江戸の昔から、町の整備というのは、大火か震災か空襲か被爆と言われただけあって、柏崎はさほどでもないけれど、町は綺麗になるだろう。災害が来ないことには町が整備されないというのは、やはり愚かな土地神話があるわけで、そういうカルトが、勤勉な国民の精神構造を狂わせてきたとやはり思う。
東京で同じくらいの地震があったら、災害はもっと大きいだろうと言う人が多いが、それは違うのだ。東京は空襲で町は一層されたために、戦前の土塀や土蔵は残っていない。怪しいモルタルでも柏崎では震災を免れたわけで、そう思うと古い町というのは危険だということになる。姉歯の違法建築に大騒ぎしたのだけれど、この程度の震災では、あの違法であっても、十分優秀建築だと思ってしまうわけだ。
さて電気ガス水道、さらに崩壊物の撤去、電話回線の下請けその他、震災が来ると、雇用が促進されるというのは、本当である。朝鮮戦争の特需と同じように、不景気な田舎は震災待ちとは言わないが、活気がでる。電気ガス水道も現場に来ているのはけっこう若い兄ちゃんで、東北電力、ガスの下請け、孫受けで、忙しいから時給千円で、派遣会社から急遽雇われたような連中も大勢いる。被災住民にトン汁炊き出しといって配っているのも、役所が派遣を雇ったとは思わないが、似たような連中である。自民党政府というのは、そのように、サービス残業や派遣の時給雇用を許可しているわけで、こういうときとばかりにその恩恵を地元は受ける。
他方最近縮小傾向にあるのだが、NPOなるものも盛んではあるのだが、どうもこの手の民主党系は、自民党の足手まといだと、田舎の方に本部がある。NPOというのは、中心が赤十字で、そこにボランディア団体が集まっているのだが、あれはほとんど政治集団になってしまったのではないかと思われる。公明党というのは、10人に一人いるのだが、NPO政党というのも、100人に一人くらい存在する。彼らは一体被災した誰を援助するのかというと、被災したNPOの党員を援助するわけで、本部には全国から150人の兄ちゃんがNPOとして駆けつけたのだが、そこで保護している住民は50人程度の政党色が強い子持ち女であって、そういうガキは廊下を平気で走り出すような躾が本当に悪い。不特定多数の被災住民を援助しているというのとは、大いに違っている。彼らの炊き出しを見ていると、そのトン汁を食っているのはほとんど自分たちで、ということは食料を持って全国から集まって、被災現場でバーベキューキャンプしている愚か者に見えるのは私だけか。連中の言い分は仲間の被災50人を保護すればそれでいいと、それは柏崎にもエホバの証人の事務所もあるのだが、そこも連中自身はキリスト教だと言い張って、援助物資がたくさん来ているのだが、まともな住民は怖くて世話にはなりたくない。彼らも柏崎に住んでいる仲間、1万人に一人くらいだろうが、それを援助するというだけで、ほとんど趣味に近いものだ。
NPOを見ていると、被災者を保護しましょうとは言っているものの、政治的に未熟な学生プータローをそそのかして、援助しているという自己陶酔だけのようにしか見えない。大体ビニール手袋して握り飯作っていても、そんなもの食えるわけがない。何かが違うわけである。
本来ボランティア精神など、日本のどこにも根付いてはいやしない。地元のラジオを聞いてれば、「私には何もできないけれども……、義援金だけしかできないけれど……」と、このできないけれどという未熟で幼稚な言い回しはなんだと腹が立つ。本来被災住民への援助などは政治がすることであって、関係ない他人にその必要はどこにもない。ところが、妙に被災援助のブームが昨今あって、何かしないのは罪悪かとばかりに、愚かな自民党は煽っている。駅で倒れている人を見ない振りする連中に、援助などはできっこないのだから、しないのが正しい。だから義援金を出せればそれで十分じゃないか。私だって仕事じゃなければ、寝転がって松坂のレッドソックスでも見ていたいよ。んな九州に住んでいるような女子学生は、こんな遠方の被災よりも、近所のベビーシッターのアルバイトやるなり、した方がずっと子供への理解も深まるというものだ。キャバクラバイトやって、二十歳で女を磨くとエステマッサージに通うオバサン趣味やって、地震だとばかりに、「私には何にもできないけれど……」とラジオにしゃしゃり出てくるとは、お前震災にかこつけて、それでも自分を売り出したいかと、愚かで姑息な精神構造を疑う。
最近は学生連中の必修にも、地球環境とか緑の回復などのNPO団体を支持するなんていう、愚かな授業がよくある。政府に言わせれば、学生という税金無駄飯食いには、その程度のママゴトでもやらせておけば不良になるよりもとりあえずましというわけで、どっかに就職してから、必要ならば自給千円で集めるよという、その政策予備軍にしか思えてこない。
今の参院選挙と同じで、要するにどちらも間違えているわけだ。派遣パート採用などは、欧米にはどこにもない。人を採用するというのは、雇用保険もボーナスも必然と付いてくるわけで、被災の短期採用でもそれは同じことだ。でもしかし、それはNPOという福祉無目的なばら撒き自己陶酔にくらべれば、まだましで一般の理解が得られるという点で、政権はとりあえず自民党であるというだけの話に過ぎない。でもしかし、住民の10%もの被災者をとりあえず保護していたのは、自衛隊だったのは事実であって、彼らが戦争するかしないかは別問題として、軍事の組織というのは、災害のときには世界中どこでも出動するのは必然であって、この軍事組織がいらないと主張する集団は、それは明らかに間違えているということだけはよく分かる。