ジェリコ街の女 THE DEAD OF JERICHO |
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読了日 | 2022/03/08 | |
著 者 | コリン・デクスター Colin Dexter |
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訳 者 | 大庭忠男 | |
出版社 | 早川書房 | |
形 態 | 文庫 | |
ページ数 | 345 | |
発行日 | 1993/03/31 | |
ISBN | 4-15-077555-9 |
ばらく振りのシリーズ作品が続く。2007年3月に読んだ『モース警部最大の事件』に続いて4冊目だ。丁度13年振りとなる。このシリーズはNHKで放送された吹き替え版のドラマで知り、原作を読もうと思ったのだった。この英国ITV制作のドラマはNHKでは、11作までの放送だったと思うが、作品は32作に及んでおり、字幕版としてミステリーチャンネルで放送されたと記憶しているが定かではない。
現在僕のDVDレコーダーが故障中なので、検証不可なので確かめようがないのだ。パソコンでも確認できると思ってていたら、再生アプリがなくダメだった。何でもかんでも機械任せはこんな時不便を感じる。
さて、英国推理作家協会賞のシルヴァーダガー賞を受賞した本作は、ドラマで第1作となっているが、コロン・デクスター氏の作品の順番で行くと、第5作にあたるらしい。
僕はドラマの方を先に見ているから、そのダイナミックな作りに興奮を覚えたものだが、原作はそれとは違った趣を感じて、映像とな異なるときめきを感じたのだ。
僕はこのブログの中でも何度かドラマと原作について書いたが、僕が知っている限りでは、原作とは異なるドラマ作りが多いようだ。もちろん監督がその原作をどう読んで、何を訴えようとするかによって、ドラマの方向が決まるのだから、原作と異なる表現があっても当然だとは思うが、視聴者によっては―僕もその一人だ―原作と異なる表現を認めない人もいるようだ。
そんな堅苦しい見方をせず、僕は二通りの表現を、つまりドラマも原作も両方を楽しむことにしている、昔角川春樹氏の映画と原作本の両方を売るといったメディアミックスという手法が話題になって、その手法が多大な観客と読書家を生んだ。僕もその手に乗って大いに楽しんだのだ。特に僕が映像を楽しんだのは、横溝正史氏の金田一耕助シリーズのドラマだった。
このコリン・デクスター氏の作品とは関わりのない話なので、この辺でやめておこう。
ころでモース警部のシリーズのドラマは、32作も制作されており、原作者のコリン・デクスター氏も、多少制作面でも関わっていたようだが、ドラマの半分くらいはオリジナル脚本のような気がする。
コリン・デクスター氏の原作を全部調べたわけではないが、30作以上のモース警部シリーズは見当たらないのだ。例え原作がなくオリジナル脚本でも、優れたドラマ作りが成されていれば、それはそれで良いのではないかとも思うが、我儘ともいえる視聴者である僕は、原作があってそのストーリーや醸し出される雰囲気が、どの程度映像化されたか、あるいはキャラクターたちが如何にリアルに演じているかが評価できて、面白いドラマになっていれば、観客として満足できるか。
ドラマの話ばかりになったが、本作を読んでいていかにも本格ミステリーを読んでいるのだという、嬉しさが何度も湧いてきた。“探偵はみなを集めて「さて」と言い”なんていう川柳もあるが、やはりミステリーの醍醐味は本格推理だと改めて感じたのだ。
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