ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

絶望の花

2024-01-18 12:11:59 | 

ある冬の日から突然咲いた絶望の花

それまで育てていた幸福や夢の蕾は

跡形もなく消されていた

 

あの日から何十年が過ぎただろう

絶望の花を始末すれば

俺も死んでしまう

だから彼が生きるに必要な最低限の水と

微々たる肥料を与え続けた

その度に絶望はニヤッと笑うのだ

 

俺は耐えられず、幸福や夢の種を撒く

やがて芽が出ると祈るのだ

「このまま小さな花を咲かせてくれ」と

しかし、それは叶うことはなかった

瞬く間に絶望に食い散らかされてしまうのだ

どこまでも続く絶望の独裁

 

先にくたばるのは俺か絶望か

そんなことを思いながら

今日も黒く巨大なこの花に

生きるに必要な最低限の水と

微々たる肥料を与え続けている

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