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1015 きのこの日

2012-10-15 00:12:08 | 雑記

10月はきのこの需要が高まる月で、その月の真ん中を中心に椎茸を始めとするきのこ類の消

費PRを行なっていこうということから日本特用林産振興会が1995年5月の総会で「きのこの

日」を制定した。

 キノコ(茸、木野子、蕈、菌、木ノ子)

キノコ(木ノ子の意)顕著な子実体を形成するもの。大部分は担子菌類に、一部は子嚢菌類に

属する。ふつうは傘状をなし、山野の樹陰や朽木に生ずる。食用になるマツタケ、シイタケ、シ

メジなどと、有毒のテングタケ、ツキヨタケなどがある。

*子実体(しじつたい:菌類の菌糸が密に集合した胞子形成を行なう塊状のもの)

*担子(たんし)菌類(真菌類の一群。主に菌糸が集まって傘状の子実体をなし、傘の裏面な

 どに担子器を生じ、担子胞子をつくるもの。マツタケ・サルノコシカケ・ショウロなど。

*子嚢(しのう)菌類(真菌類の一群。体は菌糸からできていて、子嚢を形成し中に子嚢胞子を

 をつくる。コウジカビ・酵母菌や、一般にカビと呼ばれるものの多くが含まれる。アミガサタケ、

 セイヨウショウロ、冬虫夏草など。

■キノコの語源

木に生えるから「木の子」の意。「コ」は男根の義ともされ、漢字表記の「茸(たけ)」は、

その形から「猛り」・「長けり」に由来するともいわれる。

 マツタケ(松茸)・・・ハラタケ目キシメジ科キシメジ属のキノコ

マツタケ(松茸)は庶民あこがれの高級きのこで、東アジアで食用にされるが、特に日本人に

好まれているキノコである。「香りまつたけ味しめじ」といわれ好まれる独特の強い香りを持ち

珍重される。分布域と深く関連して西日本で特に人気が高い。江戸時代から「まつたけ百匁は

米一升」といわれるほどの高級きのこの代表である。マツタケの香りの成分の元である桂皮

の香りは日本人と馴染みの深い大豆の臭いに近いものである。

ところが「所変われば品変わる」で、欧米では、この香りは「軍人の靴下の臭い」「数ヶ月も風

呂に入っていない不潔な人の臭い」などといわれ、嫌われることも非常に多い。

■生育環境

マツタケは養分が少ない比較的乾燥した場所を好む。秋にアカマツの単相林か、針葉樹が独

占種となっている混合林の地上部に生える。「シロ(白・城・代)」というコロニー(土壌中に菌糸

が層をなして広がったもの)をつくって、そこから輪を描くように生える。シロの場所は親兄弟に

も教えない。まだ地面から顔を出さないうちに収穫されるので、シロの場所を知らないと見つけ

ることは難しい。マツタケの生えている場所は、樹齢15~30年のアカマツ林である。

かつて日本では、江戸時代~明治時代までは西日本全域が生産地であったが、現在は丹波

地方と広島県の山間部に産地がほぼ限られてしまっている。

林の中でも特に痩せて乾燥した尾根筋に生える。「痩せ乾燥」という条件の土地はいかにも

栄養が少なそうだが、マツタケはこのような土地を好む。むしろ枯葉が積もって土の中の養分

が多くなると、他の菌類との競争に負けてしまって発生しなくなる。そのためマツタケの産地

は、積もった落ち葉を取り除くなどして、マツタケの生育しやすい環境を保っている。

かつて里山が今より利用されていた時代には、燃料や肥料に使う人の営みによって落ち葉や

枯れ枝が取り除かれており、現在とは比較にならないほど大量のマツタケがとれ、武士から庶

民まで幅広く親しまれていたといわれる。

■人工栽培

 マツタケの人工栽培が実現しない理由は

(1)マツタケは、分類学上、菌根菌で生きた根に寄生する菌類で、生きている根がなければ

ならない。現在までのところ、菌根菌の養殖は成功していない。ただし唯一ホンシメジは菌床

人工栽培が可能になった。

(2)子実体(菌類の胞子を撒き散らす器官で、通常キノコとする部位)が生えるためには、宿

主の根が浅い位置になければならないし、根が元気過ぎてもいけないし、松くい虫の被害に

合っているような林でも生えない。下草が生えると駄目だし、光が入ると駄目。湿度条件など

林地栽培でも条件が厳しいので、この条件を人工でいかにしてクリアするのか。

■マツタケの生産量

☆マツタケの年次推移(単位トン)

*’05(39)*’06(65)*’07(51)*’08(71)*’09(24)*’10(140)

☆都道府県別生産量(2010年:単位トン)

1位長野(85) 2位岩手(28) 3位石川(7) 4位京都(4) 5位和歌山(3) 6位広島(3)

7位岡山(2) 8位奈良(2) 9位兵庫(2) 10位山形(2)

■マツタケの輸入量(2010年)

*1位中国(875トン 42億1,788万円 3,820円/kg)

*2位カナダ(147トン 6億1,133万円 4,147円/kg)

*3位アメリカ(99.1トン 4億6,002万円 4,641円/kg)

*4位トルコ(63.8トン 1億3,200万円 2,068円/kg)

*5位メキシコ(17.4トン 6,974万円 4,016円/kg)

*6位韓国(11.2トン 2億2,029万円 2万円/kg)

 ホンシメジ・・・シメジ科シメジ属のキノコで担子菌類の菌根菌。別名ダイコクシメジ

(大黒占地)

■生育環境と特徴

コナラ林やアカマツ林で、これらの樹木に菌根をつくって生活し、秋、子実体は地上に単生ま

たは群生する。傘は2~8cm。はじめ半球形やまんじゅう形で、後に平らに開く。色は灰褐色

で白色のかすり模様がある。柄は長さ3~8cmで白色、下部がとっくり状に膨らむ。肉は緻

密で美味。菌糸の最適温度は25~26℃、子実体の発生温度は15℃前後。

■「香りマツタケ味シメジ」と言われるように、キノコの中でも有数な強いうまみを持つ優れた

食用キノコである。

■人工栽培

1999年、タカラバイオなどにより、ホンシメジの一部の菌株が菌根菌としては例外的にデンプ

ンを分解できる性質を利用し、赤玉土と大麦の穀物粒を主成分とした菌糸瓶法などによる人

工栽培が成功している。菌糸は窒素と鉄の要求性が高く、炭素源は単糖類の他にデンプンが

利用できる。至適phは5.4前後とされる。

三重県四日市のタカラバイオ楠工場で商品名「大黒本しめじ」として年間100t以上の販売を

している。500gパッケージで¥5,480。 

*2000年からヤマサ醤油もホンシメジの人工栽培の研究に取り組み7年後に「ヤマサの大

黒ほんしめじ」の販売をはじめる。300g¥1,000

 腐生菌と菌根菌(共生菌)

キノコはカビなどを含む菌類の中で、目に見える子実体(キノコ)をつくる仲間をキノコと呼び、

菌の本体は、土の中や木の中に広がっている菌糸なのである。この菌糸がどのように栄養を

吸収し、生育するのかによって、腐生菌と菌根菌に分類される。腐生菌には、落ち葉を栄養に

する落葉分解菌や木材(倒木など)を栄養にする木材腐朽菌などがある。

さて菌根菌はどのように生きているのか。菌根菌は生きている樹木と土中で栄養のやり取り

する共生関係を持って生育する。菌根菌は樹木の根に菌糸を伸ばし、菌根という組織を作る。

底から菌糸によって分解吸収したミネラルなどを樹木に送り、反対に樹木からは光合成によっ

て合成された栄養分を貰うと考えられている。

また、菌根菌には、セシウムやストロンチウムなどの放射性同位元素を特異的に取り込むこと

がわかっている。