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日銀の次回利上げは10月までが6割、7月と10月の予想拮抗-サーベイ 2024年3月22日 10:45 JSTブルームバーグ

2024-03-22 16:33:27 | 日記
日銀の次回利上げは10月までが6割、7月と10月の予想拮抗-サーベイ
伊藤純夫、Cynthia Li
2024年3月22日 10:45 JSTブルームバーグ

リスクシナリオなら7月までが7割、「想定より早まる」見方は55%
54%が円安要因の追加利上げを予想、為替介入の想定水準は155円


日本銀行は今週の金融政策決定会合で17年ぶりの利上げに踏み切ったが、エコノミスト調査では約6割が10月までに次回の利上げが行われるとみており、7月と10月の予想が拮抗(きっこう)している。

  今回の政策変更を受けて、ブルームバーグは21日にエコノミスト47人を対象に緊急調査を実施した。新たな政策金利の無担保コール翌日物レートを引き上げるタイミングは、10月の26%が最多で、次いで7月の23%。年内が計64%だが、2025年第3四半期以降との回答も19%あった。24年末の水準の予想中央値は0.25%となった。

調査リポート:日銀の年内追加利上げ予想は6割超、年末の水準0.25%
日銀の次回利上げ予想は10月までが6割

7月会合との予想は23%

Source: ブルームバーグ・サーベイ(回答者47人)

  当初の想定よりも早めに日銀が動いたことや、会合後の植田和男総裁の記者会見などを踏まえ、55%が今後の利上げペースは「予想よりも速くなるリスクの方が大きい」とみている。リスクシナリオとして最も早いと思われるタイミングを尋ねたところ、70%が7月までに利上げがあり得ると回答。次回4月会合の見方も7%あった。


  日銀は19日の会合で世界で最後のマイナス金利を解除し、イールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)の廃止や上場投資信託(ETF)の新規購入停止も決定。13年4月以来の大規模緩和は転換点を迎えた。新たな政策金利は無担保コール翌日物レートを目標とし、0-0.1%に誘導する。今後の正常化のペースに市場の関心が移る中、早期の追加利上げへの警戒感の強さが今回の調査で示された。

  ソシエテ・ジェネラル証券の劔崎仁調査部長兼チーフエコノミストは、政策判断の重要なポイントとなる今年の賃上げ動向に関し、春闘の回答は夏場の最終集計段階でも大企業に偏っていると指摘。その上で「多くの中小企業を反映した結果については、毎月勤労統計を確認する必要がある」などとし、10月の利上げを予想した。

  連合による春闘の第1回回答集計は、平均賃上げ率が5.28%と33年ぶりの高水準となった。植田総裁は賃金と物価の好循環を判断する上で春闘を重要なポイントの一つに挙げていたが、第1回集計を「判断の大きな材料にさせていただいた」と会見で説明した。最終集計は7月に発表される。一方、毎月勤労統計調査では、 物価変動の影響を除いた実質賃金が1月まで22カ月連続で前年比減少している。

  モルガン・スタンレーMUFG証券の山口毅日本チーフエコノミストは従来から7月の追加利上げを見込んでいるが、植田総裁が会見で将来の金利経路について経済・物価見通し次第と述べたことを踏まえ、「緩やかなペースの複数回の利上げは排除されていない印象を受けた」という。

  同じく7月と予想した明治安田総合研究所の小玉祐一チーフエコノミストは、総裁が会見で「中立金利の水準は不明としている以上、利上げ幅が限定的であることを約束しているわけではない」と指摘。「市場が現在織り込んでいる以上に利上げが進む可能性は念頭に置いておく必要がある」としている。

  一方、植田総裁の政策に関するコミュニケーションへの評価は、78%が「非常に良い」または「良い」と回答。「悪い」は9%にとどまった。
円安進行

  日銀が金融政策の正常化にかじを切ったにもかかわらず、外国為替市場では昨年11月以来の水準となる1ドル=151円台まで円安が進行している。エコノミストの54%は円安要因で日銀が利上げに動く可能性があると回答。また、政府が円買い介入する可能性が高まったとの見方は41%で、介入予想水準は中央値で155円だった。

  野村証券の松沢中チーフ・ストラテジストは、総裁会見は「思った以上に追加利上げにオープンであった」と指摘。発言内容から四半期ごとの経済・物価情勢の展望(展望リポート)で示す物価見通しが「これまで以上に重要度を増しそうだ」とし、「円安・原油高や物価統計の上振れが続くなどして、これを引き上げるリスクが高まった段階で追加利上げに動きそうだ」とみている。

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