隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

1817.餌のついた釣針

2018年01月16日 | リーガル
餌のついた釣針
The Case of The Baited Hook
読了日 2018/01/16
著 者 E・S・ガードナー
E.S.Gardner
訳 者 高橋豊
出版社 早川書房
形 態 文庫
ページ数 313
発行日 1993/02/28 2刷
ISBN 4-15-070243-8

 

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はコーヒーが好きで、会社勤めをしていたころは、ファミレスやファーストフッドに入ると、必ずコーヒーのお代わりを2回ないし3回はしていたほどだ。その当時アメリカンコーヒーと言って、少し薄めのコーヒーを何杯も飲むのを、僕は習慣としていたから、コーヒーを味わうというより水分補給と言った具合だった。
初めてコーヒーと出会ったのは、中学生くらいの頃だったか、お袋が買ってきた瓶入りのインスタントコーヒーを、飲んだ時だった。
お袋は茨城県の牛久町の出身で、親父からは田舎者扱いをされていたが、今考えるとなかなかモダンなところもあって、初めてのインスタントコーヒー以外にも、ポッカレモンでホット・レモネードっを作って僕らに飲ませたりしていた。
初めて飲んだコーヒーはちょっと苦く、そして甘く大人の味がしたものだ。しかし、それ以降はさほどコーヒーを頻繁に飲むといったことはなく、再びコーヒーの旨さを味わったのは、高校入学を果たして、東京の伯母のところに行った時だった。
祐天寺で洋裁店を開業していた伯母は、お袋のすぐ上の姉で独身だったから、学校が休みになるとよく遊びに行っていた。そこでサイフォンで淹れたコーヒーを飲んで、インスタントコーヒーとは違う旨さを感じて、初めてコーヒー本来の味を覚えたという感じだった。

 

 

昭和38年の夏、僕は11月で24歳になる年で、かろうじて23歳で結婚した。4歳年上のカミさんも8月生まれで、同様にかろうじて27歳で、何にもない若い二人の結婚は他から見れば、まるでママゴト遊びのように見えただろう。
それでもカミさんは実家の一部を改装した、美容室を実妹と二人で開業して、頑張ることになったのだから、愚かな僕よりはしっかりとしたカミさんだったことは間違いない。
そんな新婚生活に彩を添えるように、僕はパーコレーターを買い込んで、おいしいコーヒー作りに励んだ。
いつかは喫茶店でも開きたい、などと夢のようなことも考えていた時期だ。まあ、夢は夢のまま終わったが、78歳を超えた今でも、当時のことを思い返すと、ほろ苦く甘酸っぱい思いが胸いっぱいに広がって、どこかへ消えてしまいたいような気分になる。

このぺリイ・メイスン・シリーズを読んでいると、たびたびコーヒーを飲む場面が出てきて、その都度僕は我慢が出来なくなって、読書を中断してコーヒーを淹れに立つのだ。 30歳を過ぎたころから、砂糖もミルクも入れないブラックで飲むのが、好きになって以来ブラック一辺倒となっている。
事件解決に奔走するメイスンの時代、僕の青春ともいえる時代は、遥かに過ぎ去ってしまったが、“夢の花咲く・・・”と歌われた一杯のコーヒーを味わいながら、遠くの過去に思いを馳せるのだ。

 

 

て、今回の内容はと言えば、メイスンの自宅の電話、秘書のデラ・ストリートと私立探偵・ポール・ドレイクしか番号を知らない電話に、クラグモアと名乗る男から電話が入った。男は「すぐに事務所(メイスンの)に来てくれ」というのだ。
ただ事ではないと感じたメイスンが事務所に駆け付けると、嵐の吹き荒れる深夜に表れたのは、奇妙なカップルだった。クラグモアからベルサムと名を変えた男は、同行した女性の代理人になってほしいというのだが、その女は黒いマントに帽子で身を包み、顔には何と仮面をつけて、まるでマスカレイドから抜け出たような様相だ。
そして、身元は明かせないというのである。まるで雲をつかむような依頼に、さすがのぺリイ・メイスンも困惑するのだが・・・・。
例によって謎を孕む依頼に興味を示すメイスンは、その訳の分からない依頼を受けることに・・・。30冊目となる本作は、シリーズ第16作目の作品だ。

ちょっと旧聞になったが、12日の金曜日には、二つの病院をはしごした。
昨年の7月下旬、夜中に左足の親指付け根が腫れあがって、痛くて寝ることもままならなかった。しばらく発症してなかった痛風の発症だった。ところが翌日通院して内服薬を処方してもらい、飲んだら腫れは残ったものの、痛みはほとんどなくなってよかった、と思う間もなく再び腫れがひどくなった。
それでも尿酸値を下げる薬をしばらく続けているうちに、血中の尿酸値は下がったようで、腫れも痛みもなくなった。だがこの際、高尿酸血の改善を徹底しようと、月に1回の通院と薬の処方を受けている。
それとは別に、歯の方の4カ月に1度の定期検診が重なって、はしごとなったのだ。
歯の方は知覚過敏の治療がもとで、定期検診が続いている。あと2年で僕は80歳になるのだが、よく言われている80-20運動を達成したいと、思って定期健診を受けている。80歳で20本の自分の歯を守ろうというのだ。
今のところ僕は21本の自歯が健在だから、何とか80-20は大丈夫だと思っているが、朝晩の歯磨き、特に夕食後の歯磨きは丁寧に時間をかけて行っているのだ。
歳を重ねるということにも、多少の手間はかかるものだ。

 

 

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