トウリーディングのティーチャーである沙織さんが2月からLAに滞在していてつい先日帰国されました。(帰国後は2週間の軟禁生活だったようです。)
約3ヶ月半の滞在中にハリウッドのアクターコーチであるイヴァナ・チャバックの講師認定試験を無事クリアされ、晴れて認定講師となってこの6月からオンラインでの講座を開始されるとのことで、私は以前から待っていたので早速受講することに。
今日は、講座開始に当たりシェアリングの会がzoomで開かれ、まぁなんとたくさんのパワーをもらったことか。
なぜ音楽に演技術が必要なのかと不思議に思うかもしれないけれど、イヴァナのテクニックは、自分自身をいやというほど深掘って行った先の表現というところに価値があって、別の誰かになるために演奏したり演技したりするわけではないというところが大前提です。きっと全てが共通していると思う。
今日のシェアリングのミーティングには俳優さんやセラピストさんやいろんなバックグラウンドの人が参加してました。
イヴァナのテクニックには表面的なことが許されず、沙織さんもかなり苦労され、(心を深く掘っていく中で)涙を流し、ハードワークの末に講師認定されたとのことでした。
アクターは(芸術家はと言い換えてもいいかもしれない)、自分の生きている全てをよくしようとする人。できるかどうかではなくて、やるかやらないか、ただそれだけなのです。
夢のためにつまらないアルバイトをしているかもしれないし、苦手な人もいるかもしれない、
けれど、自分が関わるもの全てを楽しいものにしていくということが俳優の(そして芸術家の)仕事。
お蕎麦屋さんのアルバイトをしながら俳優さんの仕事をしているという参加者の方への
「アルバイトの時も、このお店を世界一にするというくらいの気持ちでいるべし」との言葉が印象的でした。
演技している時だけ、演奏している時だけ、歌っている時だけが楽しいのでは全く意味がなくて、人生全てにおいて自分にウソなく、何かすごいと言われるものやすごい人に依存することなく、人とつるむことなく、安易なものに逃げることなく
自分の傷害をどれだけ餌にできるかということを学びます。
私にできるのかどうか分からないけれど、やってみる。トライしてみる。ただそれだけです。
昨今、コロナウイルスの影響による芸術家の支援の話を最近よく聞きますが、
政府は何をもってその人を芸術家と認定して給付金を支給するのだろうといつも考えます。
有名だからと言って芸術家とは限らないし、エンターテイナーと芸術家の違いってどのように定義しているんだろう。単に収入が減ったから支援しますということなら、芸術家のため云々は余計ではないかなとか。
芸術家って、単なる技術やキャリアではなく、どう生きているのかというところが問われる職業(と言っていいのか)だと思うからです。
まだまだ声が戻らずマイナスからせっせとヴォイストレーニングに励んでいる状態なので、私とは全く土俵が違う話ではあるけれど、
芸術とはなんだろう、芸術家とは誰のことなんだろうって、よく考えます。