ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

24年後のラブレター

2013-02-20 20:51:37 | Weblog
男らしさが欠落していて
クラスで目立つタイプでもなく
これといったとりえもない僕を
好きになってくれて有難う

下駄箱に放り込まれていた手紙
手紙をもらってから君ばかり見ていた
からかわれているのかもしれないと思いつつ

そして君と視線がぶつかった
君は驚いたように少し目を見開き
やがて寂しげにうつむき、足早に消えた

何日も経ってから僕も下手な手紙を書き
君の下駄箱に差し入れた

電話をかけた時は手が震えた
観にいった洋画は忘れたけど
スクリーンを真剣に見つめる君の横顔は覚えている

卒業の日
変わり果てた僕は
君に冷たい言葉を浴びせ、泣かせたね

君は僕をとうに忘れただろう
僕は覚えているよ
あの日の青い空も、校舎のざわめきも、君の艶やかな黒髪も

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コメント
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