いち年ゆみ組のブログ

アーチェリーと、うちの植物たちと、読んだ本のことなどをのんびりと...

「光あるうち光の中を歩め」を再読しました

2014-12-10 20:17:15 | 

トルストイ「光あるうち光の中を歩め」(新潮文庫)を再読しました。再読のきっかけは、ある新聞記事です(日本経済新聞2014年12月7日)。

日本経済新聞の日曜日版には「リーダーの本棚」というコーナーがあり、ここで「光あるうち~」が紹介されていました。最初にこの本を読んだのは、10年前だったと思います。

主人公のユリウスは、ローマ社会で栄達していくのですが、その反面、苦悩し続けます。友人のパンフィリウスはキリスト教徒で、ユリウスとは全く異なる生き方をします。ユリウスはパンフィリウスの影響を受け、キリスト教の仲間とともに暮らそうと思うものの、その都度、ある人物があらわれて立ち止まってしまいます。最後にユリウスは、世間を離れてキリスト教の社会に向かいます。

ボクが最初にこの本を手にした時、実は大変大きな悩みを抱えていました。でも、その当時は、生き方を変えようと思ったものの、結局変わりませんでした。それから10年が経過して、この本を再読しました。身の回りで難しいことが増えています。悩みは増える一方です。そんな時、この本を読む機会を得ました。でも、やはり生き方を変えることはできそうにありません。10年後のボクは、その時どう決断するだろう...

不思議なことに、ユリウスが最初にキリスト教的な生活を目指そうとした時も、二度目に目指そうとした時も、ユリウスを取り巻く環境と、ボクを取り巻く環境はとてもよく似ています。人生のうちで、きっとそういう年代の時に直面する悩みなのかな、と思いました。

本っていいですね。こうやって自分を見つめて、考えることができます。ちなみに、NHKの「クローズアップ現代」で、本を読まない日本人が増えていることを取り上げていました。本を読まずにインターネットで情報を集めることばかりしていると、考える力も衰えていくそうです。最近の日本人の学力低下の一因なのかもしれませんね。本から学べることは、とても多いとボクは信じています。