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1011 リンゴ

2012-10-11 00:15:38 | 雑記

1945年10月11日、戦後はじめて製作・公開された映画『そよかぜ』が封切られた。並木路子

が歌う挿入歌「リンゴの唄」は戦後を象徴する大ヒットとなった。

☆ http://www.youtube.com/watch?v=VDieNMkohEY&feature=related

 リンゴ

(1)概要

■名称 セイヨウリンゴ

■分類・・・バラ科リンゴ属

■種類 世界:約15,000種 日本:約2,000種

■原産地・・・ヨーロッパ南西部コーカサス山脈から西アジアの天山山脈にかけて北緯40度前

後あたり。[中央アジア

■特徴 *落葉高木 *他家結実 *花期4~5月 *収穫期8~11月 *樹高2~8m

 *果実の直径:約3~15cm *果実の重さ:約35~1,000g

■分布:80カ国以上で栽培されている。

*2010年リンゴの生産量世界計69,511,975t(約7千万t)

*主な産地(単位:万t)・・・1中国(3,326) 2アメリカ(421) 3トルコ(260) 4イタリア

■日本の主な産地・・・青森長野岩手 

(2)リンゴの歴史

アダムとイブの物語にも登場する歴史の古い果物で、紀元前6,000年頃には既にトルコで

登場しており、紀元前1,300年にはエジプトで栽培していたといわれている。日本で本格的

にリンゴが栽培されるようになったのは明治時代になってから。

(3)リンゴの語源

漢名「林檎(リンチン)(リンゴム)」がリンキン、リンキ、リンゴウなどと音読みされ、それが転じ

たとされる。漢字表記の「林檎」は、林から鳥を呼び寄せる木の意とする説がある。

(4)和リンゴ

日本で「りんご」」の名が記録されたのは平安時代中頃(918年)で、それは中国から渡来した

粒の小さな(直径3~4cm、重さ30gほど)「和リンゴ」とか「地リンゴ」とかいう品種。奈良の春

日大社には、りんごの木を高倉天皇が1170年頃奉納したという記録があり、本殿前の林檎

庭には和りんごの木が植えられている。また江戸時代、信濃では「高坂りんご」と呼びお盆に

は善光寺で売られ、仏前に供えられた。

 豆知識

(1)CA貯蔵[Controlled Atomosphere Storage(コントロールド・アトマスフィア・

ストリジ 直訳:管理環境貯蔵))]

貯蔵庫内の空気中の気体の組成を人工的に変え、冷蔵との組み合わせで、主に生鮮果実を

貯蔵する方法。品質低下を抑えるためには、呼吸作用を抑える必要がある。その1つの方法

が低温保存(温度を10℃下げると、呼吸量は1/2~1/3になる)。 また空気の気体組成(酸

素21%、二酸化炭素0.03%、窒素78%その他)を(酸素%、二酸化炭素

%)にコントロールすると、青果物の呼吸を効果的に抑えることができる。この組成は果物の

種類により異なる。CA貯蔵は、低酸素、高二酸化炭素、低温という3つの条件を組み合わせ

た貯蔵法である。この貯蔵法に適している果物は、リンゴ、西洋ナシ、バナナなど。

(2)リンゴの変色と塩水

リンゴを切ってそのままにして置くと、茶色ぽっく変色する。これは、リンゴの中のポリフェノー

ル物質(エピカテキンなど)が酸化することで起こる。変色を防ぐには、原因となる酸化酵素

(オキシダーゼ)の働きを抑えればよい。そのために、塩水やレモン水、ビタミンC液を使う。

(3)ツル割れリンゴ

*リンゴのツル(果)もとが割れていて見た目がおちるツル割れリンゴ、実はこのリンゴがと

てもおいしい。

■ツル割れができる要因

雨がリンゴのツル割れの原因になると考えられている。

●主な自然現象の要因

*リンゴの開花期に気温が高く、開花が早まった年にツル割れが多い。

*果実肥大期(特に夏場)に雨が多い年にツル割れが多い。

■ツル割れリンゴのおいしさの秘密

*リンゴの実が完熟した証拠。さらにリンゴからエチレンガスが発生し追熟。

*成熟期に達した証拠。よって、収穫するまでにツル割れが起こり、遅くなればなるほどおい

 しさは増す。

*リンゴの実は、成長しているときに傷「ツル割れ」がつくと、それを治そうと多くの栄養分が

 運ばれるのでおいしい。なので蜜入り完熟リンゴが多い。

■ツル割れリンゴの中身は大丈夫!

(4)マメコバチ

リンゴの花粉は昆虫によって運ばれる。花を利用する昆虫と昆虫を利用する植物はお互いに

依存関係を保ちながら長い間進化してきた。農薬、除草剤を使うなど人が手を加えることによ

って昆虫の数が減り、リンゴの花に必要な花粉がいきわたらなくなった。リンゴは異品種の花

粉でないと実を結ばない他家受粉が原則とする。受粉が不完全だと病気にも弱くなるし、良い

実をつけなくなる。そこで人工受粉が1955年ごろから盛んに行われるようになった。綿棒の

先に採取した花粉をつけ、花の一つ一つに花粉を付けるという気の遠くなるような作業をたく

さんの人手をかけて昆虫の代わりをしていた。しかし、青森県のりんご園では最近このような

作業風景をあまり見かけなくなった。それはマメコバチを使って受粉作業をするようになったか

ら。マメコバの増殖技術の進歩と農園の管理、特にマメコバチの生活史に合わせて地域全

体で薬剤散布するなどの体制が整ってきたからである。

  蜜入りリンゴの秘密

■リンゴ蜜の正体

リンゴの葉が太陽の光を浴びるとデンプンという栄養分ができる。このデンプンが水に溶けや

すいソルビトール(グルシトール)という物質に変化し、葉から枝を通って実に集まる。実は蜜

の正体はこのソルビトールと水なのである。

■ソルビトールとは

ソルビトールとは、ブドウ糖の還元によってできる糖アルコールの一種で広く植物界に分布す

る。海藻や柑橘類、バラ科の果物(リンゴ、プラムなど)に含まれる天然の甘味料。

「蜜入りリンゴ」は熟度がすすんで、ソルビトールが果肉に蓄積された状態をいう。ソルビトー

ルは砂糖の60%の甘味度を持ち、口中で溶けるときの吸熱により爽やかな冷感がある。

またソルビトールは糖尿病患者用甘味料に使われる。口腔内で細菌、酵素による有機酸の

発生がほとんどないので虫歯の原因にもならない。化粧品成分としてグリセリンと同等の吸

湿性があるので肌の角質細胞に潤いをもたらす湿剤・柔軟剤に使われる。

■リンゴの蜜は甘いのか

リンゴの蜜の正体であるソルビトールは、砂糖の60%の甘味度があるが、枝を通って実に集

まると、酵素の働きで砂糖の仲間の果糖やショ糖に変わっていく。じゅうぶん甘くなると、酵素

の働きは弱まりソルビトールのままたまる。それが蜜。この段階になるともはや甘く感じない。

■蜜入りリンゴはどうやって作るのか

樹上でリンゴが十分熟すのを待つ。いったん収穫してしまうと蜜はできない。収穫したリンゴを

そのままにしても蜜は増えない。本来は「熟す」ギリギリまで待つのが理想。リンゴは果肉内の

余分な水分を外に出そうとする。この時気温が低くなると、リンゴの実に水滴がつくようになる。

この水滴により実から水分が出にくくなり、結果的には蜜が出来やすくなる。

 葉とらずリンゴ

読んで字のごとく葉を取らないリンゴのこと。一般にリンゴにくっ付いている葉やその周りの葉 

を取り、リンゴ全体が赤くなるように「葉摘み」作業というのを行っている。そのようにして収穫

されたお土産や贈答用の真っ赤なリンゴ(例えばサンフジ)は甘いが、それ以上に甘いのが、

葉とらずリンゴ。リンゴは葉で作られた養分(ソルビトール)をもらい受け甘くなっていく。全体

に赤くならず色むらがができる欠点はあるが、最後まで葉を取らずに収穫した方が断然甘い

のである。