この頃高齢者ドライバーの、どうやら加齢による判断ミスから起こった事故の報道を、
よく見かけるようになったように思う。
私は自他ともに認める「運転がへたくそ」
地図を読めない女の典型で、方角も判断できにくい。
なので、以前から65くらいになったら免許は返納したほうがいいだろうと考えている。
その時の状況や環境にもよるだろうが、
私がこの後過ごすであろう東京にしろ札幌にしろ、買い物に出るのに不便を感じる土地ではない。
その考えを守ろうと思う出来事に先日出くわした。
洗剤が切れてしまい、買いだめをしようと安売りをしているホームセンターまで車で出かけた。
空いている場所に停めようとして隣の車の状況が気になった。
前から突っ込んであるのだが、とても急いで停めたらしく大きく傾いていた。
その車をさけるように反対側にいくらか寄せて車を入れた。
降りてから、もみじマークに気がついた。年配の方がこんなにワイルドに・・・?と思った。
女の性で、洗剤だけでは済まなくて広い店内をとりあえずゆっくり眺めて出てきたら、
お隣さんが車を出していた。
運転していたのはどう見積もっても80代だろうと思われる男性。
どうしたわけか隣に停めている私の車の前で停車、そのまま動かなくなってしまった。
困ったなあ・・・と、思いながら荷物を車に入れて運転席に、と、
お店の方からよたよたと同年代の女性の方が、その車に向けて歩いてくる姿が目に入った。
ああ、ご夫婦なんだなあきっと、優しい旦那様が奥様が来られるのを待っていらっしゃるんだ…
といくらか自分に「年寄りには優しく」と言い聞かせながら、その乗車を待った。
だがその間もその白い車をよけながら出口に向かう車が次々といた。
私が待っていることに気がついたらしく、運転の男性は女性に急げと言っているようだった。
「焦らなくていいから」思わず声に出た。
ここの駐車場は長方形をしている。短い方の辺にそれぞれお店があって、長い辺の両側に入り口と出口が
一か所ずつ向かい合うように設置されている。
ようやく出発したその車のお尻につけて出口に向かったが、ちょっと様子がおかしい。
右の出口にむかうのか、左の出口に向かうのか、
それにここは一方通行ではないから対向車が来るのだが、左に寄せるでなし真ん中をとろっとろっと進んでいく。
私の運転の技量では何かあったときに対応できないので、とにかく車間距離を置いてついていった。
そして、出口に向かって曲がるべき場所からはるか離れた場所に停車して、そのまま動けなくなっている・・・ように見えた。
他の場所から出口に向かう車は、とっとと先に割り込んでいく。
合流できなくて焦りまくるあのCMさながら、困り果てた空気が流れていた。
「どうするつもりなの?大丈夫?」
と、いきなりバックしだしたのだ!
私はこういう人間だから、ホーンを鳴らすという場面がなかなかない。
一瞬のことでホーンの場所を探したくらいだ。
車間距離を開けていたからぶつけられなかったが、それでも進んでくる。
ミラーを見ると後ろにはぴたりと後続車がいた。
たまらずぽんと鳴らしたが、止まらない!焦った!!
やめてくれとばかりに、ぶわああああああと鳴らした。ようやく止まってくれた。
本当にほっとした瞬間だった。
いやだよ!ああいう年寄り相手に修理代を請求しなければいけないなんて!
あの方には悪いけれど、ここら辺で暮らしているのであれば免許返納したほうが絶対いい。
どこかで必ず事故を起こす。
そしてきっと私もああいう感じになる!
うん、やっぱり免許は早いうちに返納すると決めておこう。
年取ってそれすらも判断できなくなる前に・・・と決めた出来事だった。