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アップル「コカ・コーラのようなバリュー株になりつつある」との声も 2024年3月17日 14:44 JSTブルームバーグ

2024-03-17 16:24:27 | 日記

アップル「コカ・コーラのようなバリュー株になりつつある」との声も
Jeran Wittenstein
2024年3月17日 14:44 JSTブルームバーグ

ナスダック100指数に対しアップル株はアンダーパフォーム
投資家の多くは一段と明確なAI戦略を持つ銘柄に向かっている

過去20年間にわたり米アップルほど株式市場の明るい展望を体現した企業は他にない。ニッチなコンピューターメーカーから、時価総額で世界トップの企業に転換したことで、アップル株は世界中の投資ポートフォリオの要の一つとなった。

  しかし、ほんの一瞬とも受け止められる間にアップルの輝きは弱まりつつある。今や人工知能(AI)がテクノロジーにおける話題の中心となり、アップルが世界中の熱烈な消費者に機器やサービスを販売することで計上してきたような成長をAIが主導する。

  この結果、アップルの投資家は苦境に置かれている。売上高の伸びは低迷し、ナスダック100指数に対し同社株は約16ポイントのアンダーパフォームと、年初来では2013年以来最悪の成績となっている。

  アップルは引き続き多額の売上高を計上しているものの、投資家が期待するようになったペースで増収を続けることができるかどうかは疑問の余地がある。同社経営幹部はAIの大規模計画があると語り、強気派はそれが成長回復につながると期待を寄せる。だが、これまでのところ、その展望を正確に測定するのは困難だ。

  こうした状況を背景に、投資家の間では、アップルのAIの夢が実を結ばないのであれば、今日における同社株の位置づけは何なのかという疑問が生じている。

  ラデンバーグ・ソールマン・アセット・マネジメントのフィル・ブランカート最高経営責任者(CEO)はアップル株について、「ややコカ・コーラのようなバリュー株になりつつある」とし、「新たなきっかけがあるまで、望まれるのは予見可能な将来にわたりディフェンシブなプロフィルと市場レートのリターンが全てだ」と語った。

輝き失ったアップル株、AI製品での出遅れに投資家は我慢の限界
Apple vs Nasdaq 100 | Year-to-date underperformance is worst since 2013



  アップルは常にそうであったように、頼りになる利益計上企業のままだ。株主にとって有利なキャッシュフローを多く生み出し、万全なバランスシートを誇る資金の安全な逃避先でもあるのは確かだ。

  ジェンセン・インベストメント・マネジメントのポートフォリオマネジャー、ケビン・ウォルクシュ氏は「利幅の増加や利益率の改善を伴い、多額のキャッシュを生み出すビジネスを持ち、引き続き多くのイノベーションが見込まれ、まるで年金のように堅実かつ安定した成長を望む長期志向の投資家であれば、アップルは素晴らしい投資先だ」と話す。

  そうであっても、新たな成長市場を取り込みたいと望む投資家はAIに関心を向けている。大規模な言語モデルの作動に必要なチップへのとどまることを知らないような需要を背景に、エヌビディアがこうした投資家にとって保有すべき巨大テクノロジー銘柄としてアップルに置き換わっている。
時価総額49兆円吹き飛ぶ

  アップル株は年初来で10%余り下げており、3300億ドル(約49兆円)前後の時価即額が吹き飛んだ。時価総額は2兆7000億ドルとなり、世界首位の座は約3兆1000億ドルのマイクロソフトに譲り渡した。エヌビディアも2兆2000億ドルとそれほど遠くない位置にある。

  問題はアップルの成長が突然ストップしたというものではない。それはむしろ、スマートフォン「iPhone」の販売が低調で、同社に対する規制当局の対応も厳しくなっている状況で、AIについて何も示していない点にある。

  シティズンズJMPセキュリティーズのマーク・リーマン最高経営責任者(CEO)は「信じられないほどのイノベーションの波のさなかにある。市場はアップルに対し、多くを示すよう催促しているのに対し、同社はこれまでのところあまり明らかにしていないというわけだ」と解説した。

  秘密主義で知られるアップルはAIサービスを製品に組み込む計画についてほとんど開示していない。ティム・クックCEOは、同社が今年にAIで「新天地を切り開く」と約束し、市場のプロは今後数カ月後に開かれる年次ソフトウエア開発者会議でのビッグニュースを予想している。ただ、投資家の多くはしびれを切らし、一段と明確なAI戦略を持つ銘柄に向かっている。

  アップルが抱える問題の中核にあるのは売上高の伸びが勢いを失った点で、成長を促進するのが何であるか不明であることだ。同社にとって約10年ぶりとなる新たな主要製品カテゴリーの複合現実(MR)ヘッドセット「Vision Pro(ビジョン・プロ)」は今後数年、成長に大きく寄与することは見込まれない。

  また、アップルは最近、電気自動車(EV)を開発するという長年の取り組みを中止することにした。iPhoneの売上高が低調に推移し、中国では景気低迷や競争激化の影響で販売不振が深まっているのが現状だ。

アップル、EV開発計画を白紙に-10年がかりのプロジェクト断念
Apple's Revenue Growth Has Stagnated



原題:Apple Without AI Looks More Like Coca-Cola Than High-Growth Tech(抜粋)

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