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日銀が株式市場から奪ったもの 十字路 マーケットニュース 2021年3月3日 11:30

2021-03-03 16:14:12 | 日記
日銀が株式市場から奪ったもの
十字路
マーケットニュース
2021年3月3日 11:30


株式市場参加者の間で、日銀の上場投資信託(ETF)買い入れの方針変更をめぐる事前観測がかまびすしい。
日銀は19日に公表する政策点検で購入方針を変更するとみられる。日経平均株価は30年半ぶりに3万円台を一時回復した。現状の株価水準では「リスクプレミアムに働きかける」というETF購入の意義が薄れており、減額へとかじを切るとの予想が多い。
とはいえ、2%のインフレ目標の達成は遠く、日銀は昨年3月のような相場急落時に購入に動く選択肢は捨てないだろう。日銀が最大保有者であるという、ゆがんだ日本株の保有構造は当面つづく。
日銀は、具体的に市場のどこをゆがませているのか。
たびたび指摘されてきた、「議決権を空洞化させる」という批判は的外れだろう。ETF運用会社が、議決権行使基準を明確にしたスチュワードシップ・コード(機関投資家の行動指針)に従って日銀分の議決権もちゃんと行使している「はず」だからだ。
日銀が市場にもたらすゆがみは、個別銘柄を選別せずに株価指数構成銘柄をまるごと購入するパッシブ運用を、日本株市場の「多数派」にしてしまいかねない点にある。
収益力や成長力などで良い企業と悪い企業を選ぶアクティブ投資家が多数派を占めるのが、本来の市場の姿だ。
だが今では日銀が市場全体の約7%をインデックスの形で保有し、約6%を保有する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)も資金の9割を指数連動で運用する。他のパッシブ運用も加えれば、日本株の売買フローの過半を企業を選別しないマネーが支配している可能性がある。
日銀ETFが膨らむほど、正しい価格を見つける株式市場の最も大事な機能が奪われていく。国民が今の株価をうさん臭いと考えているようにみえるのは、そんな市場の機能不全に気づいているからなのかもしれない。(井蛙)

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