sptakaのブツブツDiary

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アホウドリの大好き

2011-02-11 01:46:24 | ブツブツ日記
 アホウドリ、戻ってきた個体は、初回に移送された3歳の雄。ひなは5月半ばごろに聟島から巣立ち始め、北太平洋のアリューシャン列島付近などで生活。早くて3年から5年で帰巣する習性がある。その後毎年渡りを行い、6~7歳ごろから巣立った場所で繁殖を行う傾向が強いという。


 鳥島で生まれたアホウドリを、300キロ離れた小笠原に移住させて、それが巣立って5000キロ離れたアリューシャンの生活から、小笠原に戻ってきた。渡り鳥なんだから、ロシアとか日本とか、白鳥だって往復するわけで、そんなの当たり前と言いきれば、おお大した世界観だなあと感心してやるけど、人類の知恵で同じことができるかといえば、鳥一羽の全然足元にも及ばないことを知っている私とすれば、くそガキ人間の浅知恵なんて、大笑いしてやろうと、いつも痛快な気分になるものだ。
「阿呆」「あほう」は差別語か? たぶん違うよね。普段使うには適当ではないとされるけれど、上手に使うのは難しいというだけだ。芥川の阿呆の一生は作品だし、フール・オン・ザ・ヒルは、阿呆と訳す。
 海鳥としては最大で、最高性能の鳥が、どうして阿呆なのかは、よくわかる話だ。飛行性能が良すぎて、平地からは飛び立てない。スズメ、ハトなんて劣等生の鳥は、垂直にでも飛びだせるが、けっして渡り鳥にはなれない。白鳥でさえ、水面を10歩は助走する。アホウドリは坂の上に立って、フールは丘の上にいるというものだ。そこから駆け下った助走があって初めて飛びたてる。だから平地に止まっているアホウドリは、人間が手づかみで捕まえられる鳥であって、そんな鳥は他にコンドルしかいないと言われているのだ。人に手づかみで捕まる鳥は、アホウだったというわけだ。それが乱獲されて絶滅したというのだが。
 さて、それだけテイクオフの能力が悪い鳥は、一旦飛び立つとどうなるかというと、実は3年間ずっと飛び続けることができるんじゃないかと私は思っている。餌なんて飛んだまま水面の小魚つまんで食べる。ロシアまで行っても、止まらないで、止まると飛び立てないわけで、他の海鳥と一緒にいたアホウは、もしかして死んだんじゃないかと思うね。
 アホウの滑空比は1対50で、1mの落下の間に50m進めるという理屈で、それは寒冷前線、温暖前線の不連続線の頂点辺りの上昇風に乗れば、羽広げているだけで、眠っていても永遠に沈まないで飛び続けるわけだし、あるいは太平洋の低空でも、客船の後に付けば、その上昇風だけで常に飛んで、客船の残飯を食いながら、そのまま太平洋横断できる。
 よく分からんがダイナミックサーマルという技術があるようで、海面と上空の風速差を利用して、これも永遠に飛び続けるとは本当か。アホウドリは決して羽ばたかないで、広げたままいつまでも飛べるという、これはグライダーの性能である。
 ところが人間制作のグライダーは、1対30の滑空比はあったとしても、せいぜい陸地でヒマラヤを横断したくらいの記録しかなくて、海面に出るとそれは大いに怖い。どこかで失速して太平洋で着水すると、それは死を意味するからねえ。グライダーが寒冷前線にそって飛んだなんていう話は聞いたことがない。つまりはアホウの足元にも及ばないと、スカイスポーツの経験者は、アホウの話には盲目的に尊敬の念しかないわけだ。
 アホウの重要性はトキの比ではないし、人間の間抜けな歴史は、アホウの乱獲でも、ライオン、キリンの乱獲でも、クジラ、マグロもそうだし、インディアン、アイヌを追い払ったのもそうだし、日本全土のブナ伐採して、杉植林したのも全く同じで、ヒトの歴史というのは、愚かしいことがほとんどで、石油も間もなく消滅ということになる。
 アホウの鳥しての能力は、はざま寛平が2年で世界一周したけど、アホウは居眠りしながら時速80キロだと、20日間で世界一周できる計算んなる。桁違いなパワーだね。
 野生のアホウが自立して育つなんていう話だから、毎度のように感激しちゃうわけだね。


 
コメント
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