴的な意味を持たせるために「遺伝子組み換え技術の応用」など必要となるのか。たんに(人間的な)想像力さえあれば十分なのではないか―。このプロジェクトは何か本質的な問題を提示している。ここでは人間の象徴的表現能力が衰弱したからテクノロジーが必要になったのか、それとも逆にテクノロジーが発達したから人間の象徴的表現能力が衰弱したのか、その因果関係はよく解らない。だが明らかにここでは、人間的なそうした想像力の条件である物質的交換可能性とその心的交換不可能性とのバランスがおかしくなっているのだ。この象徴的表現能力(自由)とテクノロジー(情報)の関係について、今夜は、東浩紀が公開した「情報自由論」を酒のつまみに悪酔いしてみるつもりだ。どっちにしろ、いい夢などもうしばらく見ていないのだ。

新薬モニター高額アルバイト情報

2005年11月11日 | Weblog
★約21万円☆東京都豊島区12月12日~8泊9日×1回+事後検査
★約22万円☆東京都八王子市3泊4日×2回+1泊2日×13回
★約37万円☆東京都豊島区12月7日~14泊15日×1回+事後検査
★約37.5万円☆神奈川県相模原市12月5日~14泊15日+事後検査1泊2日
★約16万円☆東京都中野区11月30日~4泊5日×2回
★約15万円☆東京都千代田区11月21日~4泊5日×2回

情報提供【新薬ネット

香川の丸亀に何ができる

2005年11月09日 | Weblog
 アート系のブログランキングにて「現代アートで億万長者を目指す日々を語る!」と派手に大風呂敷を広げている人物がいる。そう、NPO法人トリプルAの理事長であり、(株)世界標準の代表取締役社長であるという松田征明氏(45歳)だ。私たちはこうした起業塾系の願望達成スピリチュアルには特に興味はない。だがいきおい「我々の仕事はアートの改革ではない、革命だ!」や「我々が歴史を創る」と激しくアジテーションする松田氏のその情熱は、私達と志を共にする。実は私たちは秘密裏に彼の「丸亀グループ」との事業提携に向けて動き出していたのである。もちろん最終的には完全買収して私たちの傘下に収めるつもりだ。そのときは私(NT-X)が会長で松田氏は社長となるだろう―そんな目論見を胸に松田氏の「億万長者ブログ」の最新投稿に目を通す。「日本のアート環境を最悪にしたのは誰??」相変わらずの「松田節」である。だが最後のこの問題発言を私たちは見逃さなかった。
「村上隆を見れば、簡単にできそうじゃない??」
 いったいDOB(村上隆)のどこを見ればニューヨークやパリで「簡単に」成功できるというのだろうか。私たちはDOBが馬鹿のふりをしているだけ、芸術が解らないふりをしているだけなのを知っている。そしてDOBは松田氏が無邪気に掲げる「成功」という言葉の無意味さを、誰よりもよく知っているはずなのである。私たちは松田氏のこの発言を受け、ただちに「丸亀グループ」との事業提携を中止することにした。こんな「甘ちゃん」とは一緒に仕事をしたくない。だいたい香川の丸亀に何ができる。日本のアート界に革命を起こすと言うのなら、口先でなく本当にやってみろ。お手並み拝見といこうじゃないか。