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福島第一原発 トリチウムなど含む水薄めて海洋放出決定へ 政府 2021年4月13日 4時33分 福島第一原発

2021-04-13 05:43:58 | 日記





福島第一原発 トリチウムなど含む水薄めて海洋放出決定へ 政府
2021年4月13日 4時33分 福島第一原発
東京電力福島第一原子力発電所で増え続けるトリチウムなど放射性物質を含む水の処分方法について、政府は13日、関係閣僚会議を開き、国の基準を下回る濃度に薄めて海へ放出する方針を決めることにしています。

放出前後のトリチウムの濃度を調べるモニタリングの強化や風評被害の対策を徹底し、それでも生じる被害には東京電力が賠償を行うとしています。
トリチウムなど放射性物質を含む水の処分方法をめぐっては、国の小委員会が、基準以下の濃度に薄めて海か大気中に放出する方法が現実的で海のほうがより確実に実施可能とする報告書をまとめていて、政府は、地元の意見を聞くなどして慎重に検討を進めてきました。

その結果、政府は13日関係閣僚会議を開き、海へ放出する方針を決めることにしています。

具体的には2年後をめどに福島第一原発の敷地から放出する準備を進め、放出にあたっては、トリチウムの濃度を国の基準の40分の1、WHO=世界保健機関が示す飲料水の基準では7分の1程度に薄めるとしています。

また、地元の自治体や水産業者なども加わって放出前後のトリチウムの濃度などを監視するモニタリングを強化します。

さらに、IAEA=国際原子力機関の協力も得て国内外に透明性の高い、客観的な情報を発信し風評を抑えるとともに漁業関係者への支援や地元産品の販売促進、観光客の誘致などを後押しします。

それでも生じる風評被害には東京電力が賠償を行うとしています。

このほか、関係閣僚による新たな会議を設けて必要に応じて追加の対策を機動的に実施します。

しかし海への放出には、漁業関係者が反対するなど地元の懸念は根強いことから政府や東電は、安全性を確保し風評を抑える対策の徹底が問われることになります。
地元の漁業者「必ず風評被害が起きてしまう」
政府がトリチウムなどの放射性物質を含む水について、海への放出を決定する方針を固めたことに対し、福島県の漁業者は、安全性についての理解が浸透していないなどとして、この時期の方針決定に反対の姿勢を崩していません。

相馬双葉漁協の立谷寛治組合長は「政府は海に流せばよいなどと簡単に言うが、全国の人、そして海外に処理水の安全性が理解されていない中では必ず風評被害が起きてしまう。政府は風評対策をしっかりやりますと言うものの具体的な内容が示されておらず、信用することはできない」と話していました。

そのうえで「この問題は福島だけの問題ではないと感じている。政府は方針を決定する前に全国民に対してしっかり水の安心や安全の理解を進めなければならない」と述べ、処分方法は政府が地元や全国の人とさらに議論を重ねたうえで決定すべきだとしています。

また、処分を行うことになる東京電力についても「ここ最近では福島第一原発の地震計が壊れたのをそのままにしておくなど不備も相次いでいて、その説明が後から行われるなど信用も落ちている」と批判したうえで、「安心安全の担保をしっかりとしたうえで処理水をどうするかという議論を行ってほしい」と話していました。
いわき 旅館経営の男性「風評対策や補償 具体的説明ない」
福島県いわき市小名浜の海の近くで旅館を経営する大平均さんは具体的な風評対策の説明がないままに処分方法が決まることになるとして憤りを感じています。

大平さんの旅館では県産の魚にこだわった料理を提供していますが、原発事故のあと、利用客が一時2割ほどまで落ち込み、現在も5割ほどにとどまっています。

処理水の海洋放出について大平さん自身は「トリチウムというものがよく理解できていないかたにとってはやはり放射能だということで、福島県から足が遠のくのかなと思います」と話し反対だとしています。

ただ県内の旅館やホテルでつくる組合は、去年4月に政府が開いた意見を聴く会で、風評対策や損害を補償することなどを条件に「影響が比較的おさえられる」などとして、海への放出を支持する方針を表明しました。

しかしその後、政府から風評対策や補償について具体的な説明はないということで大平さんは、意見を聞く会が形式的なものだったと感じています。

大平さんは「国は国民のためにあるわけであって、自分たちで勝手に決めていいというわけではない。われわれはこういうことに困っていて、もし海洋放出するのなら風評対策をしてくださいというような話をしても、なしのつぶてでいきなり放出をしますということになるのなら、いくらなんでもひどいです」と話していました。
風評被害詳しい専門家「今後重要なのは東京電力と政府の信頼」
漁業や農業の風評被害に詳しく、国の小委員会の委員も務めた福島大学の小山良太教授は、処分方法の決定に向けた国のプロセスについて「漁業者などの関係者と合意に至らないとしても合意の努力をして議論を深めたうえで処分方法を決定する必要があったのではないか」と指摘しました。

そのうえで処理水をめぐる現状について「国民の間では、処理水がどういうもので、どのような処分方法が検討されてきたか理解が広がってないだけでなく、処理水の問題自体がほとんど知られていないのが現状だ。県産品の消費地は首都圏を中心とする福島県以外の地域であるため、福島だけが理解していて、ほかの地域で理解度が高まらなかったら、まさしく風評被害を生む構造的な問題になり、国民的な理解が必要だ」と強く訴えました。

また今後政府に求められる対応については「いちばん重要なのは、海洋放出を実施する主体である東京電力とそれをサポートする政府の信頼だ。本当に安全なのか、国が言っていることが正しいのかについて、国民の信頼を勝ち取れないのであれば、放出はしないというくらいの覚悟が必要になるのではないか。理解を進めていくためには1つずつ国民の不安や、疑問に答えるような対話の場を福島だけでなく全国で開催していくことや、日本だけでなくて、周辺諸外国に対しても説明していく取り組みが必要だ」と話していました。 







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