隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

1436.女神のタクト

2014年02月10日 | 音楽
女神のタクト
読 了 日 2014/01/31
著  者 塩田武士
出 版 社 講談社
形  態 単行本
ページ数 280
発 行 日 2011/10/26
ISBN 978-4-06-217322-3

 

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近テレビの書評番組で知った著者とその作品は、「崩壊」というタイトルだったが、生憎木更津市の図書館には蔵書がなく、「捜査官」、「盤上のアルファ」、「女神のタクト」と並んだ棚から、本書を選んで借りてきた。タイトルと表紙イラストからミュージック・ストーリーと言うことに興味があったからだ。
ミュージック・ストーリーと言えばまだ読後の興奮を思い浮かべることのできる、中山七里氏の2作品「さよならドビュッシー」、「おやすみラフマニノフ」がある。その行間から音があふれ出すような、圧倒的な演奏の描写が胸を高鳴らせた。ということなどはさておき、そうでないとまた長々とわき道に逸れそうだ。

古書店めぐりを控えて図書館通いをするようになって10日ほどが過ぎ、その間4冊ほど借りて詠んだ。読書ノートの後ろの方に、メモしてある気になるタイトルを少しずつ消化しているところだ。
木更津市の図書館にないものもあるが、そうした本は大抵は君津市か袖ヶ浦市の図書館にあり、またそちらの方にも足を伸ばそうと考えている。サラリーマン現役の頃は、会社が千葉市にあったものだから、近くの県立中央図書館をよく利用していた。
だいぶ前のことになるが、刑事コロンボに関する資料を探していた折(昭和61年~62年頃)は、NHKで放送されていた当時の映画雑誌などを見るため、国立国会図書館にまで出かけていったことがあった。

 

 

折角軌道修正したのにまた、少し横道に逸れてるが、ちょっとだけ・・・。 その当時は今のようにまさかHDリマスター版の刑事コロンボが全作放送されるなど、思いもよらないことだったから、昭和49年から56年にかけてNHKの放送をビデオ録画した人を探して、テレビ雑誌に投稿したりしていた。まだまだその頃はビデオ機器も一般的ではなかったし、録画した人が僕の投稿を見ることも少なかったようで、数本しか入手できなかった。
それでも北海道札幌市に在住の吉川さんという方から連絡をいただき、ソニーのβテープで録画したものを数本ダビングしてもらったものを(これは違反なのだがもう時効ということで)、何度も繰り返し見たものだ。
それが縁で、この方とは今も年賀状のやり取りを続けている。

他のエピソードはもう二度と見ることはできないのではないかと言う思いで、夢中だったことが今となってはほろ苦くも懐かしい。
そうした環境の中、映像を見ることができないなら、せめても当時の雑誌の記事でもいいから探して集めよう、などという涙ぐましい努力を重ねた末に、国会図書館にまで足を運ぶことになったのだ。初めて訪れた国立国会図書館は広く大勢の人でにぎわい、上の階には食堂などもあり、1日いても飽きないほどだった。
30数年前のことである。
今は古書であろうと、欲しい資料やデータなども、大概のものはネットで調べて、入手することもできて便利な世の中になった。当時の苦労は滑稽とさえ思える時代になった。

 

 

の作品は裸一貫で起こした稼業を、大企業にまで発展させたオーナー・白石麟太郎が、今は亡き妻のために結成したオーケストラ、「神戸オルケストラ」の再生を期して、たまたま出会った矢吹明菜に、世界的な名声を博す指揮者・一宮拓斗を連れてくるよう依頼する。
そんなところからストーリーは始まるのだが、この矢吹明菜も三十路を間近に控えて、職と男とを同時に亡くしたばかりで、傷心?の旅の途中でたまたま下車した町の海岸で、白石老人と出会ったのだった。
成功報酬をもらえると言うことに心を奪われて、彼女は目的の人物がいると言う京都に向かうのだ、が・・・。
第一章の章タイトルの「その女、凶暴につき」と、何処かで見たようなそのタイトルに見合った、すぐに手の方が出る、という怖いお嬢さん?三十路間近だからお嬢さんでもないか。

まったく音楽とはかかわりのなかった矢吹明菜が、無事一宮拓斗を神戸オルケストラの指揮者にすえることが出来るのか?そして、神戸オルケストラの再生を図ることができるのか?
一癖も二癖もあるような楽団員や事務局員を向こうにまわして、暴力女・矢吹明菜の奮闘が始まる。

 

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