鹿児島の自然と食

鹿児島の豊かな自然(風景、植物等)、食べ物、史跡を紹介します。

冠岳とその周辺(1)

2008-06-19 | 風景

いちき串木野市に冠岳があります。
ここは、徐福伝説で有名なところです。
今から2200年前、中国の秦の始皇帝から不老不死の霊薬を求める命を受けた徐福は、この冠岳を訪れ、あまりの美しさに自分の冠を頂上に捧げた、と言われています。
このことから、この地を冠岳と呼ぶようになりました。
冠岳とその周辺の見所を3回に分けて紹介します。


まず、県道串木野樋脇線から冠岳神社を目指します。
ここの渓流には、下流より10代橋~100代橋までの10の橋があり、年代橋と呼ばれています。
これは徐福橋(10代橋)。木製アーチ橋です。


徐福橋の隣にある、同じく木製アーチ橋の仙人橋(20代橋)。


冠岳神社に行く道にある仁王像。
道の両側に対の像があります。
この仁王像は、現在地と神社の間の仁王門にあったものですが、廃仏毀釈で藪の中に捨てられていたものです。


やがて右側に中国風建物の望嶽亭があります。
冠岳を背後に望むところです。


蓮苑。
ハスが植えられています。


中国風庭園の冠嶽園(かんがくえん)。
日中交流を願って建てられました。
入場無料です。


冠嶽園にある除福像。

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スローフード

2008-06-18 | エッセイ
スローフードという言葉がある。
スローフード運動の起こりについては、次の本に詳しい。


「スローフードな人生!イタリアの食卓から始まる」島村菜津著、新潮文庫

著者の島村菜津さんが、スローフード協会本部のあるイタリア北部の田舎町ブラやその他の町を訪ねて、スローフード運動に関わるさまざまな人々を取材して書かれた本である。

スローフードという言葉は、マクドナルドに代表されるファーストフードの対語としてできた言葉である。
ファーストフードが、材料も調理方法も味も画一的で、調理も食べるのも早いのに対し、スローフードは、
・地元の食材や昔から使われている食材を使い
・調理方法も伝統的なやりかたで、時間をかけて
・豊かな自然の中で、ゆっくり味わって食べよう。
という意味をこめて名付けられたものであろう。
言い換えれば、田舎料理、伝統食といってもいいだろう。
また、地産地消という言葉とも関連がある。
地元で取れた食材を地元で消費しよう、というもので、地元産農産物の消費拡大と、流通コストが少なくてすむという利点がある。

鹿児島は、スローフードの宝庫といっていいかもしれない。
南北600kmに渡る地域や島々に、伝統の食材や料理がある。
黒牛、黒豚、いも焼酎、からいも、かるかん、あくまき、各島々の郷土料理・・・
あげれば切りがない。

しかし、これらのスローフードも輝かしい未来ばかりではない。
一つは、作る人が少なくなっている。
かるかん、あくまき、かからん団子などは、我々の親の世代はよく作り、送ってもらったりするが、自分たちが作ることはあまりない。
まして、我々の子供の世代は、まず作ることはない。

また、流通の問題もある。
例えば、桜島大根は、ブリ大根などにすると最高だが、手軽に近くのスーパーで買えるというわけではない。
大きさがネックになっている。
売っていたとしても、あの大きな大根は、我々のような夫婦二人の家庭には持て余してしまう。
地元食材、伝統食材といっても、食べることは少なくなってきている。
これらの伝統食を食べたり作ったりし、子供の世代に伝えていくことが、我々の努めであると思う。
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風本神社のイヌマキ

2008-06-17 | 巨樹・古木
昨日紹介した種子島の伊関から、太平洋岸を南に行くと、現和(げんな)という集落があります。
そこに湊川(6月14日に紹介した湊集落を流れる湊川とは別)が流れています。


太平洋に注ぐ湊川河口。
河口付近の左岸に風本神社があり、その前にイヌマキの古木群があります。


風本神社の参道の両側に広がるイヌマキの古木群。
神社の参道にはよくイヌマキがありますが、多くは1列になっているものです。
ここのイヌマキは、参道の両側に林になって生えています。
その数、数10本でしょうか。


大きいものは直径60~70cm位です。
最近、イヌマキを食い荒らす蛾が発生して、種子島でも多くのイヌマキが枯れていますが、ここのイヌマキは大丈夫のようです。


イヌマキの参道を通り、階段を登ったところに風本神社があります。

種子島シリーズをひとまず終わります。
今回は、種子島の北にある西之表市の海岸沿いの風物を紹介しました。
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木折坂

2008-06-16 | 風景
種子島は平坦な島ですが、標高200mを超えるので、見晴らしのいい高台もあります。
その一つが、伊関にある木折坂です。
昨日紹介した伊関小学校から、高台に登る坂が木折坂です。


木折坂。
坂の上から下を見たもので、左に太平洋が見えます。


木折坂からの眺め。
左に見えるのが伊関小学校で、その向こうの海がカシミア号の乗組員が漂着した海です。


さらに南を眺めたものです。
この付近は平坦な耕作地となっており、右に台地が広がっています。

ところで、木折坂の名前の由来ですが・・・
昔、伊関に役人の娘がいて、男勝りだったので、国上の奥に狩りに行った。
そのとき、帰り道を間違えないように、坂道で木の枝を折って登った。
それから、この坂を木折坂と呼ぶようになった。
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カシミア号紀徳碑

2008-06-15 | 史跡
昨日紹介した種子島の湊川から、太平洋岸を南に行くと、伊関小学校があります。


伊関小学校。


校門に向かって左に、カシミア号の紀徳碑が建っています。
明治18年、アメリカの商船カシミア号が、種子島の東方海上で遭難し、乗組員が伊関と立山の海岸に漂着しました。
このうち、立山にあるカシミア号漂着の碑は以前紹介しました。

9月20日午後10時頃、伊関の古田貞吉は、小学校下の海岸にイザリ漁(夜の漁)に出て、カシミア号の遭難者5人を発見しました。
村の世話役と連携して手厚く介抱しました。
与えた食べ物は、芋、卵などです。
遭難者が浴衣を着る様子は、今でもおもしろおかしく伝えられているそうです。

アメリカ政府は、この人道的措置に感謝し、伊関と安城(立山のある村)の両村に、感謝状、金メダル、5千ドルを贈与しました。
金は両村で二分し、伊関では校舎の増築と奨学金を設け、子弟の教育に貢献しました。
紀徳碑はこれを記念して、明治23年9月20日、5年目の救助日に建立されました。


伊関小学校下の海岸。
この付近に漂着したのです。


この物語が本になっています。
「太平洋のかけはし」(著者:羽生操 発行:八重岳書房)
実家の、亡き父の書棚にありました。
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湊川のマングローブ

2008-06-14 | 植物
種子島で最大のマングローブは、中種子町と南種子町の境にある大浦川河口に広がるものですが、西之表市の湊川にもあります。
昨日紹介した海の近くに、湊という集落があり、そこに湊川が流れています。


湊川河口。
向こうは太平洋です。


河口の少し上流にあるマングローブ。
メヒルギと思われます。
潮が引いた状態です。
この上流にも、川岸に大きなメヒルギが生えています。


河口近くの川岸に生えているアコウ。
多くの気根が集まって大木のようになっています。
民家の庭先にあって、涼しい木陰を作っています。
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湊海岸

2008-06-13 | 水辺の風景
昨日紹介した種子島の西海岸から、東海岸へ行きます。
西之表市の北東に、太平洋に面した湊という集落があります。


これは、湊集落の少し南の海岸で、南方を写したものです。
荒々しい岩場の海岸になっています。
昨日の東シナ海の写真と同じ日に撮影したものですが、東シナ海と異なり波が高く、岩に当たって砕けています。


防波堤に当たって砕ける波しぶき。

種子島の太平洋側は、東シナ海に比べて波が荒く、このため海蝕崖や洞窟が形成されています。
この波はサーフィンに最適で、種子島はサーファーのメッカとなっており、多くのサーファーが移住しています。
東の波がだめなときは、西の波を求めて、簡単に移動できるのも、サーフィンに適している島なのだそうです。
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夕日ケ丘

2008-06-12 | 水辺の風景
離島シリーズが続きます。
再び、種子島です。
種子島の北にある西之表市の西海岸です。


西之表市街地の少し北にある美浜町の海岸です。
きれいな砂浜が続き、かつて海水浴場でした。
今は、浦田湾に施設の整った海水浴場があるので、ここは海水浴場としては使われていないようです。


少し北にいくと、大崎という集落があります。
そこにある夕日ケ丘から北の海岸を眺めたものです。
岩場の海岸が広がり、ミナ(貝)がたくさんいそうです。


夕日ケ丘から南を眺めたものです。
西之表市街地方面を見ています。

この夕日ケ丘から眺める、東シナ海に沈む夕日はそれは美しいそうです。


これは、夕日ケ丘から眺めたものではありませんが、西之表市の西海岸から眺めた、馬毛島の山頂に沈む夕日です。
時間と場所のタイミングが合わないと、この写真は撮れません。
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稲荷神社のアコウ

2008-06-10 | 巨樹・古木
指宿市湊の、指宿港の近くに稲荷神社があり、そこの境内に鹿児島の名木になっているアコウの大木があります。
県道下里湊宮ヶ浜線の脇です。


稲荷神社とアコウの木。
鳥居に覆いかぶさるように枝葉が茂っています。
 幹周り:5.6m
 樹高:13.2m
 樹齢:150年


県道から見たアコウの木。


根元から4本に分かれており、それぞれ多くの気根が絡んでいます。
根は、地表を這うように盛り上がっています。

なお、この近くの指宿港の隣に太平次公園があり、そこに五人番のアコウがあります。
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アンズ

2008-06-09 | 食べ物
3月23日に紹介した、我が家の庭に咲くアンズの花・・・
そのアンズの実がなりました。


オレンジ色に色付いたアンズ。
今年は豊作で、たくさんなりました。


みずみずしいアンズの実。


収穫です。
約4kgありました。


まず、アンズジャムを作りました。
材料
 アンズ 2kg
 グラニュー糖 1kg
アンズは皮を剥かず、2つに割って種を取ります。


なべにアンズを入れ、上からグラニュー糖をかけてしばらくおきます。
水が出てきたら、弱火でコトコト煮詰めます。
アクが出てくるので、丁寧にすくい取ります。


アンズジャムの完成です。
酸味と甘みが入り混じり、そのまま食べてもいいし、パンにつけて食べてもいいです。


アンズ酒も作りました。
材料
 アンズ 1kg
 氷砂糖 400g
 ホワイトリカー 1.8リットル
アンズはよく洗い、水気を拭きます。
広口ビンにアンズ、氷砂糖を入れ、ホワイトリカーを注ぎます。
3ヶ月くらいで飲めるようになります。


アンズの砂糖漬けも作りました。
アンズを2つに割り、種を取ります。
砂糖をまぶします。
アンズジャムほど保存がきかないので、砂糖がなじんだで甘くなったら食べた方がいいでしょう。
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