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世界の債券・株の価値、44兆ドル減 4~9月で減少幅最大 危機の芽、各国に拡大 グローバルマーケット 2022年10月2日 2:00

2022-10-02 05:41:18 | 日記
世界の債券・株の価値、44兆ドル減 4~9月で減少幅最大

危機の芽、各国に拡大
グローバルマーケット
2022年10月2日 2:00

【この記事のポイント】
・金利上昇で債券価格が急落。景気後退懸念から株価も下落
・歴史的な急変動は英国の年金基金などに危機をもたらした
・市場の収縮で資金調達が困難に。世界の債務問題に火をつけるリスクも




世界の債券や株式の価値が急減している。2022年4~9月には合計44兆ドル(約6300兆円)消失し、半期ベースで過去最大となった。歴史的な金利の急上昇を震源とした証券価値の減少が、英国の年金基金など思わぬところに危機の芽を生み出している。

インフレの勢いが衰えず、米連邦準備理事会(FRB)など各国中銀は夏場にかけて一段と金融引き締めの姿勢を強めた。米10年債利回りが9月28日に2010年以来12年ぶりに4%を突破し、利回りと反対に動く債券価格は急落した。

世界の債券残高は4~9月に20兆ドル減り125兆ドルとなった。6カ月間では遡及できる1990年以降で最大の減少額だ。ドイツ銀行は「世界の債券市場は、第2次世界大戦直後の46年以来76年ぶりの弱気相場(価格下落)」と指摘する。

金利の急上昇が景気後退につながるとの懸念から、9月末にかけて株安が進んだ。米ダウ工業株30種平均は4~9月に17%下げ、世界の株式時価総額は3月末時点の110兆ドルから24兆ドル減った。減少幅はリーマン・ショック後の08年10月~09年3月(11兆ドル減)を上回り、さかのぼれる01年以降で最大になった。

債券と株で減った合計44兆ドルは、世界の国内総生産(GDP)の約半分に相当する。通常、証券価格の下落は保有する金融機関や投資家の損失として吸収されるが、4~9月の損失はあまりに大きく「システミックリスク」を引き起こさないか警戒が強まっている。

欧州では危機につながりかねない「リーマン・モーメント」と呼ばれる事象が2例生じた。

英国では国債急落で年金の金利スワップ取引などに評価損や担保不足が生じ、国債売りの連鎖が起きた。年金破綻につながりかねず、イングランド銀行(中央銀行)は国債の買い支えに動いた。欧州の電力会社は価格下落のヘッジ(損失回避)のための先物取引で評価損が膨らみ、マージンコール(追加担保の拠出)を求められた。北欧各国の政府は電力会社の資金支援に乗り出した。

こうした取引は十分に監視されてきた分野ではない。急激な金利上昇や価格の急変動が、思わぬ危機をもたらすリスクがあることがあらわになった。スワップなど店頭デリバティブ(金融派生商品)の取引残高は想定元本ベースで600兆ドルと巨額で、幅広い分野で利用されている。

市場の収縮は、政府や企業の資金調達を難しくし、低金利下で膨張した世界の債務問題に火をつけるリスクもある。

信用力の低い低格付け社債の利回りは米国で平均9.5%、欧州で8%と1年前の2~3倍に跳ね上がった。企業は社債発行ができず、昨年までに調達した「貯金」でつないでいる状況だ。

過剰投資で債務が膨らんだ中国の不動産会社の低格付け社債も買い手がつかない。「政府支援でシステミックリスクは回避できても、海外発行の社債の45%は今年、債務不履行(デフォルト)の見込み」(米ゴールドマン・サックス)という。

新興国もドル建て債で資金を得にくくなり、ドル高で実質的な債務負担も膨らんでいる。FRBのブレイナード副議長は9月30日、「(新興国など)金融の脆弱性に注意を払っている」と語った。引き締めを緩めてはインフレを退治できず、急ぎすぎれば危機を勃発させかねない。かじ取りは難しくなっている。

日本では日銀が金融緩和を継続し、債券価値の低下は小幅だ。日経平均株価の4~9月の下落率も7%にとどまる。ただ、すでに外債投資が難しくなるなど影響が出ている。危機が浮上すれば景気悪化も回避できない。(古賀雄大、井口耕佑)

【関連記事】

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【米国市況】S&P500が月間で20年3月以来の大幅安-ドル144円後半 2022年10月1日 6:14 JST ブルームバーグ

2022-10-02 05:41:18 | 日記

【米国市況】S&P500が月間で20年3月以来の大幅安-ドル144円後半
Peyton Forte、Vildana Hajric、Isabelle Lee
2022年10月1日 6:14 JST ブルームバーグ

30日の米株式相場は続落。S&P500種株価指数は月間ベースで2020年3月以来の大幅下落を記録した。インフレが抑制されるまで利上げを継続するという米金融当局の姿勢が示されると相場が下げるという展開が続いている。

  ドル・円相場は1ドル=144円台後半。対円でドルは月間ベースで4.2%高、四半期ベースでは6.7%高となった。

米株は続落、S&P500は月間で20年3月以来の大幅安
米国債は下落、10年債利回り3.82%に上昇
ドル指数、四半期ベースで16年以来の上昇-ドル円は144円後半
NY原油は続落、見通し暗く四半期では2020年以来のマイナス
NY金は小反発、米国債利回り低下と地政学リスクで

  S&P500種は四半期ベースでは3期続落と、2009年以来最長の連続安となった。先週の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合で3会合連続の大幅利上げが実施され、金融当局者がさらなる痛みを相次ぎ警告する中でリスク資産は売られている。

  この日のS&P500種は前日比1.5%安の3585.62。ダウ工業株30種平均は500.10ドル(1.7%)安の28725.51ドル。ナスダック総合指数は1.5%低下。

  米連邦準備制度理事会(FRB)のブレイナード副議長は、借り入れコスト上昇が世界的な金融安定に与えるリスクを警戒する必要性を認めながらも、インフレを抑制するため米政策金利をしばらく高く維持する必要があると述べた。8月の米個人消費支出(PCE)価格指数は市場予想を上回る伸びを示した。

ブレイナード副議長、時期尚早な巻き戻し回避にFRBはコミット (2)

米インフレ指標のPCE価格指数、予想上回る伸び-消費支出増加 (2)

  インタラクティブ・ブローカーズのシニアエコノミスト、ホセ・トーレス氏は、「金融情勢のタイト化と金利上昇が景気を鈍らせ、金融の安定を脅かす中、投資家は世界の中央銀行のハト派・タカ派度合いがどう推移するのか知りたがり、神経をとがらせている」と語った。

  米国債相場は下落。終盤に月末特有の売りがかさんだ。ニューヨーク時間午後4時18分現在、10年債利回りは3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の3.82%。

  外国為替市場ではドル指数が上昇し、四半期ベースで2016年以来の大幅高となった。PCE価格指数の発表後、米追加利上げ観測が強まった。四半期末のポジション調整や原油下落を背景に、資源国通貨は比較的振るわなかった。

  主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.2%上昇。ニューヨーク時間午後4時18分現在、ドルは対円で0.2%高の1ドル=144円79銭。ユーロは対ドルで0.1%安の1ユーロ=0.9807ドル。

  ポンドは対ドルで一時1%余り上げて1.12ドル台を回復したものの、その後上げ幅を縮小した。トロント・ドミニオン銀行の為替戦略グローバル責任者、マーク・マコーミック氏は「英資産に対する信頼失墜と対外純投資ポジションの弱さを反映し、ポンドは短期的に状況がさらに悪化する可能性がある」とリポートで指摘した。

  ニューヨーク原油相場は前日比で大幅続落し、バレル当たり80ドルを割り込んで引けた。四半期ベースでは25%近く下げ、約2年ぶりの四半期マイナス。タイトな供給が懸念されている一方で、世界的な景気減速への警戒と強いドルが原油売りを誘った。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物11月限は、前日比1.74ドル(2.1%)安い1バレル=79.49ドル。ロンドンICEの北海ブレント月12月限は2.04ドル下げて85.14ドル。

  石油輸出国機構(OPEC)はこれまで、価格を防衛する意欲を明らかにしている。OPECと非加盟産油国で構成される「OPECプラス」は減産を協議しており、決定すれば価格下落に歯止めをかけ、市場の方向性をより鮮明にすることが可能となる。RBCキャピタル・マーケッツからJPモルガン・チェースに至るまで、アナリストらは日量50万バレルから100万バレルの減産が決定する可能性があるとみている。

  CIBCプライベート・ウェルス・マネジメントのシニアトレーダー、レベッカ・バビン氏は原油相場が「重い足取りで四半期を終えた」と指摘。「次の動意材料は来週のOPECプラス会合だが、それまでは方向感が定まらず、ドルの動きに一喜一憂する展開になりそうだ」と述べた。


  ニューヨーク金相場は小反発。米国債利回りの低下に伴い金相場は一時0.9%上昇したが、ドルの根強い堅調が上値を重くした。週間ベースでは1%上昇。ロシアのプーチン大統領がウクライナの一部地域併合を強行し、地政学的な緊張もくすぶり続けている。

  サクソバンクの商品調査責任者、オレ・ハンセン氏は「金は地政学的な懸念に支えられている。核兵器に関するプーチン氏の脅しはその一つだ。投資家は米連邦公開市場委員会(FOMC)のタカ派的な行動とそれが通貨と国債市場に与える打撃について、不安を強めている」と述べた。
Gold gains as Treasury yields continue to retreat from peak
金スポット価格(白、左軸)、米10年債利回り(青、右軸)
出所:ブルームバーグ

  ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は、前日比3.40ドル(0.2%)高い1オンス=1672.00ドルで終了。ニューヨーク時間午後2時30分現在のスポット価格は、前日比0.2%高い1663.81ドル。

原題:S&P 500 Closes Quarter at Lowest in Two Years: Markets Wrap(抜粋)

Dollar Gains, On Pace for Best Quarter Since 2016: Inside G-10(抜粋)

Oil Sinks to First Quarterly Drop Since 2020 as Outlook Darkens(抜粋)

Gold Set for Best Week Since July as Yields Retreat From High(抜粋)