Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

「ナポレオン」「メモリア」

2023-12-01 19:12:32 | その他の映画・ドラマ・舞台

リドリー・スコットの新作「ナポレオン」を初日に見てきた。昔ナポレオンには思い入れがあって、パリ郊外にあるジョゼフィーヌが晩年に住んだ館マルメゾンやローマのナポレオン博物館にも行った身としては先入観なしに見たかった。

映画は正統派らしくフランス革命でマリー・アントワネットがギロチンにかけられた処刑場にいた若き日の一将校時代から始まり、彼のターニングポイントとなる戦争を描きながらフランスの国の移り変わりと最初の妻ジョゼフィーヌとの愛の歴史がエルバ島への流刑まで時系列で語られる。

私の思い入れはナポレオンだけではなく、hedgehogさんに教えてもらったオーディオドラマ「warhorses of Letters」のおかげで彼とウォータールーでの敵指揮官ウェリントン公爵の馬、マレンゴとコペンハーゲンにも多大なる思い入れがあったので、その視点からは、最悪の映画であった。良くも悪くもリアリティを追求しているので軍馬への仕打ちも見せられるからだ。あう・・

ナポレオンの肖像画は多く有名なものが多いが、映画にはそれらがそっくり現実が再現されて、これは予算の許される巨匠にしかできないよね!という感動はあり、またホアキン・フェニックスがナポレオンに元々似ていたとはさっぱり思わないのに、見ている時間の経過と共に段々と肖像画にそっくりになってくるのには驚いた。

しかし、それなのに、ああそれなのにマレンゴとコペンハーゲンは名前さえ一度も登場しないし、そこは歴史画や肖像画にも堂々と登場してるんだからもう少しスポットを当ててくださいよ〜

でもジョゼフィーヌ皇后役のバネッサ・カービーは好きなので、ナポレオンのファム・ファタールとして描かれていたのは良かった。ただ彼女が美しいのは見れば分かるけど、それ以外の、一応貴族なんだけどどこかぶっ飛んだところがあるアウトローな部分も見せて欲しかったな。そうすれば支配階級=貴族中心の上流社会で田舎出身の粗野な男が心の拠り所にしたことがもっと分かったのではないかな。

大作に相応しい巨大スクリーンのIMAXシアターで見てきてスケールの大きさもガッツリ美術も衣装も戦闘も宮殿の豪華さも堪能できた・・・そして分かったんだけど、私が今、見たい映像って、もうそういうものじゃないのかな。

18世紀フランスの軍服は美しいと改めて思ったものの、かつてそういうものに萌えた私はどこかに行ってしまった。帆船が登場したことで、今家で見てるドラマ「海賊になった貴族」を思い出して、あれで充分です、と思っちゃった。

イングランドのウェリントンは、ナポレオンを破って一躍人気者になり、彼の博物館もロンドンのマーブルアーチに見に行ってそれはとても楽しかった。はい、オタクの愉しみとして歴史は楽しめるけど、自分が若かった頃には憧れだったヨーロッパの貴族文化には自分がかなり冷めていたことに気づきました。ウェリントン公爵はルパート・エヴェレットが演じたけど全然魅力はなかったし、チャラいロシア皇帝がちょっと可愛かったくらいで私の俳優の好みがリドリー大先生には合わないからかしら。

あと重箱の隅ですが、フランス軍も英語なので、ウォータールーの戦いではイングランドなのかフランスなのか混乱しました(笑 でも潔くフランス語訛りの英語とかではないのは良かったかも。オーストリアやロシアの皇帝たちも劇中では英語でしたが、きっと現実にはかつての公用語はフランス語のはずですよね。

 

それと最近見た映画(配信ですが)にティルダ・スウィントン主演の「メモリア」があります。

これがとても変わった映画で、ティルダ様なので頑張って眠気と戦って見て、クライマックスでミステリーの謎解きのシーンではぶっ飛びました。

ずっとスパークスの絵を描いて映画やドラマに集中できない日々が1年以上続いてきたけど、今スパークスが10月のオーストラリア公演を最後にワールドツアー後の休み(でも働き者の彼らのことなので映画制作など別の仕事してると思われ)に入り、私もずっと放ったらかしにしてたそれ以外の事もちゃんとやらなきゃなという気持ちになってます。でもちゃんとやらなきゃってのが映画ですかね?

 


夢見るピーターの七つの冒険

2023-10-29 18:28:57 | いろいろ

またまたブログを放置していて、時間があれば絵を描いていたが、そもそも今月はイギリスの友達が別々に2人遊びに来てくれたので仕事の休みをそれで使ってしまい兎に角時間そのものがなかった。舌がピリピリして何か悪い感染症にかかったのではないかとビビりながらも時間がなくて2週間たってようやく口腔外科にかかったら、乾燥して炎症になったらしい。「よく噛んで唾液を出して食べてください」と言われて気づいたけど、私はすごい食べるのが早いのできっと噛んでない。食べてる時間が勿体無いのだもの。

そんなで久々に読みたい本が目に留まって読んだのがこちらの児童書のような誰でも書。

夢みがちな子供の視点らしいので、親近感あるなあと興味を持った。そしたら期待以上にキュンとしてしまい、ついに放置ブログに書き留めておくことに。もはや本当に自分用記録だ。

11歳の男の子の主人公が子供ワールドはこんなに楽しく冒険に溢れてる・・・と言うような、イーニッド・ブライトンの冒険児童文学みたいなのでちょっと頭でっかちな大人びた夢みがちな子バージョン(私はそういう子供だったので)かと思っていたのだが、

ところが!予想の斜め上を行った部分があって、子供特有のおもちゃや泥棒の世界に入り込んでしまうと言うのの他に、ネコや大人や赤ちゃんの身体に子供の魂として入ってしまうというエピソードがあった。もちろん子供の魂なのに猫や大人の心も持つと言うのは不思議ではあったが、体に入ると言うことは脳や神経に入ると言うことでもあって、猫や大人の感覚も持ち合わせるのかな・・・などと辻褄合わせも脳内でしたけれど、その体験だけが書いてあって、夢から覚めるとちゃんと子供の身体に戻ってるのだけど、他の身体に入った時の記憶もあって、そしてまた日常は進んでいく・・・という淡々としたストーリー。

淡々としていながら、11歳の子の頭の中はどんどん他の世界も取り込んで、そしてまた新しいことが次々と起こる(日常のことなのだけど)のでどんどんその感覚も脳の片隅に追いやって生きてゆく。これはタイムマシンと超能力の話にも思えるけど、子供の頭の中で起こっていることとして書かれていて、大人が読んで子供の頃はそうだった時間がたっぷりあったな・・・と懐かしむこともできればまた、あれから自分は何も変わってないとも思え、それを超えて生き物の世界は悪くない、と肯定感に満たされるのでした。

とは言え、子供の視点を思い出して気づいたことは、やらなくては・・・と大人としていつも時間に追われているけれど、それはできるだけ放棄したほうが幸せなんじゃないか、ってこと。すでに掃除とか片付けとかすぐやらなくても生活にすぐ困るわけではない家事は放棄して絵を描いてるんだけど、あとは一体何を放棄できるのか。

 


Sparkstember2023

2023-10-06 09:53:43 | スパークス

9月がスパークスファンアートの祭りだったため8月の終わりから「絵を描いて寝て仕事行って」のみをほぼやって生きてました。その間娘が一時帰国してたり父を訪ねたりもあったので、1ヶ月毎日絵を1枚描いてupするだけなのにすごい集中力が必要だった・・・

もうこちらに1枚1枚投稿するのも保存サイトとしては適切でないのでやめようと思ってたけど、スパークスがまとめ動画に私の絵をたくさん載せてくれたので嬉しくて記念に貼っておきます。

元はと言えば1年前、去年のスパークステンバーに触発されて絵を描き出した私め、公式さんや他の絵描きさん、海外のファン姉御達から反応をいただけたので、まとめに私のも1枚くらい入れてもらえたかな?と思ったら全くなくちょっとがっかりでした。「やっぱりそれほどの作品じゃなかったからな」という素直な気持ちと、Twitterだけで参加したけど動画はインスタベースで作ったのでは?という負け惜しみ分析が同時に私のハートに沸き起こりました。

それから1年、インスタに絵の投稿アカも作り、気づいたら8月までにほぼスパークスのみで130枚(笑)描いてないと死ぬ病に罹ったかのように。

今年のスパークステンバー迎えた時も、3日に1枚のペースで描いてたのに毎日はネタも浮かばないしできる範囲で参加しよう、と思ったのが逆にストレスかからず頑張れたような。最終日は流石に母の四十九日もあって間に合わず10月1日になってから投稿したのですが、ありがたい日本/LA16時間の時差のおかげよ、それもまとめに入れていただけて諦めずに描いて良かった(涙)

1ヶ月間、他の人の作品や文もなるべく見て、自分の絵に頂いたコメントにはリプをして、それまで知らなかった他のアーティストさんのことも知れて刺激を受けて・・・スパークスと絵のこと以外では廃人になりました。

 


エリザベート1878

2023-08-26 16:36:16 | コリン・モーガン

もう一体いつから楽しみにしていたか忘れたくらいのこの映画を、見ました!

始まりはコリン・モーガン、アイルランド人の乗馬教師ベイ・ミドルトン役での出演でした。オーストリア皇帝や従兄弟のバイエルン王もまあ中々にチャーミングな男たちでしたが、コリン=ベイの輝き?貴族の血が流れてない自然の造形美と、禁欲的な服装でも漏れちゃうセクシーオーラは、映画全体をキリッと引き締めていました!

エドガー・ライトもこの映画を大変お気に入りのようなんで、彼の映画にもコリンを出してくれたらいいな!

日本ではシシィ人気とフェミニストに興味ある人にターゲットを絞った感の宣伝もベストだったかなと思われ、私が行った公開週土曜の日比谷の昼の回は程よく席が埋まっていました。ヨシ。みんな、コリンを見た?隣のおじさん、オーストリア勢の女性はどうでしたか?ヴィッキーのファンですか?コリン・モーガン=ベイ、皇帝や歯が悪い従兄弟より笑顔でちゃうの説得力ありましたよね!

しかしこの21世紀的な解釈でも、タバコをスパスパ吸わせる図を執拗に出したのは、現代人には人気の皇女を理想化して欲しくない意図でもあったんですかね。仮にもハプスブルグの宮殿なのに、お付きの女性達も気が休まるような人は1人もいないし、可愛い娘はお堅い皇帝そっくりだし、自分の心を受け継いだ皇太子はまったくプリンスの威厳ないし、エリザベートの暮らしに憧れる要素を一つも描かなかったのすごいです。バイエルン王の3段トレーのお菓子は魅力的だったけど、あれ食べたら虫歯になる呪いも見せつけられたし・・・

して、元Twitter/Xで公式をフォローしただけでちょっと宣伝や感想にお腹いっぱいになってしまいストーリーに感動できなかったのは仕方ないとして、「家族や社会から求められる像と自分の闘い」のことは改めて人類(女性のみなの?)の普遍的な悩みなのかなと思いました。

折しも母の他界で、私はずっと「親から勝手な理想の娘像のプレッシャーをかけられていた、私がやりたいことには全て反対され危うく人生を台無しにされそうだった」と思っていたのに、お寺の住職さんからの「子育てのポリシー」を聞かれた父が「子供のやりたいことを優先させる妻でした」だったことに大大大ショックを受けた私だったのでした。結局反対された事に多大なエネルギーを費やして前に進んだ私の人生、いい歳になっても求めてないのにいちいち意見されて「私の人生は親が死ぬまでコントロールされている」と思っていたのに、「子供の望みを尊重」だって・・

 


2023スパークス日本公演

2023-08-20 14:29:25 | スパークス

5月末のイギリスから始まったスパークスのワールド・ツアーも7月の東京で一応終了となりました。ハリウッド・ボウルで北米ツアーのクライマックスを終えた後に描いた絵がこちら

実はこのツアー・ビジュアルを描いたのは、「垂れ幕」作りの練習でもありました。

「垂れ幕」とは何かと言いますと・・・チケットが発売された時には大阪に行く予定はなかったのですが、イギリスで地方公演も見てきて良かったのでロンドンからマンチェスターに行けるなら、東京から大阪も行けるのではと思いついたんですね、その時は大阪会場もSOLDOUTだったのですが、不思議なことに割とギリギリのタイミングで「残少」みたいな表示になったのでエイやっと購入しました。ラストミニッツでしたので席は期待してなかったんですが、発券したら2階の最前列・・・その時に「垂れ幕」が頭に浮かんでしまったのでした。

スパークス休暇を7/22~25でとっていたので、東京7/22のライブハウスの日の日中とライブのない7/23に「垂れ幕」制作。主催者に見つかったら多分やらせてくれないだろうなあ、でも日本式応援をちょっと味わってもらいたいなあとモニョモニョ考えながら、絶対に2階から落下物が出ないように貼り付けたピースを針と糸で縫い付けた(翌日筋肉痛)。

警備員に見つかったら外せと言われますよねえ、とライブの大先輩姐御に大阪で相談したところ、「アンコールの時に出すのがいいんじゃない?最初からだとライブの途中でも警備員来るよ」とのアドバイスが!さすが!

2階席の最前列というのは、実は左右に2席ずつしかないので、着席した時にやはりぼっち参加でいらしたお隣さんに計画を説明し協力を得ることもできました。

向かって右にめでたく「垂れ幕」を設置し記念撮影に写る事ができました。そして果たしてステージから見えるんだろうか?とずっと心配があったのですが、ラッセルさんが見つけてくれて「It's a really good sign. Cool.」とコメントもいただけた!あああ床に這いつくばって作った甲斐があったというものです(涙)。

下は日本公演での感動シーンを。

全てのライブ終了後に、コラボグッズを制作したアーティストの個展に現れたラッセルさん。

同じくその個展に別々に現れたロンは日傘をさしていた事が目撃され、そこからの妄想。

ツアーとは関係ない絵も通常運転に戻って。2012年頃。ラッセルのパンクヘアが描きたかっただけ。

8/12のロンちゃんお誕生日の絵はちょっと前に描きあげていたので、母の事があっても大丈夫でした。

ワールドツアーには組まれてなかったオーストラリア公演が10月にあるようです。働き者スパークス!