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旅行記、世相独言

妓生パーティ いろは -ソウル-(異文化体験11 世界貿易センターの旅3)

2011年01月21日 13時05分25秒 | 異文化体験_アジア
(写真はいずれもイメージ写真です)


妓生パーティ いろは -ソウル-  1988.11.20~21

 

 暖かいオンドルの床に座布団が人数分座椅子と共に並べてある。上座、下座は日本と同様。まずはおつまみでビール等を飲んでいると、下座の横のテーブルに豪華なメニューの数々が次から次へと運び込まれ、チマチョゴリ姿の女性達もご入場。これ以上載せ切れないという程の料理の数々が出揃ったところで、全員席を立って、その間に大テーブルが運び込まれる。実はこの時に命運が分かれるのである。各自の席に再度座ると、その隣にチマチョゴリの女性達が一人ずつ座ることになる。
 妓生(きしょう、キーセン)とは、朝鮮国に於いて諸外国からの使者や高官の歓待や宮中内の宴会などで楽技を披露するために準備された女性の事だそうな。

  

 小生の右隣に座り接待してくれるのはSさんという23歳の現代韓国娘。豆腐、蟹、海老、天ぷら、野菜、チジミ、その他様々な一品料理を適当な大きさにして口に運んでくれる。飲み物はビールから焼酎、ウイスキーとなり、彼女達の酒豪ぶりが徐々に分かってくる。ストレートで何杯でもお付合い。それでいて顔色一つ変えるわけでもなく、とことん付き合えば間違いなくこちらが先にダウンするであろう。



 喫煙は彼女達の多くはするそうであるが、お母さんやお客さんの前では喫煙は禁じられているようである。それでも、酔いに任せて煙草を口元に持っていってやると、内緒でと言って吸うのも可愛いものである。

  
                  いろいろな色鮮やかなチマチョゴリ

 これは何?、どんな字を書くの?と、何だかんだ言ってる内に徐々に打解けてくる。自然と身体も寄せ合ってくるというもの。原色に染め上げた色艶やかなチマチョゴリに目も虚ろ。若い世代は日本語を解しないと聞いてはいても、そこは男と女、世界中どこに行っても同じ事。そのうち、ギターを持ったお兄さんがやって来て、カラオケとなる。歌う者、踊るカップル。適度に盛り上がったところで、全員でサークルダンス。その代表歌手がSさん。軽快なリズムの歌に合わせて全員で踊りまくると、お開きも間近。

 「皆さん、どうされますか?」とホスト氏が聞く。一瞬、座が静まり返る。肩のマッサージでもしてもらえばとホスト氏。Sさんが小生に「どうしますか?」とたどたどしい日本語で聞いてくる。「皆さん、相談中」と言うと納得。
 彼女達はこの店に場所代を払って身を置かせて貰い、今日のようなパーティがあるとホステスとしてお客の接待をして収入を維持しているのである。夫々の取り分は分からないが3万円程度だそうな。

 同行のF氏が、小生の相手を痛く気に入っていたようで、旅行中のみならず、帰阪してからも会う度に「貴方の相手はよろしおましたなあ!」と妬まれること、しきり。



 ちなみに、ソウルのキーセン・ハウスでは「清雲閣」「大苑閣」「三清閣」の「3閣」が有名であり、伝統的なキーセン・ハウスで唯一残っていた「梧珍庵」も、2010年に閉店。また2004年には、韓国議会はすべての売春施設を閉鎖し、売春行為を違法とする法改正を実施、これにより妓生は大韓民国では廃止された。



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