ひとり紫苑・プチプラ快適な日々を工夫

書籍「年金五万円が教えてくれたお金の向き合い方」「あるもので工夫する楽しい節約生活」は9万部。工夫の毎日は続く。

女が女でいられること・唐桟木綿&菊唐草帯

2015-04-20 08:44:52 | 映画・演劇

 

友達に誘われて少し前の映画を観てきました。

「アルバート氏の人生」。これがまあ、すごい映画で。

2011年制作ということですが、当時私はなぜか知らなくて、このたび観てびっくり。

この男性、だれだかわかりますか。

グレン・グローズ、そうあの「危険な情事」で、ものすごく怖い愛人を演じた女優さんです。このとき64歳。

映画は、19世紀のアイルランドで男性として生きた女性の話です。

映画を観る前は、宝塚の男役みたいでカッコいいな、などという軽いノリだったのですが、映画はある事情から男性として生きる女性の話。

当時のイギリス社会では、女性がとても生きづらい社会だったのです。

右の男性も女性よ!。いい映画を観たわ。

二人ともものすごい演技力、それにメイクの力がすごい。

 

若い人には信じられないかもしれないけど、少し前までの日本では女性差別なるものがありました。いや、今でも形を変えて残っているけど。

私たち若い頃には「人は女に生まれない。女になるのだ」というボーボワールの「第二の性」という著作は必読書だったのです。

ああ、遠い昔だけど、この言葉は真実をついていると思うわ。

人は女の子として育てられるうちに「女性特有の振舞いや考えを身に着ける」ということ。

男だって同じですけどね、人は男に生まれない、男になるのだ。

「男の子でしょ、泣いちゃダメ」などと言われてね。

 今はむしろ男性のほうが生きづらいかもしれない~~。時代は変わるものですね。

 男でも女でも悲しいときには泣いていいと思うよ。

 

 それはさておき、この映画のグレース、わかっていても女性には見えない(演技とメイクのせいで)。

彼(彼女)が生涯に一度だけ、女性の洋服を身に着けるところなんか、まさに男性が女装したとしか見えない倒錯の世界、でもだんだん歓びがわいてくるところなど、ホント、滂沱の涙。

私たち女性が、きものをはじめ、美しいものを身に着けることは、ものすごく恵まれたことなんだと、つくづく実感します。

 

そんな日の私は、唐桟木綿に草木染め唐草帯です。

木綿はいいわあ。

水玉の下駄。

帯揚げはベージュ。

帯締めはあっさりブルー系。半襟に合わせました。

こういう場所での映画です。ちょっと宇宙的でしょ。

 

映画が終わったあとは、近くにある飛鳥山公園をお散歩。

作家展で彫金の先生と」→飛鳥山には前にも。

ここでは毎年夏に「薪能」が行われます。

梅若や狂言では万作や萬斎が出演する本格的な舞台です。

何度か観たけど、舞台もよくて幻想的な世界にすぐに引き込まれるほどの環境です。

普段は自転車置き場になっているんだね。

 

 

たまたまネットで、タレントの「女性同士が結婚」というニュースが。

すごいね。いい時代になったものだわ。

自分が自分でいられないのは、辛いもんね。

というわけで~~、女になったからには、どんどん美しいきものを身につけましょうね。いや、私はまだまだ女道発展途上、「女になるため」にきもの着てます。

長いのに、最後までありがとうございました。

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2 コメント

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Unknown (ねね)
2015-04-20 21:16:15
興味深い映画のご紹介、ありがとうございます。
紫苑さんの素敵な解説で、見たくなりました。

とても大切な友人は、女性を愛し男装をしています。
女の子を産んだ私に言った言葉は
「女の子は、小さい時から可愛い服を着せてあげて、女の子らしく育てるんだよ。」でした。

とても深かったです。





男装 (紫苑)
2015-04-23 08:45:03
ねねさん
貴重なコメント、ありがとうございます。
自分の性が、生まれたままの姿とは違和感を感じるのは人一倍大変です。いまの時代、少しは容認されてきたのでまだ生きていけますが、本当につらい時代もあり、でも私たちの周りでも、まだ口を閉ざし、知らずに傷つけていることってたくさんあるような気がします。性のことだけではなく~~。

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