Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

VICTORIA 0302

2019-01-21 22:38:00 | トム・ヒューズ


めまぐるしい勢いのエピ1の出来事が着々と転がるエピ2です。

ヨーロッパ大陸の革命の波が押し寄せるかのように選挙権運動の高まるロンドン。

退位して国を逃れてきたフランス王も大人しく黙ってればいいものを、王女や皇太子にギロチンの話などして、女王の好意を少しは考えてくれ・・・な王様。

この国を統治するのが私の運命、と子供の頃から心してきたヴィクトリアらしく、ロンドンを、王宮を去るのは君主らしくないと産後まもないというのに悩む女王様と見守るアルバートの美しいことよ。。。仲良きことは。。。

王室一家の安全確保のためワイト島へ逃亡するのはどうしても気が乗らないヴィクトリアを、首相、外相、そして家族を守りたいアルバートが説得してついに首都から逃げ出す女王一家でした。

選挙権を求める署名を運びながら行進する労働者に一旦は銃を向けた軍隊でしたが、ヴォクトリアの命により通行を許されます。

ワイト島にて暴動はなかったことを知らされたヴィクトリアは、逃亡してきたことを後悔するのでした。国民を裏切った良心の呵責ですね。

次回、「やっぱり私の言った通り大丈夫だったじゃないの!!」とアルバートにあたらないよう祈っておりますよ〜〜〜!

そうそう、バーティ皇太子とヴィクトリア王女の葛藤も、歴史として読んだことはあるけれど、こうしてドラマで見ると生々しいですね〜。なんでも出来が良くて将来の君主にふさわしくても女子だから出来の悪い皇太子より王位継承権が低いジレンマ・・・

お産で叫ぶママの部屋を覗き見して「ママ死んじゃうの?」という弟に「もし死んだらあなたに王冠が来るわよ」と常に王位に執着する長女ママそっくり。

でも順位は低くても日本のように継承権がまったくないよりはまだ人間扱いされてますが。

そして「下がってよろしい」と女王に嫌われてたパーマストン、ヴィクトリアの美人女官(?何担当だったかな)のモンマウス夫人を街で救ったことで女王の心を少し開きました。そういうとこ、ヴィクトリアって合理的な性格ですね。パーマストンも女王に嫌われてもちっともめげない図々しさなので、このふたりがタッグを組めば最強な予感です!


VICTORIA 0301

2019-01-15 12:57:00 | トム・ヒューズ


大好きな「VICTORIA/女王ヴィクトリア愛に生きる」のシリーズ3が米国で放送されました。
今回はイギリスよりも早いです。
日本ではまだ1のみ放送済みですが、NHKさんぜひ2以降も放送してください~

待ちきれない私めは初めてアメリカ PBSの方から視聴を試みたところ、
見られました?!例のサービスを利用しました。英語字幕も出ます。

でね、おもしろいですよ~~
1と2よりも盛り沢山なオープニングに苦笑しながらも、史実ベースですので「こんなんありえんでしょ!」と言えません。あったのです。

字幕出してもわからない単語も盛り沢山だったのですが、まずはドラマのテンポを優先して一通り見た感想を書きます。細部はまた今度ということにして。

ネタバレながら行きますので、ご注意ですよ。









はい、まずフランスの革命からルイ・フィリップ王が逃げ出します。この王様はフランスの最後の王で、革命は革命でも例のオスカルのではなく、その後ナポレオンの第1帝政後に立憲君主国となったフランスの王様でした。あのころ王政と帝政と共和制が何度も入れ替わり迷走していたんですね。ルイ・フィリップの人生も亡命や戴冠や激動の人生。

この王様がまず助けを求めてヴィクトリアのいるロンドンにやってきます。

このころイギリスでは労働者が選挙権を求めて運動中で、宮殿にも押し寄せて来てます。通信手段に電話もない時代ですがちゃんとフランスでの出来事もイギリスの労働者階級に伝わってるんですね。

でもヴィクトリアはまだ時代を甘く見ていて、侍女の友人のたったひとりの言葉を信じ、国民が欲しいのは選挙権であり、自分の首をはねたいわけではない、と逃亡を促すアルバートや側近の言葉を退けてるうちに、暴徒に囲まれた宮殿で産気づいてしまいます。

ちょっと面白いな、と思ったのは、フランスでは「貴族VS平民」と階級をよく言いますけど、イギリスって「平民」と言わずに「労働者」と言いますね?!

しかもドラマ中、working menという言葉に、working womenはどうなの?って21世紀らしいセリフも入ってます。当時そういう会話があったかは不明ですが。そう、働く女性は現代だけでなく昔から存在していましたものね。それなのに女性の権利はなかったのか。

この革命の波が大陸から押し寄せている(アルバートの兄の統治するベルギーでも革命が起きたと言ってました)間に、イギリス議会では首相よりも幅を利かせている外務大臣パーマストン卿がその図々しさ粗々さでヴィクトリアの反感を買う。強気な人は強気な人を嫌うもんです。

パーマストン役はモース刑事シリーズの「ルイス警部」のハサウェイことローレンス・フォックス。使用人に「宮殿の女性を隠しておかなくては」と言わせたくらいのレディキラーのようですよ。そしてPBSサイトによればそれは史実だったそうです。ウフフ。

この時点でヴィクトリア&アルバートには6人の子供がいて、賢くそつがない長女ヴィクトリアに対し、皇太子アルバート・ジュニアは軽率で癇癪持ちだった様子が出てきます。あの時代は年長でも女子は男子に継承権を優先されていたので夫婦が長男に頭を悩ませていたのは有名な話。でもジュニア、素直でかわいいんですけどねー。叔母さんに「あなたが将来キングになるのよ」と言われても「ちがうよー、イギリスはクイーンの国だもの~」と言っちゃうし「かぶってごらん」と言われても「王冠は女の子のものだよ~」と言う皇太子にはアルバートもピクッとなってました。。。^^;

そのジュニアの叔母さん=ヴィクトリアの父違いのお姉さんがまた微妙な人で、ヴィクトリアが最後に会ったのが8歳でも9歳年上の叔母さんはいろいろと昔のことを覚えててそのことを話して血のつながりを強調するんですよね。でも小さかったヴィクトリアにはあまり記憶がないし、ヴィクトリアのイングランド王冠は父系からのものだから母が同じでも父が違う姉妹の事は、はっきり言って忘れてた存在。

フランス王だけでも厄介なのに、このご時世で命からがら身を寄せてきた姉妹も拒めず、国民は自分の存在を否定していると知った女王さま、とりあえず産まれかかってる子供をどうにかしないと!ってクリフハンガーは女性ならではですね。

ところでヴィクトリア調のドレス、豪華な夜のドレスよりも昼の清楚な花柄のコットンと思われるのはかわいいですね。この世の豪華なものは全てヴェルサイユに通ず、ってわかるけど、かわいらしい小花柄やコットンなどはイギリスのが洗練されてカジュアルで今でもデザイナーズプリントに生きてるな~と思いました。



VICTORIA クリスマスSP2017

2017-12-28 11:01:00 | トム・ヒューズ


クリスマス当日までの数日間を描いたスペシャル番組。

クリスマスといえば欧米では1年のうちでも最も家族に関わるシーズンならではの心に触れるエピソードでした。

ヴィクトリアとアルバート、それぞれが幼少の頃のクリスマスの思い出に今でも縛られていて、それぞれが「いちばん良い選択」をしているつもり。

そして夫婦だけでなく、叔父さんとか、自身の親とか、兄弟も大きい意味で家族。

解決できない問題もあるけど、それでも痛みを抱えながらも人生が先へと進めるのが幸せなのでは・・・

といちばん思わせたのが、アルフレッド卿とミス・コーク。

完璧な絵のような幸せでなくてもいい、

ということをシンボリックに見せていたのが、ヴィクトリアがアルバートにプレゼントした自分の肖像画だったのかな。

奴隷制度と植民地問題、それから新しい資本主義経済と新しい階級移動の夢もチラリと挟み、時代を匂わせた良い造りのエピでした。


しかし日本テレビ放送はどうなるのかな。シリーズ2もこれからだったら、ちょうど来年のクリスマスに合わせたらいい感じで見られると思うんですけど。

ENDEAVOURモースもEテレで放送が決まったNHKさんに期待します❤️


VICTORIA 0208

2017-10-20 22:43:00 | トム・ヒューズ
一つ一つの出来事は文字どおり小エピソードふうなヴィクトリアのドラマですが、早くもシリーズ2が最終回となりました。

ヴィクトリアとアルバートの力関係の緊張も、夫婦とはいえお茶の間感覚一切なくていつも真剣勝負なので面白いし、

ジェナ・コールマンってドクターに出てた時は「顔は可愛らしいけど濃くて現代ふうじゃないし背も低そうな日本人ぽい体型でイギリスの女優としてはどう?」と思っていたのですが、それが見事にこの役にぴったりで、すごいキャスティングだと改めて唸りました。

レオポルド叔父さん役のアレックス・ジェニングスがいつも通り善人なのか悪人なのか、頭がいいのか悪いのかわからない、複雑な役柄でとても好き!

しかしよく考えてみると、英国ドラマってほとんどの登場人物が善人でも悪人でもないから面白いのかも。

V&Aの愛は史実として、多少のハラハラはあっても安心して見ていられるのですが、

予想外のロマンスでかなりドキドキしたのがこの人でした。

ロード・アルフレッド。

このシーンには胸にメガトン級の重りがズーン・・・・







彼はドラムンドと長いことお互いを意識した後、やっと心を確認しあったというのにドラムンドの将来を考え結婚を促したことでディナーが台無しに。

デートのやり直しとして、レストランで彼を待つアルフレッド。

彼は来れません。

ドラムンドというロバート・ピールの個人秘書は実在の人物でしたが、実は時代が若干ずれていて、アルフレッドがヴィクトリアに仕える前にすでに暗殺されてたとThe Radio Timesに書いてありました。

ですのでこのロマンスはドラマのオリジナルということですね。

それでもアルフレッドが可哀想で可哀想で、これからのシリーズで彼をなんとか幸せにしてあげて欲しいです。

あと、もうひとりの気になる行方はアルバートのお兄さん。やっと意中の女性と結婚できそうな時に、性病が治っていなかったことが発覚。う、これはどうなる・・・恋愛も大切だが、彼は公国の元首エルンスト二世。当時梅毒はすごい勢いで欧州に広まっていたとの歴史があるけど、身分の高い人の場合って病名は伏せられたんだろうか。

私の気がかりはそういう不幸に見舞われた明るい男たちだけれど、

12月にはクリスマススペシャルでV&Aにまた会えると予告編が出てました。
あとたったの2ヶ月、楽しみ!





VICTORIA 0207

2017-10-09 11:52:00 | トム・ヒューズ


女王狙撃未遂事件を受けて、武装パラソルなるものを発明してきたアルバート。

キングスマンならぬクイーンズマンですか?!
とみんなに言いたいけど、果たして「キングスマン」と「女王ヴィクトリア」の両方ともファンな人ってどれくらいいらっしゃるのでしょう?!

傘を女王の前で広げて、「これね、僕がデザインしたんだよ。甲冑のチェーンを縫い付けたから。色も君の好きな紫だし、使うでしょ。」

イギリスでは傘を家の中で広げるのは縁起が悪いとされているので、「ここで開くのはお止めください!」という家庭教師レザン。アルバートに「迷信だよ」と言われても、木製のテーブルをコンコンと叩いて、悪いことが起こらないようにするおまじないのtouch woodをしたのが笑えました。


そして暗殺未遂容疑者は逮捕されても女王周りの警備は厚くなり、ヴィクトリアはその窮屈さからスコットランド行きを思いつきました。

前のエピでもアイルランドに行こうとしたし、よくヴィクトリア女王の性格は直情型と書いてありますけれど、ちゃんとドラマでもそう描かれてるんですね。

今のエリザベス女王は夏はスコットランドのバルモラル城に滞在しますが、まだこの時代は王家のものではなかったと見え、なんとか公爵様のお屋敷を訪ねました。



ハイランダー達のプライベート軍隊を持つ公爵様のお出迎え。

キルトとカラフルなハイソックスにベレー帽、いつ見てもいいものですね!!
「アウトランダー3」も早く見たい。日本では明日からフールー配信ですよ!



外観は質素なお屋敷ですが、お部屋の壁には鹿の頭がズラーーーリと並べられて圧巻です。椅子の張られた布もスコットランド国花のアザミ柄だし、日本のデパートの英国展のようですがこちらがオリジナルです。

そしてスコットランドでも、どこへ行くにも目が覚めても、バグパイプに囲まれた生活に窮屈を感じたヴィクトリア&アルバートは、釣りに出かけた帰り道に、乗馬をして道に迷ってしまいます。

馬に川を渡らせ、霧が立ち込める見渡す限りの森と草原・・・

ああ、2年前に1人でバスに乗ったスコットランドを思い出す寂しさよ。夏は日が長いと油断してると9時過ぎには暗くなって、ショッピングモールと町の間は見渡す限り緑ばかりで自分が降りるバス停はどこだかわからなかったあの恐怖。

私たちは歴史上、女王夫妻がこの後も無事なことを知っているので、心配したのは女王をお世話している公爵様です。あ〜あ、お気の毒。

そして一緒にロンドンから来た側近の人たちも責任を感じてまんじりともできずに一夜を明かすのですが、

女王たちが見つかり、解放された喜びにあふれた戸外のパーティーの片隅で、私がかねてから目をかけていたメンズチームが、

喜びにとどまらず愛を見つけあう一幕が用意されているとは・・・!!!

その美しいチームは、どういう人たちなのかドラマでは初登場のシーンなど皆目覚えてないのでこの機会にやっと調べてみましたが、

イギリス中の注目と見えて記事になっていたから楽に突き止められました。

アルフレッド卿は軍人で議員でもあり、女王の廷臣、私的には容姿も良いのでアントワネットのオスカルのようなお気に入りの近衛兵的な存在かと思ってました。

かたや、エドワード・ドラモンドは首相ロバート・ピールの個人秘書。なんでそんな人が首相ではなく女王の周りにいつもいるのかと不思議ですが、いわば女王が勝手なことをしてないか首相が遣わしたお目付役かと思うんです。それで女王に疎まれにくい美男の若者を送ったと。

で、エドワードは婚約者がいて、アルフレッド卿とはよくその話題になってたのですよね。その時は、2人はプライベートなことも相談しあえる親密な友・・・男社会ではあまりない本音を言える関係なのかと微笑ましく見守っていたのですよね。

それで、今回の、宮廷を離れたスコットランドの空気の中で、美しい美しいキスシーンが投入されたのでした。

「アナザー・カントリー」「モーリス」に並ぶ愛のキス・・・胸が苦しくなるのはこの時代まだそれ自体有罪行為だったからですね。

その2人を見つめるミス・コーク。このお嬢さん、以前はアルバートのお兄さんにも恋してたし、いつも叶わぬ恋。