米バークシャー債、スプレッド縮小-日銀早期利上げ観測後退映す
Ayai Tomisawa 2024年4月18日 5:30 JST更新日時 2024年4月18日 10:28 JST- 7本立ての円建て社債を条件決定、総額2633億円
- 大手総合商社株に投資、三菱商事の保有比率は8.5%超に
著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる米投資・保険会社バークシャー・ハサウェイは18日、円建て社債の発行条件を決めた。日本銀行による早期の追加利上げ観測が後退しており、スプレッド(上乗せ金利)は同社の円債として過去2年超で最も小さくなった。
主幹事のみずほ証券によると、7本立てで発行総額は2633億円となった。日銀が3月に世界で最後のマイナス金利政策を廃止した後、海外発行体による円債として最大の規模になった。ブルームバーグのデータによると、バークシャーの円債としては2019年の初回債に次ぐ大きさ。
今回債は海外発行体の円債に対する投資意欲を見極める試金石となる。バフェット氏の商社株購入が日経平均株価を史上最高値に押し上げた経緯があるだけに、日本株への追加投資を準備しているとの臆測も広がる中、株式投資家の注目も集まる。
スプレッドは同社が過去2年間に発行した円債のスプレッドを下回る水準で決まった。3年債はTONA(無担保コール翌日物金利)ミッドスワップに対して51ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)。昨年11月の3年債は59bp、同年4月は75bpだった。
ブルームバーグのインデックスによると、国内外の発行体による円建て社債のスプレッドは17日に約51bpと、1年前の約66bpから縮小した。
バークシャーは円債の定例発行体で、22年と23年はそれぞれ2回発行した。直近2年間に発行した一部年限のスプレッドは以下の通り:
3年 | 51bp | 59bp | 75bp | 60bp | - |
5年 | 54bp | 64bp | 85bp | 75bp | 17bp |
10年 | 71bp | 74bp | 95bp | 87bp | 33bp |
20年 | 78bp | 80bp | - | 97bp | 53bp |
30年 | 83bp | - | 125bp | 115bp | 58bp |
バークシャーは2月の年次株主書簡で、日本企業への投資の大部分を円債発行で賄っていると述べた。同社は投資先の大手総合商社5社それぞれについて、出資比率を9.9%まで引き上げる可能性を示している。
ブルームバーグがまとめた最新の情報によると、バークシャーは三菱商事の8.58%、伊藤忠商事の7.47%、丸紅の8.41%を保有する。東京株式市場で商社株は上昇が目立っており、バークシャーの新たな保有が判明すれば日本株を再び勢いづける可能性がある。
(条件決定を反映して記事を更新しました) 最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
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