今年最後まで読んでいた本を、ようやく読み終えました。磯田道史「無私の日本人」です。
自分を捨てて、自分の家族も顧みずに、町のために尽くせるか、自分の財産をすべて投げ打って、人のために尽くせるか。見返りを求めずに、人のために努力し続けることができるか... そんなことを思わずにいられない本です。
著者があとがきで、「この十年で・・・南海トラフでも動いて太平洋ベルトに大きな津波被害を受ければ、国の借金は国内で消化しきれなくなって、高い利子で他国から資金を借りてこなければならなくなるだろう。そうなれば、大陸よりも貧しい日本が、室町時代以来、五百年ぶりにふたたび現れる。」と述べています。
また、「いま東アジアを席巻しているものは、自他を峻別し、他人と競争する社会経済のありかたである。・・・しかしわたしには、どこかしら、それに入っていけない思いがある。『そこにほんとうに人の幸せがあるのですか』」
本屋さんで、著者のそんな言葉に触れて、ボクはこの本を読もうと思い、読み終えました。
大きな震災があって、これからまた震災があるかもしれないと報道され、不安ばかり募ります。震災からの復興もまだ全然進んでいません。この本を読んで、誰かの為に何かをしようと思う人が増えてくれることを願ってやみません。そんなことを思いながら新年を迎えようとしています。来年は少しでもいい年になりますように。