本日も小雨、
このところカラッと晴れる日が
少ない。
夏は猛暑で秋はらしくない~。
さて、
貧困女子の本を二冊読みました。
一人は派遣切りにあった20代、
一人は離婚した30代、
「神さまを待っている」(畑野智美・文春文庫)
「東京ロンダリング」(原田ひ香・集英社)
どちらも住む場所を失い、
都会の裏で稼ぎ、暮らしていく。
「神さま~~」は
漫画喫茶で暮らし、日雇いの仕事に就くも、
出会い系の喫茶で働くようになり、
その場所で、街に立つ十代や20代の女の子を
知っていく~~。
「百円のコッペパン」
「一万五千円の彼女たち」
「0円のスープ」「二万円のわたし」
「わたしの神さま」「生活」
こんな風な章展開になっていて、
それを見るだけで、
いろんなことがわかります。
「~わたし十年後に生きているかなあ」
「~生活保護っていっても、難しくて
意味わかんないんだもの」
保護申請したくても、
難しい言葉がいっぱい出てきて、
何をどうすれば受けられるのか、
確かにわかりにくい~~。
まして、今、明日を生きることに
精一杯の人たちがたどり着くには
あまりに遠い~~。
もう一冊の
「東京ロンダリング」は
「三千円の使い方」の原田ひ香さんの2011年の作品。
古さは感じない。
主人公は離婚したものの、
無一文で放り出された31歳。
アパートを探して尋ねた不動産屋で
「ロンダリング」という仕事に誘われる。
「ロンダリング」とは、
訳アリ物件、つまりそこで人が死んだ場合、
次の借り手には、
事情を説明する義務があるため、
敬遠される。
そこで「ロンダリング」といって、
何か月か住み、「きれいに」することで
告知義務を逃れたり、
家賃を減額せずにすむと仕掛け。
「どんな豪華にマンションでも、
いろんな方法で人は死ぬ」
すると豪華マンションほど噂は広まり
価格が下がる~~。
こういう仕事、本当にあるのかな?
ありそうですね。
面白かったのは、
「神さま~~」の貧しい家の様子と
一等地の超豪華マンションのそれが
とてもよく似ていること。
「~~汚いのか
きれいなのかよくわからない家だ。
ミニマリストと思えるほど家具が少ない」
これは「神さま~~」のほうの
出会い系喫茶の稼ぎで子供二人を
育てて(?)いる女性の部屋。
「~部屋は広く感じられなかった。
窓や水回りがやたら大きく~~、
自分のなかの感覚が
少しずつ狂いだすような感じがした」
その豪華マンションでピザや出前の食生活。
どちらも「暮らし」や「生活」がない~~?
いきなりですが~~、
生活感満載の夕食~~、
夕食はサンマ。3尾で399円。イワシがなかったので、
安くなっていたサンマを。
どちらの作品も、
最後、こんな食生活にたどりつくところが
面白い。
「神さま~」のほうは「~夕ご飯は鍋にした。
お肉も野菜もいっぱい食べられるし」
「ロンダリング」のほうは、
「~秋刀魚の塩焼きに豚肉のこしょう焼き、
豚汁~~」
ああ、おいしそう。
ほっとするよね、こういうご飯~~。
想像外の貧しさというのがある、
文字が読めない、
親とのかかわりのなかで
「普通」の感覚を見失っていく人たち~~。
ちなみに
「神さまを待っている」の「神さま」は
最初、今夜泊めてくれる男性、
そして最後は「手を差し伸べてくれる誰か」
都会の地獄めぐりを終えた二人は
「生活」という明るい場所に戻れた=。
よかった、よかった。
読後感はどちらもいいです。
一緒に地獄めぐりをしてきたような~~。
ということで、
読み終わったあと、いつもの節約ご飯が
豪華なご飯に思えてきました。
美味しかった。
こういうご飯が私には一番のご馳走。
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