鹿児島の自然と食

鹿児島の豊かな自然(風景、植物等)、食べ物、史跡を紹介します。

スローフード

2008-06-18 | エッセイ
スローフードという言葉がある。
スローフード運動の起こりについては、次の本に詳しい。


「スローフードな人生!イタリアの食卓から始まる」島村菜津著、新潮文庫

著者の島村菜津さんが、スローフード協会本部のあるイタリア北部の田舎町ブラやその他の町を訪ねて、スローフード運動に関わるさまざまな人々を取材して書かれた本である。

スローフードという言葉は、マクドナルドに代表されるファーストフードの対語としてできた言葉である。
ファーストフードが、材料も調理方法も味も画一的で、調理も食べるのも早いのに対し、スローフードは、
・地元の食材や昔から使われている食材を使い
・調理方法も伝統的なやりかたで、時間をかけて
・豊かな自然の中で、ゆっくり味わって食べよう。
という意味をこめて名付けられたものであろう。
言い換えれば、田舎料理、伝統食といってもいいだろう。
また、地産地消という言葉とも関連がある。
地元で取れた食材を地元で消費しよう、というもので、地元産農産物の消費拡大と、流通コストが少なくてすむという利点がある。

鹿児島は、スローフードの宝庫といっていいかもしれない。
南北600kmに渡る地域や島々に、伝統の食材や料理がある。
黒牛、黒豚、いも焼酎、からいも、かるかん、あくまき、各島々の郷土料理・・・
あげれば切りがない。

しかし、これらのスローフードも輝かしい未来ばかりではない。
一つは、作る人が少なくなっている。
かるかん、あくまき、かからん団子などは、我々の親の世代はよく作り、送ってもらったりするが、自分たちが作ることはあまりない。
まして、我々の子供の世代は、まず作ることはない。

また、流通の問題もある。
例えば、桜島大根は、ブリ大根などにすると最高だが、手軽に近くのスーパーで買えるというわけではない。
大きさがネックになっている。
売っていたとしても、あの大きな大根は、我々のような夫婦二人の家庭には持て余してしまう。
地元食材、伝統食材といっても、食べることは少なくなってきている。
これらの伝統食を食べたり作ったりし、子供の世代に伝えていくことが、我々の努めであると思う。
コメント (4)
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