隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

1985.無明の闇 鬼籍通覧

2020年06月08日 | メディカル

 

無明の闇 鬼籍通覧
読了日 2020/06/01
著 者 椹野道流
出版社 講談社
形 態 新書
ページ数 272
発行日 2000/03/05
ISBN 4-06-182118-0

 

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れっぽい僕は、またまた好みのシリーズ作品に、出会って惚れこんでしまった。
更にうれしいことには、木更津市立図書館に大方の既刊が揃っているということだ。詳しく調べたわけではないから、確かなことはまだだが、それでも図書館の営業が再び始まったことだから、そのうち訪れてゆっくりと確認しよう。
第2巻の本書と第3巻の『壺中の天』は、予約の本の貸し出しがOKとなった、5月27日と30日に行って借りてきた。
5月10日に読んだ第1巻の『暁天の星』は、昨年9月13日に発行されたばかりの、まだ新刊と言って良いほどだが、第2巻の本書が2000年の発行になっているのは、このシリーズ作品が最初はこの講談社ノベルスで刊行され、その後講談社ホワイトハート文庫となって、さらに昨年布津運夫講談社文庫として新装刊行となったということだ。
第1巻の巻末、作者の新装版に寄せてというあとがきでは、読者としては、「同じ作品が三度も出されては困るよ」と思っていたそうです。僕が読んだのは一番新しいその新装版でした。
だから、本当ならば、というより僕に懐に余裕があれば、新装版の第2巻、第3巻と読めればよかったのですが、もちろん僕にそんな余裕はないから、図書館にあることを幸いとして、ノベルス版やホワイトハート文庫で、読み続けることにしている。

 

 

Wikipediaの記述によれば、この鬼籍通覧シリーズはライトノベルということになっているが、法医学教室の解剖や死体を扱う場面が、たびたび出てくるストーリーがライトノベルということに、僕は多少の疑問を感じている。
それはともかくとして、法医学教室のメンバーたちの醸し出す雰囲気に、僕は得も言われぬ心地よさを感じている。作者の志でカテゴライズすることに、それほどの意味は持たないなら、どっちでもいいのか。

少々蒸し暑いが、今日は入道雲も見られもうすっかり夏だ。暦の上ではまさしく夏なのだが、まだ梅雨入りもしてないから、もう少しカラッとした厚さが欲しいところだ。
夏の暑さや冬の寒さにメッキリ弱くなって、その点だけは若い頃に帰りたいが、年々衰えを感じることが多くなるのは、自然の摂理で致し方がない。午前中に仕事を終え昼食後ひと眠り、と言ってもわずか30分にも満たない時間だが、少し元気を取り戻す。

 

 

気なく棚からミステリマガジンNo.450を取り出す。ハヤカワ・ミステリ1600番突破記念というサブタイトルが付された号だ。早川ポケットミステリは最近でこそあまり手にすることはなくなったが、その昔ずいぶんお世話になった。
ポケミスや創元推理文庫と見聞きすると、なんとも言えない懐かしさが湧き出す。
1昨年から昨年初めにかけて僕は、E・S・ガードナー氏のペリイ・メイスンシリーズを読み続けて、全82作を読み終えたことを思い起こす。
このミステリマガジンでは、“ポケミスこの1冊”と題して、各界の名士たちがお気に入りの1冊について、1ページずつを費やして書いている。この1冊というと思いを同じくする人は何人かいて、ミッキー・スピレイン氏の『裁くのは俺だ』、エド・マクベイン氏の『警官嫌い』、レイモンド・チャンドラー氏の『長いお別れ』、ヘンリイ・スレッサー氏の『うまい犯罪、しゃれた殺人』、あるいは『時の娘』(ジョセフィン・テイ作)など、まだよく見れば他にもあるかもしれない。
名作と呼ばれる作品には多くの読者がついているということだ。こういう記事を読んでいると、今とは違うミステリーへの情熱を燃やしていた、若かりし頃を思い起こして、今よりずっと貧乏で物のない時代が、懐かしく思えるのだ。
そして、そうしたミステリ黄金時代と言われたころの、まだ読んでない名作の世界に浸りたいという思いが湧いてくる。

 

 

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