今日は、とある食品会社さんが企画している食と農の体験教室にボランティアとして参加しました。故郷にいた頃も何度か誘われたのですが、試合と重なったり、いつも何か用事があって行けませんでした。ようやく今回、東の国で開催される教室に行くことができました。
朝8時30分に待ち合わせ、そこからバスで30分ほど移動したところが、今回の田んぼでした。実は、いつもアーチェリーの練習に行くセンターの近くでした。でも、田んぼと畑が広がる、ボクの大好きな風景でした。
体験教室に参加されたのは全部で13家族、それにボランティアが10名程度と、農業をご指導下さるご家族で、結構大規模な教室でした。
まず最初に、田んぼに向かいました。実は、ボクは田んぼで田植えをするのが初めてでした。裸足で田んぼに足を踏み入れると、にゅるっとして、ひんやりして、とても気持ちよかったです。底なしではなく、ある程度踏み込むと「底」を感じます。要するに、イネを育てるためのプールなので、畦も底もしっかり作っておかないと、水が抜けます。田んぼって、よくできているなあと思いました。耕作放棄地の田んぼは、このプールが壊れてしまっているので、一から作らないといけないのだそうです。
さて、田植えの話です。田んぼにはロープが1本張ってあります。このロープには約15cm間隔くらいで目印がつけてあります。ボクたちは、このロープに沿って等間隔に一列に並びます。そして、土をならし、この目印のあるところに苗を植えこむのです。全員が植えこむと、みんな一歩後退します。ロープ係がロープを動かし、次に苗を植えこむ位置を示します。ボクたちはまた、苗を植えこむのです。この作業を繰り返して、田植えを行います。土がしっかりしたところは苗を植えやすいのですが、みんなが歩いた跡は深くなっていて、うまく植えられません。しっかり土をならしてから植えるとよいことが分かりました。
田植え体験を終えると、みんなでカレーを食べました。わらをくべて炊いたご飯って、ご飯粒がしっかりしていて、しかもきらきら輝きます。絶妙の火力なのでしょう。炊飯ジャーでは、どんなに工夫してもこの域には到達できないのではないかと思ったくらいです。このご飯にカレーをかけていただきました。
お昼ごはんの後は、畑に行って、トマト、ピーマン、サトイモの植え付けと、じゃがいも畑の雑草取りです。ボクは全部作ったことがある作物なので、段取りも大体分かっていました。でも、プロはいろいろなコツを持っていて、ボクにはそれがとても勉強になりました。子供さんたちも、それなりにしっかりしていて、じゃがいもと雑草の見分け方をすぐに理解しました。飲み込みが早いのに感心しました。
最後に、「柿渋」のお話を聞きました。昔は、どこの農家さんでも、柿渋を採るために柿の木を植えていたそうですが、今となっては柿渋を使うこともなくなって、柿渋用の柿を採る木を植え、育てているのは、全国でも10件くらいしかいないそうです。その1件が、今日お世話になった農家さんでした。どの柿の木も、樹齢は100年を超えるそうです。とりわけ大きな柿の木は、樹齢200年だとか... そんな、すばらしい柿の木に巡り合えて、ボクはとてもうれしく思いました。ずっと残ってほしいものです。
一連の体験を終えて、農業指導のご家族にみんなでお礼を申し上げて、集合した場所にバスで戻って行ったのですが、最近畑仕事をしていないせいか、妙に疲れてしまって、バスに乗っているわずか30分の間に何度も意識がなくなってしまいました。予定では、解散後にボランティア仲間とちょっと打ち上げをしようと言っていたのですが、それもなく、帰宅しました。たぶんみんなもクタクタになっていたと思います。