放課後の美術室
二人はいつもの椅子に座り、語らない会話が始まる
僕は大人へと色づいていく君を、白いキャンバスに埋めていく
気がつけばもう春の足音が遠くから
桜の花が咲く頃に僕らの制服は散ることになる
この3年の間にどれだけの人が死んだのだろう
病気や事故や自殺や飢餓や紛争や強制労働で
にもかかわらず、僕たちにとっては穏やかな成熟のための時間だった
僕は描くことで、君は凝視されることで
好きと言えなかった
君は美しくなりすぎた
その輝きに僕は怖気づいた
描けば描くほど、伝えたい言葉は遠ざかっていく
だから僕の君への表現の場はここにしかなかった
さよなら
斜陽降る美術室に佇む女神
二人はいつもの椅子に座り、語らない会話が始まる
僕は大人へと色づいていく君を、白いキャンバスに埋めていく
気がつけばもう春の足音が遠くから
桜の花が咲く頃に僕らの制服は散ることになる
この3年の間にどれだけの人が死んだのだろう
病気や事故や自殺や飢餓や紛争や強制労働で
にもかかわらず、僕たちにとっては穏やかな成熟のための時間だった
僕は描くことで、君は凝視されることで
好きと言えなかった
君は美しくなりすぎた
その輝きに僕は怖気づいた
描けば描くほど、伝えたい言葉は遠ざかっていく
だから僕の君への表現の場はここにしかなかった
さよなら
斜陽降る美術室に佇む女神