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悲観主義者が予測する24年世界経済リスク-中東情勢や米インフレ再燃 2024年1月17日 8:08 JSTブルームバーグ

2024-03-02 09:45:02 | 日記
※再度UPします※

悲観主義者が予測する24年世界経済リスク-中東情勢や米インフレ再燃
Bloomberg Economics and Bloomberg News
2024年1月17日 8:08 JSTブルームバーグ

イスラエルとハマスの戦闘、地域紛争へとエスカレートする瀬戸際
米インフレ上振れで政策転換が停止し市場の期待に冷水の可能性も

2024年は経済のソフトランディングの年であり、世界の経済成長と市場の下支えが期待される利下げの年でもある。従来型の楽観的分析ではそうなる。

  それではリスクはどこにあるだろうか。ここ数年、戦争と新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)、銀行破綻が相次いだことを考えると、言うまでもなく数多くのリスクが存在する。以下に示すが、これに限ったわけではない。
中東は紛争拡大の瀬戸際

  3カ月余り前に始まったパレスチナ自治区ガザでのイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘は現在、地域紛争へとエスカレートする瀬戸際にある。紛争が拡大すれば石油輸送は途絶え、世界経済成長が鈍化するほか、再びインフレが進行する恐れがある。まだ、そうしたエネルギー供給が途絶するような事態には至っておらず、市場もそうならないと予想している。しかしリスクは高まっている。
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配給される食料を求めるガザの住民(2024年1月9日)
Photographer: Hatem Ali/AP

  アジアと欧州を結ぶ重要な海上輸送ルートである紅海を航行する商船への攻撃を続けてきた、イエメンの親イラン武装組織フーシ派の拠点を米英軍が空爆してから、地域の緊張は高まっている。

  レバノンの親イラン民兵組織ヒズボラとイスラエル軍との国境付近での交戦が連日続き、レバノンの首都ベイルート郊外でハマス幹部が殺害されたことから、ヒズボラが戦闘に一段と関与する恐れもある。

  イラクとシリアも紛争の火種となる可能性が強まっている。



  イランとイスラエルが直接戦争する可能性は低いというのがわれわれの基本シナリオだ。しかし万一そのような事態となれば、重要な通商ルートが途絶し、世界の原油供給の5分の1が失われて原油価格は1バレル=150ドルまで急騰する可能性がある。世界の国内総生産(GDP)伸び率は1ポイント押し下げられ、インフレ率は1.2ポイント上振れすると予想される。
米金融当局に波及も

  これは米金融当局にとっても、また早期の積極的利下げを見込む投資家にとっても悪いニュースだ。

  1970年代、当時のバーンズ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は利下げへの転換を早まった。その結果インフレが再燃し、物価抑制のために後任のポール・ボルカー氏は極端な措置を講じなければならなかった。2024年に、小規模ではあるが、同じことが繰り返されかねないシナリオが2つある。一つは供給ショックで、中東の紛争拡大が原油価格と航路を直撃すれば現実的に起こり得る。もう一つは、金融状況の緩みによるものだ。米5年債利回りは昨年10月に付けた高水準から1ポイント強下げている。

  ブルームバーグ・エコノミクス(BE)の米国経済モデルに利回りの1ポイント低下を入力すると、1年後のインフレ率は0.5ポイント上振れし、当局目標の2%よりも3%に近い水準になる。実際にそうなった場合、金融当局は政策転換の停止を余儀なくされ、市場の緩和期待に沿えない可能性がある。

  米金融当局の発言者のセンチメントを把握するためのわれわれの最新自然言語処理モデルは、当局者が立場を変える余地を多く残していることを示している。当局者の講演と記者会見に関する5万9000本の記事の見出しを基に開発されたこのモデルは、当局者らはハト派傾向であるものの、利下げにコミットするにはなお程遠いと分析している。


欧州は冷え込む恐れ

  過熱リスクがある米経済とは対照的なのが欧州経済だ。

  欧州中央銀行(ECB)とイングランド銀行(英中銀)はここ約30年で最も積極的な引き締めサイクルを終えようとしている。どのようなマクロ経済モデルでも、この引き締めを分析すると「深刻なリセッション(景気後退)」という明確な見通しが示される。

  BEのモデルはユーロ圏の域内総生産(GDP)が2.5%、英国のGDPが4.7%それぞれ打撃を受けると予想する。ただ、これまでのところ実際には両経済とも成長は鈍化しているものの、マイナスにはなっていない。


  もちろんモデルが間違っている可能性がある。パンデミックやウクライナ戦争と、予測は常に難しかった。しかし別の可能性もある。金融政策は長期のタイムラグがあることで知られており、欧州の経済が大きく打撃を受けるのはこれからかもしれない。

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原題:A Pessimist’s Guide to Global Economic Risks in 2024(抜粋)

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