SUPER FLAT 2

非ファルス的にもっこりするものを肯定せよ!(神の性的不器用あるいはその性的悪戯に由来するもの達について)

ヨーゼフ・ボイスの〈アメリカ〉

2010年07月04日 | Weblog


>私がニューヨークに借りたスペースが74年にオープンしたとき、ボイスは〈私はアメリカが好き、アメリカも私が好き〉(以下、〈アメリカ〉)を行いました。彼の一連の作品のなかでも、中心的な役割を担っている作品です。そして、ほかのすべてのアクションのように、このアクションにもまた「前後」の話しがあります。ここでは、これまで注目されてこなかった、このアクション以前の彼の作品との関連性について注目したいと思います。実際、この〈アメリカ〉は、新しい視点で解釈することが可能です。(レネ・ブロックのテキスト「ニューヨークで本当に起こったこと」より抜粋、水戸芸術館現代美術センター編『ヨーゼフ・ボイス よみがえる革命』(フィルムアート社)156ページ)

 レネ・ブロックが水戸芸術館のボイス展シンポジウムで発表した新しい解釈というのをさらに拡大解釈すると、たとえばデヴィッド・ヒュームの「空間と時間の中の近接と距離」みたいな話になるのかもしれんと思うのは気のせいなのかな。また適当なこと言って失笑を買わなければよいのだが(だいぶ暑くなってきたので)、このボイスの伝説的アクション(1974年)が、ある種の「遠隔作用」と関わりがあることはブロックの発表からも間違いないようだ。1964年のベルリンでの〈首長〉のアクション、そして2001年のニューヨークWTCの崩壊、その狭間にこのコヨーテとのアクション〈アメリカ〉があるというのだ。これは一考に値する。

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