ひとり紫苑・プチプラ快適な日々を工夫

書籍「年金五万円が教えてくれたお金の向き合い方」「あるもので工夫する楽しい節約生活」は9万部。工夫の毎日は続く。

「あ・うん」の冨司純子さんと森田空美先生

2017-05-10 18:15:10 | ドラマのなかの着物

 

先日、BSの映画チャンネルを何気なく回したら、

映画「あ・うん」を放送していました。

向田邦子さん原作ですね。

映画を、というより画面の冨司純子さんの

きもの姿があまりにきれいでつい見てしまった。


市松格子に縞の帯。

帯のほうはうまく映らなかった。


冨司さんのきれいなこと。

映画は1989年制作だから28年前。

このとき43,4歳。


わたしは、え~~と、子育てでもっとも忙~、

君のことはいいの、はい。


若いときの彼女もいいけど、このときが

もっとも美しいのでは?

艶やかさの裏の生い立ちー藤純子さん」


40代の女性ってホント、きれい。

もっと大事にすればよかった、40代のワタシ。

君のことはいいの、はい。

 


南京陥落の年1937年(昭和12年)の東京を舞台に

一人の女性を真ん中に二人の男(健さんと坂東)、

ただし女は坂東と結婚しているといったお話。

(役名と役者名が一緒になっているけど)。

健さん扮する門倉は親友の奥さんに思いを寄せている。

向田ファンにはすっかりおなじみです。


紬にやはり紬のベージュ帯。

帯揚げと帯締めを臙脂で統一、というおしゃれぶり。

 

前にも見たことあるんですね。

でもきものに興味がなかった頃で、

向田さんの作品にしてはい、というか、

女性(富司)も、門倉に好かれていることが

わかっているからでしょうか、

どこか媚びがあって、わざとらしい。


「かわうそ」などの作品の辛辣さがない

~~なんて思ってました。


縞紬(木綿?)に矢の字が可愛い。


今回も、戦争中のサラリーマンの奥さんが

着るにはいい着物過ぎるし、

昭和の香りたっぷりのおうちも

懐かしくも素敵だけど、

どこか消毒したようなきれいさ~~。

三角関係とはいえ、あくまでプラトニックの

ファンタジーっぽい。


ちゃぶ台に刺し子の布巾と芸も細かい。


健さん(門倉)の妻役は宮本信子さん。

夫に愛人がいると知って慌ててきもの

着たらしく~~。

冨司さんの格子帯。どちらも帯板なし、だね。

水玉の半襟が可愛い。


ところがドラマのラスト近く、

娘(富田靖子)の恋人(真木蔵人・懐かしい)が

召集されることになって、別れの挨拶に来たとき、

憲兵隊ににらまれた人間は、

生きて帰れないというからな

と、門倉がつぶやく。


これまできれい事だったお話が

びりびりと破けて戦争、現実がいきなり現れる。

舞台は反転、天国が破れて地獄が

垣間見える~~。

ぞっとしました。


新宿の音楽喫茶を「らんぶる」を連想させる

喫茶店。二階に上がったところの、あの席ね。


これまでのファンタジーは、破られるために

あったのね。

だからこその夢物語だったのね。


「~今晩は帰ってこなくていいよ、俺が責任を持つ」

という門倉。

どう責任取るんだ、なんてね。


「さと子ちゃんにとっては今夜が一生分だな」


不覚にも、ここで胸を締め付けられた。


いえ、一生を一晩で生きる女性に、というより、

「戦争反対」で戦争に行く若者のことを思って。

これは「お国のために戦います」と出征するより

何倍も辛いでしょう。


ものすごいいじめと本人の葛藤、

凄惨な死が待っているわけで。


ジャワに「栄転」が決まった夫と同行すると

言う妻。

 会社は倒産寸前の門倉。

 この人たちも、このあと悲惨な人生が

 待っているわけで。


そんなわけで、

涙ぐみながらタイトルバックを見ていたら、

森田空美先生のお名前が。

 


そういえば、森田先生っぽいきものだったよなと。

でも、雑誌などと違い、冨司さん、襟周りなど、

なんと自分流に着崩していらっしゃることか。


この「美しい崩し」、大いに参考になります。


なんだっけ、これ、そう紙芝居!知ってる?

 

健さん、登場しないのも寂しいので。

珍しいオールバックの健さんを。


というわけで、なにかと物騒なこの頃、

戦争、起きてほしくない、

と改めて思った紫苑でした。

 

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4 コメント

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着物アンテナ ピッピッピッ! (悠々)
2017-05-10 21:46:25
紫苑様

冨司純子さん、幾つになられてもその時々で美しいですね。

着物を着るようになって、テレビや映画の中の 和服姿がとても気になる様になりました。
最近では、昨年秋放送(NHK)の『夏目漱石の妻』。主役の尾野真千子さんの妻着物や、ちょっとだけ登場した壇蜜さんの粋なお姐さん着物…それぞれ素敵で、
今でも時々見直しては、甘いため息をついております。
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Unknown (創三奏)
2017-05-13 09:43:09
かつて、銀幕のスターとして活躍された藤純子さんの美しさは、圧倒的でした。一女学生も、その美しさに感動しておりました。
その美しさと優しいお声。一転して、思いを守る時の強い姿。何て格好良いのだろうと、思った記憶にあります。
しおんさんの以前のブログ内の、富司純子さんの生い立ちを、再読させていただきました。
おそめさんのお話。何か他の着物の記事で、おそめさんのことを、読んだことが有りましたが、何と沢山の逸話が、おありだったのでしょう。

そして、裏勝りの視点。。。密かに誇れるものがあればこそ、裏打ちされているからこそ美しい。
しおんさんの感服のお言葉です。

しおんさんも、美しくゆとりのお着付けです!
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きものドラマ (紫苑)
2017-05-13 10:03:54
悠々さま
私も毎週楽しみにしておりました。「漱石の妻」。
尾野真千子さんのきもの、前には「夫婦善哉」でも。
きものを着るようになると、ドラマの味方も変わります。深くなるというか、いや、見惚れてしまうというか。
今夜の「京都~~」も楽しみにしている作品の一つだったのに~~。「漱石悶々」で宮沢さん、素敵なきものをいっぱい見せてくれましたが、確か同じ演出家なんですよ。
京都ときものが好きなんでしょうね。さすがに着物の見せ方もきれいです。
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女性の強さ (紫苑)
2017-05-13 10:09:15
創三奏さま
銀幕時代の藤純子さんはあまり見たことないのですが、「義経」で共演なさった菊之助さんと結婚なさるとき、かなりの反対があったと聞きます。それでも通して、その上役者としても素顔で出たりと、ほぼ完ぺきな女性ですよね。
美貌も強さも完ぺきすぎて、憧れるどころではない存在です。苦労してきたからこその強さと美しさなんでしょうね。そう考えると、少し安心します。
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