『となりのトトロ』はスタジオジブリ製作の長編アニメ作品で、昭和30年代前半の日本を舞台に
したファンタジー。田舎に引っ越してきた草壁一家のサツキ、メイ姉妹と「もののけ」と呼ばれる
不思議な生き物「トトロ」との交流を描く。キャッチコピ-は「このへんな生きものは、まだ日本に
いるのです。たぶん」「わすれ物を届けにまいりました」。
ところで「へんな生きもの」の名「トトロ」の由来は、メイに名を問われた時トトロが「ドゥオ ドゥ
オ ヴォロー(眠いよー)」という声を上げ、これをメイが名前だと思い込んだことによる。
トトロにも大・中・小がおり、トトロ(大トトロ)は初期設定ではミミ(ン)ズク。森の王であり、この
国には太古より住んでいる生きもの。大抵は塚森(鎮守の森;神社を囲むようにしてある森)の
大クスノキの虚(うつろ;空洞)で眠っている。子供にしか見ることができない。播いたばかりの
種を一瞬で木に成長させたり、回転する独楽の上に乗って空を飛んだりする。月夜の晩にオカ
リナを吹いている。初期設定では中トトロはズク、小トトロはミン。
ミミズク
ミミズク(木菟、木兎、鵩、鵂、鶹、角鴟、鴟鵂、耳木菟、耳木兎)は、フクロウ科のうち羽角(い
わゆる耳)があるものの総称。羽角(うかく)とは哺乳類の耳(耳介)のように突出した羽毛。
俗に耳と呼ばれるが、ミミズクに限らず鳥類には耳介はない。
■ミミズクの語源
ミミズクの歴史的仮名遣いは「ミミヅク」で、語源は「耳付く」や「耳突く」の意味、「耳角毛」の
意味など耳を主にした説が多い。
しかし、古名は「ツク(ヅク)」で、これに特徴的な「ミミ(耳)」が加わり、「ミミズク」になったと考
えるのが妥当であろう。
ミミズクの古名「ツク」は、「ツク(角耳)」や「ツケ(角毛)」など、耳のような羽角が語源。
ただし、「ミミズク」と「フクロウ」を区別しなかった時代があり、「フクロウ」を指す方言に「ヨヅク」
や「フルツク」など「ツク」に関連する名前が見られる。「ヨヅク」は「夜に鳴く」、「フルツク」は「
ふるふる鳴く」の意味とすれば、「ツク」は「鳴く」の意味で、「ミミズク」を含め「フクロウ」を表し
ていたものが、後に「ミミズク」のみを表すようになったとも考えられる。
漢字の「木菟」の「菟」は「ウサギ(兎・兔)」を表し、「ウサギのような耳を持つ木に棲むもの」の
当て字。古名の「ツク」には「木菟」が当てられていたため、「ミミズク」は「耳木菟」とも表記。
「角鴟」の「鴟」はタカ科の「トビ(鳶)」を表す漢字で、フクロウの異名を「鴟梟(シキョウ)」と言
うようにフクロウの仲間はトビに喩えられ、「角鴟(かくし)」は「角のある鴟」とした。
シマフクロウ
■フクロウ目フクロウ科シマフクロウ属(ワシミミズク属に含める説もある)
北海道に棲むシマフクロウの数は約140羽(2010年)
■特徴
世界最大のフクロウで、飛ぶ姿はまるで畳が飛んでいるように見えるとか。体重は雄で3~
3.4kg、雌で3.3~4.6kg、体長70~80cmくらいになる。はねを拡げるとおよそ180cm。
羽角は70mmくらい。
■分布
ユーラシア大陸の北東部に住んでいる場所が限られ、ロシアと中国の国境付近が生息場所
の中心。そこには針葉樹と広葉樹が混在する森が広がる。同じような森が残る北海道の
東側にも生息する。国後島、択捉島にもいる。
現在、北海道でシマフクロウが暮らしている地域は、知床半島とその周辺、根室半島とその
周辺、東部太平洋側、十勝地方、日高地方など。これらの地域の共通点は、針葉樹と広葉樹
が入り混じった森が、他の地域に比べ残っていること。そして森には多くの魚が暮らす川が流
れていることだ。そしてアイヌの人々がコタンコロカムイ(村の守り神)として敬ったように、人
の暮らすそばで共に生きる鳥でもある。
■食性
Fish owl。「ウオミミズク」と訳されるが、その名の通り、魚を主食にしている。北海道の川には
、アメマスやヤマメなどの小型から中型のサケ科の魚が多数見られる。また、夏から秋にかけ
てカラフトマスやシロザケが海から川に戻ってくる。しかし、冬には多くの川が凍りつき、魚を捕
まえることが難しくなる。そんな時には、海岸に出て海の魚を捕まえることもある。また、森や人
家付近でネズミや鳥を捕まえることもある。春先には大量に姿を現すエゾヒキガエルを食べるて
いる。
★足跡
川で魚を捕まえることが多いシマフクロウは、岸辺の柔らかな土の上に足跡を残すことがある。
その足跡の形はアルファベットの「K」の文字そっくりで、この形が魚を掴むのに都合がいい。
足指の裏にはがさがさした突起がたかさんあり、ヌルヌルと滑りやすい魚をしっかり掴むことが
できる。
★羽音
フクロウは羽音がしない。フクロウの羽の特殊な構造は、ネズミに音を感づかれないためのも
の。しかし、シマフクロウは飛ぶ音がする。魚を主食としているので、音がしても獲物に逃げら
れる心配がない。消音装置はシマフクロウには必要がない。
■テリトリー(なわばり)
なわばり争い、この言葉は、巣を作る場所、食べ物、安心して休む場所、この3つの条件を求
めてシマフクロウどうしが争う場合使う。なわばりを持ててはじめて、子育てが可能になる。
なわばりの大きさは、食べ物の量、地形、隣に他のシマフクロウがいるかどうかで変わってく
る。シマフクロウは1年を通して自分のなわばり内で生活する。
■畏敬の声(啼き声)
深い森から響いてくる重低音。「ヴー ヴー」「ヴォー」。その声は自然を敬い、畏れさす力を
秘めている。夜行性のフクロウが存在をアピールする方法が唯一啼き声といえる。
夜の闇から届く声には、雄と雌の違い、大人と子どもの違いなどの情報が含まれている。
外敵への脅しや結婚相手を誘い込む時にも声を発する。また、なわばり宣言にも使われる。
そして子育ての始まりはオスとメスの啼き交わしから。「ヴー ヴー ヴォー」。一声に聞こえ
るが、「ヴー ヴー」がオス、「ヴォー」がメスの声である。
[シマフクロウの啼き声]
http://www.youtube.com/watch?v=sqtXMZrHwtY&feature=related
■ 形態
*フクロウの眼球は眼窩に固定されているため、眼球を自由に動かせない。その代わり、頭
を真後ろに向けたり、上下を反転させたり、自由に回転させることができる。これは頚骨が12
~14本と多く、回しやすい構造を持っているためである。
*フクロウは遠目が利くが、逆に数十cm以内の近い範囲ははっきりと見ることはできない。
*瞳孔は大きく、弱い光に敏感な桿体細胞が網膜に多いため夜目が利く(しかしその代償
として昼間は目を細めていることが多い)。
*フクロウの目の感度は人間の100倍。
*他の多くの鳥類と違って、両目が正面にあるため立体視が可能で、静止していても対象ま
での正確な距離を把握できる。
*両耳は、耳穴が左右に少しずれた位置にあり、奥行きも違っている。左右非対称であること
によって、音源の方向を立体的に認識できる。
*パラボラ型の顔面の羽毛が対象が発するわずかな音を集め、聴覚を助ける役目をする。