隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

1997.怪物の木こり

2020年07月08日 | サスペンス

 

 

怪物の木こり
読了日 2020/07/06
著 者 倉井眉介
出版社 宝島社
形 態 文庫
ページ数 318
発行日 2020/02/20
ISBN 978-4-299-00256-3

 

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時は新たに本を買うことを控えており、NETの広告やAmazon、あるいはヤフオクなどの閲覧もしないようにしていた。ところがいつの間にかそうしたことも忘れて、ヤフオクの出品に面白い本が出ていないか、Amazonの中古本に興味のある本がないか、などと毎日見ている。
別に買う目的ではない、などと自分に言い訳をしながら観ていると、そんなことはそっちのけでついつい手を出してしまう。本書もヤフオクにたくさん出品されている中で、一番安く即決で出品されていたので、買ってしまった。
「このミステリーがすごい!」大賞受賞作ということもあって、好みの作品をイメージするタイトルではなかったが、少し興味を持ったのだ。
だが、読み始めてストーリー構成にも、もしかしたら流行りがあるのか?というような疑問を抱く。というのは、少し前に読んだ『屋上のテロリスト』を、思い出したからだ。内容も登場人物にも全く似たところはないのだが、我々が住んでいる日常とは、ほんの少し相いれないような感覚を覚えたからだ。
多分それは僕の個人的な感情の流れで、そんなことを言っても他の人には、理解しがたいところだろうから、こだわらないでおこう。

 

 

物語の中で重要な枠割を持つ、脳チップに関していえば、僕は日ごろから将来科学や医学の進歩に依って、人間の記憶にもコンピュータと同様、メモリーが増設される時代が来るかもしれない、などという冗談というか希望というか、そんな思いを持つことがある。
SFじみた事柄とサイコパス、あるいは人間の心理というちょっとかかわりのないようなストーリーの展開に、多少の戸惑いを感じることもあって、先に書いたように決して僕の好みではなかったが、結構お終いまで僕にしては読み通した。
そういえば「このミス大賞」の受賞作には、この手の近い将来には常識となるような、内容のストーリーがいくつもあることを思い出す。中には面白くないと感じるものもあったが、僕は受賞作に傑作が多いことも感じており、これからも注目していくだろうことを再認識する。
たまには好み以外の作品も読んでみるものだ。

 

 

のところ東京都の新たな新型コロナウィルス感染者の増加と、西日本、特に九州地方の豪雨災害のニュースで、もちきりのテレビ放送に何と言って良いか?災害被害者への思いが胸をつぶす。
ここ何日か強風が止まず、昨年の台風で窓ガラスが割れたことから、夜には南側の窓は雨戸を閉めるようにしている。とかく“のど元過ぎれば・・・”となりがちの僕は、気を付けないと同じ過ちを繰り返すことになるのだ。それにしても風に雨戸が揺れる音は、あまり気持ちのいいものではない。普通は夜には収まるのが風なのだが、梅雨前線の停滞が、その淵を南からの湿った空気と雨とをもたらしているらしい。
夕食後の読書時間も落ち着いて本を読めるような環境にあらず、ウィスキーの量が少しずつ増えてゆく始末だ。
いつ出るとも知れない持病の通風を心配しながら飲む酒は、あまり旨いとは言えないが、それでもほろ酔いの気分が、このところの熟睡への近道となっているから、やめられないでいる。

 

 

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