食欲の秋の10月と、きしめんはつるつる感が特徴であり、「つ(2)る(6)」の語呂合わせから、愛知県
製麺工業協同組合が10月26日を「きしめんの日」に制定した。
きしめん(棊子麺)
薄くて平たい麺を使用したうどん料理。愛知県名古屋市の名物。
■起源
[現在の愛知県刈谷市今岡町・今川町(旧・三河国芋川)で作られた「芋川うどん」がきしめんの先祖]
という説が有力。17世紀半ばの 『東海道名所記』が三河の芋川の名物として「ひらうどん」を紹介して
いる。この平打ちうどんときしめんとの関係が言及されるのは江戸時代後半のことである。当時の江戸
では平打ちうどんを「ひもかわ」と呼んでいた。幕末の風俗の詳細な記録である『守貞漫稿』は「ひもか
わ」は芋川の訛りと指摘した上で、名古屋では「きしめん」と呼ぶと断言している。また、明治の初期の
名古屋ではすでに、油揚げと青味を具にした「きしめん」が確かにあったという。
■きしめんの名前の由来
(1)「雉(きじ)めん」を語源とする説
江戸時代の尾張藩では麺に雉肉を入れるのが伝統であったが、雉肉は貴重であったので代わりに油
揚げを乗せることで庶民に広まった。
(2)「棊子麺」を語源とする説
「碁石麺」はうどんの生地を竹筒で碁石大に押し切り、茹でて豆の粉を付けたもので、名古屋の碁打ち
は大局中一服するときに好んで食べたということである。これが後に平たくて細長い麺の形になって
「棊子麺(きしめん)」という名前になったという説
(3)[紀州麺(きしゅうめん)」ではないかという説
尾張に修行にきていた紀州出身の料理番が考え出し、「紀州麺」と呼ばれていたのがいつの間にか
縮まったという説。他に紀州藩の殿様が尾張藩の殿様にお土産で持ってきた麺類を紀州麺と呼んで
おり、それが変化して「きしめん」になったという説。
■きしめんの特徴
*一般的なうどんに比べ生地を薄く伸ばすため麺が長く、薄く平らなため茹で上がる時間が短い。
*小麦粉と塩を練って作るのはうどんと同じだが、うどんよりも平たく薄く伸ばすためには職人の技術
と手間がかかる。
*麺のコシが無いのがいいきしめん。あまり噛まずにつるつるっと喉に流し込むのがきしめん通の食
べ方である。
*茹でた麺に熱いつゆをかけ、油揚げか鶏肉、青菜などの具を入れ、ネギ、鰹節をたっぷりのせる
のが一般的な食べ方である。
*しかし、カレーきしめん、味噌煮込みきしめん、力きしめんなどのようにうどんと同じように調理され
たきしめんもあり、夏場にはざるきしめんや「きしころ」などの冷やし麺としても食べられる。
ころ(香露)
■ころ(香露)は、うどん・きしめんに汁をかけた料理。主に中部地方で食べられる。うどんコロ・コロ
うどん、きしコロ・コロきしなど麺を区別するために名前にコロを付けて呼ぶ場合と、単にコロと呼ぶ
場合がある。
■由来
通常のかけ汁とは異なり、濃い目に合わせた汁の香りが良いことから「香露(こうろ)」と呼ばれるよう
になり、後に漢字はそのままで「ころ」と縮めて呼ばれるようになった。なお、発祥の店は戦前名古屋
にあった信濃屋で、当時まかないとして食べられていた冷たいうどんが「香露かけ」と呼ばれていた。
■特徴
元来は温・冷どちらにも用いられたが、現在では一般に冷たいものを指す。ざるではなく丼に盛り付け
られ、ネギやショウガなどの薬味とともに予め汁をかけた状態で出される場合が多い。薬味以外の
具を乗せた場合は「コロ」と呼ばないことから、ぶっかけうどんに近い。
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原子力の日・反原子力デー
1956年の10月26日、日本は国際原子力機関IAEAに加盟し、1963年の10月26日、茨城県東
海村の日本原子力研究所で、日本初の原子力発電が行われた。日本政府は1964年、10月26日
を「原子力の日」に制定した。原子力の日に因み、日本各地で原発反対の運動が行われる「反原子
力デー」でもある。
■原子力
核分裂反応によって得られるエネルギーは、石炭・石油などの燃焼の化学反応によって得られるエネ
ルギーに比べ桁違いに大きい。この点が原子力発電を行う根拠となっている。つまり、経済的効率が
良いのである。
しかし、原子力発電には、放射線、放射線を放出する能力(放射能)を持った物質(放射性物質、放射
性廃棄物)を発生させる。放射線は、その量・強さに応じて生物に悪影響(放射線障害)を与える。
■放射線
放射線の恐さは、生物が感覚器で認識できない点であろう。したがって、ガイガー・カウンター(GM管)
で計測するわけである.
放射線とは、放射性元素の崩壊に伴い放出される粒子線または電磁波で、主にアルファ線、ベータ線
、ガンマー線の3種を指す。
放射線が人体に当った時、第一の目標となるのがDNAだ。体内に含まれる水分子が壊され(分解
され)、生体を攻撃する活性酸素が生じ、DNAを傷つける。放射線が直接DNAの鎖を切り、細胞の死
やガンを引き起こす場合もある。
■放射性物質
* 放射性物質は空気中の水分子などと結合し雲になり、風に乗って遠くに運ばれる。そのため、事故
地より遠く離れていても、異常な被爆を受けることがある(外部被爆)。
*体内に取り込まれた放射性物質は様々な組織にたまり、消滅するまで放射線を出し続ける(内部
被爆)。
*放射線を浴びると、細胞分裂のための設計図DNAが損傷し、間違った設計図で作られた細胞は
異常を来たし易く、ガンなどの様々な不具合を引き起こす。
*一度傷ついたDNAは元に戻らないので、たとえ放射性物質が消滅しても一生人体に悪影響を及
ぼし続ける。また損傷したDNAは遺伝するので、体質的に弱い子供ができやすくなる。
■放射性核種
★セシウム134(人工生成物):半減期約2年
★セシウム137(人工生成物):半減期約30年
体液や筋肉にたまりやすく肉腫などの原因となる。
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★ヨウ素131(人工生成物):半減期約8日;ヨウ素剤有効
甲状腺にたまりやすく、甲状腺ガンの原因となる。
※これら3つを主要3核種といい、軽いため飛散しやすく水溶性で人体に取り込まれやすい。
※半減期:放射性核種は自然に放射線を出しながら壊れていく。この現象で放射線核種の量(放射
能の強さ)が半分になるまでの時間を半減期と言う。
※半減期: http://irobutsu.a.la9.jp/movingtext/hangenki/hangenki.html
***まとめ***
東日本大震災による福島第一原発のレベル7(チェルノブイリ事故と同レベル)の大惨事を振り返り、
改めて原子力発電に依存しなければならないジレンマ。これから必ず来るといわれている東海地震
、東南海地震、南海地震に備えて早急に原子力発電に代わる電源開発事業を考えるべき時が来て
いることだけは確かであろう。